GⅡ札幌記念('17年)は横山典騎手の逃げに期待してサウンズオブアースに◎を

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サマー2000シリーズの第4戦となるGⅡ札幌記念が8月20日(日)、札幌競馬場の芝2000mを舞台に行われます。今年は「あと一歩」GⅠに届かない実績馬の3頭、ヤマカツエース、エアスピネル、サウンズオブアースがこのレースに出走。秋のGⅠ戦線へ踏み出すためにも、3頭にとっては結果と内容が問われるレースになりました。

 

実績馬の3頭

ヤマカツエース、エアスピネル、サウンズオブアースは札幌記念から始動。う〜ん、GⅠレースの常連とは言え、なかなかにしぶいメンバーが集まりましたね……。格上の実績をもつのは再三GⅠで2着があるサウンズオブアース、次点が変則的に金鯱賞を連覇したヤマカツエース、そして、3冠クラシックをすべて掲示板内に好走したエアスピネルはここだと3番手でしょうか。それぞれに不安点を抱えているのは皆様もご承知の通りです。

 

サウンズオブアースの不安点

ドバイシーマクラシック6着からの帰国初戦。休み明け自体はそれほど問題はないものの、海外遠征帰りというのはマイナス。それに加えて、「まだ2勝馬」ということからも、勝ち味に遅いのは……。

鞍上の横山典騎手のスポット騎乗とあって、どのようなレースをするのかにも注目が集まります。このメンバーと頭数だとまさかの「逃げ」もゼロではありません。

 

ヤマカツエースの不安点

宝塚記念の疲れが抜けきっているのかはポイント。昨秋から詰めて使われてきており、おそらく宝塚記念がピークの出来だったはずです。ヤマカツエースは休み明けはあまり走らないタイプでもあります。

 

エアスピネルの不安点

安田記念から間隔を取って、中距離のここへ照準を定めてきました。2ヶ月近く自厩舎に置いたままでの仕上げで、もともとこのレースを狙ったローテーションを組んでいなかったのはマイナス。

気性に難しいところのある馬で、マイルから距離を延長しての大外枠ですから、折り合いにも不安が残ります。小回り適性を活かしてどこまで上位に食い込めるのか……。

 

札幌記念は格上馬が強いとは言え……

札幌記念は格上馬が強いレースですから、素直に選ぶのならこの3頭からになります。サウンズオブアースは小回り・内回りも直線の長いコースも苦にしないタイプなので、札幌コース自体はOK。ヤマカツエースとエアスピネルは3〜4コーナーでの捲り脚が真骨頂のキングカメハメハ産駒とあって、このコースはずんどばです。

I Dreamed a Dream 夢は札幌でーーエアスピネルのGⅡ札幌記念('17)展望 - ずんどば競馬

GⅡの定量戦ですから、どうしても実力のある馬に有利ですし、今年はまぎれの可能性が低くなるような少頭数とあって、配当的にも難しい1戦になりましたね。

 

予想

出走馬13頭のなかで「いかにも外回り・直線の長いコース向きのストライド」で走る馬はいないので、どの馬も適正としては外れていません。そのため、レースの展開が鍵を握ることになりそうです。

 

レース展開

ここでいきなり難問が待ち構えています。それほどスタートの速くないロードヴァンドールを制して、横山典騎手のサウンズオブアースが「クイーンSのアエロリット作戦」を実行するのかどうか。このメンバーとコースであれば、差しに構えるよりは逃げてしまった方が「勝つ」可能性は高く、横山典騎手のペースメイクだと簡単には捲らせないでしょうから、「後続は手も足も出なかったクイーンS」の再現があるかもしれません。まぁ、サウンズオブアースが逃げるかどうかはゲートが開くまで誰にもわからないことですから、とりあえずはロードヴァンドールの逃げを想定。

2番手にはマイネルミラノ、タマモベストプレイ、エアスピネルが続き、中団以降はスタートの出方次第となるのでしょう。ロードヴァンドールの逃げであれば、前半の1000mは60秒台を切るかどうかくらいで、ヤマカツエースにとっては捲りやすい流れになります。ただ、1番人気でインから捲るとは思えず、3コーナー過ぎでじわっと外目を進出する形になるので、インを俊敏に捲れる馬に抜け出しを食らう恐れは十分にありますね。13頭のなかでイン捲りができそうなのは、サクラアンプルール、ツクバアズマオー、アングライフェンの3頭。

 

◎サウンズオブアース 6歳牡馬

ドバイ遠征帰りは、芝のシーマクラシックであればセーフ。そのドバイでのレースはほぼ力を出し切っておらず、疲労の心配はありません。

直さんの長いコースをしなやかにキレる脚も、小回りをびゅんと捲る器用な脚もある馬で、「この舞台がベスト!」とエクスクラメーション・マークを付けられないのがサウンズオブアースの長所でもあり短所でもあります。

2勝馬で勝ち切れない馬だからこそ「横山典弘」騎手へ依頼したのでしょうから、札幌の芝2000mをどのようなレースプランで走るのかは楽しみです。気性的な難しさはない馬なので、逃げても好位のインから抜け出すのも自由自在。横山典騎手らしいサプライズな騎乗を期待したいですね。

 

◯ロードヴァンドール 4歳牡馬

逃げるのはサウンズオブアースかロードヴァンドールかなので、この馬を◯に。初めてのGⅠ挑戦となった前走の大阪杯はマルターズアポジーに先手を譲るとややスローにペースをコントロールされてしまい、手も足も出ない14着。今走はブリンカーを着用して「何が何でもハナ」でしょうから、スタートを決めて平均よりやや速い流れにもち込めれば後続を完封する可能性は十分にあります。

太宰騎手は大逃げや平均より速い流れでの逃げを好まない騎手ですから、どのようなペースメイクをするのかは注目です。あまり引きつけない逃げが希望ですが、どうなるでしょうか……。

 

その他の2着候補として

先にも上げたように、ヤマカツエースやエアスピネルは外から捲ってくることになるので、インを俊敏に動けるタイプを2着候補としてピックアップします。候補となるのは3頭。

 

△サクラアンプルール

理想としてはロードヴァンドールが離し逃げにもち込み、先行勢やヤマカツエースなどが3コーナーから追いかけていくところを、インからスルスルとポジションを上げて差しての2着。今年の夏、札幌で騎乗している蛯名騎手は外から強引に捲るのが目立つので、そこが不安点です。ワンテンポ遅らせてインを縫うように上がって来れるのなら……。

 

△ツクバアズマオー

吉田豊騎手→勝浦騎手の乗り替わりは今の両騎手の調子を考えると、この馬にとってプラス。馬群に揉まれても苦にしないタイプで、インからスルスルと捲っていけるのがこの馬の最大の長所と言えます。ステイゴールド産駒らしく小回りはずんどばなので、ロスなく馬群をさばければチャンスも。

 

△アングライフェン

函館記念4着からここへ参戦。器用な脚のあるアングライフェンにとって、コーナーの距離が長い札幌コースは合っています。使える脚が短いため、じっと我慢して乗る福永騎手とは手が合うはずで、クイーンSでのトーセンビクトリーのように内から抜け出して2着という乗り方をすればチャンスも十分に。福永騎手は4コーナーで捲り切るような競馬だけはしないので、その点は安心できますね。

 

マウントロブソンについて

堀宣行厩舎+J・モレイラ騎手ということで前日時点では3番人気に押されています。モレイラ・マジックで好走してしまうかもしれませんが……本質的にはしなやかなストライドで走る馬なので、小回り向きではありません。前走、小回り福島での快勝は「格」が違ったという走りでした。コーナー距離の長い札幌でこのメンバー相手に外からストライド・ロスを承知で捲りきれるのかは「?」がつきます。

現在、世界NO.1ジョッキーと言われるR・ムーア騎手も年々日本での勝率・連対率が下がってきているように、モレイラ騎手も今年が正念場。8月19日(土)は11鞍に騎乗して(3 - 3 - 1 - 4)と好スタートを切っているので、札幌記念でも好走の可能性は残るものの、これだけ「騎手人気」になってしまうと難しいところですね。

 

買い目

ヤマカツエースとエアスピネルの2頭ともにスルッと3着に入る可能性は十分にあります。ヤマカツエースに関してはアッサリと勝ってしまっても不思議ではありません。そのため、◎と◯を1着に固定した馬単でなるべく点数を抑えておきたいですね。ヤマカツエースに勝たれてしまった「チーン……終了」となるリスクを考慮した上での馬券を。また、サウンズオブアースとロードヴァンドールの両立があるかは難しいところなので、4 - 7という馬連単は買い目からは外します。

 

馬単

7. 4→ 1. 9. 11

 

まとめ

難解な割には高配当が望めなさそうな今年の札幌記念。上位人気のヤマカツエースが好走することも十二分にあるので、できるだけ点数を絞って外れても「OK」にしておきたいですね。実際には「ケン」するのがベストなのでしょうが、競馬好きにはそれは酷というものなので……。

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。