高速馬場の阪神芝はどうなるのか?ーー垂水S、出石特別、京橋特別の予想

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6月17、18日の阪神競馬場は開催3周目にも関わらず、メインのオープン特別戦でレコードタイムが出るほどに芝が「高速」化しました。これは、梅雨の時期に入っても好天に恵まれたため、芝や路盤の含水率が低下したことで時計の速い馬場になったと考えられます。

6月25日、阪神競馬場では春のグランプリ宝塚記念が行われます。GⅠ3連勝のかかるキタサンブラックがどのようなレースをするのかにも注目が集まるなか、馬券を検討する上で欠かせないのが馬場状態です。週中に先週の阪神競馬場の馬場状態についてまとめた記事を書きましたので、興味のある方はご参照下さい。

阪神競馬場が史上最速の馬場に!?ーー宝塚記念に向けて馬場はどうなるのか? - ずんどば競馬

今回の記事では、6月24日(土)に行われる阪神競馬場の特別3レースの予想を「馬場状態」と併せて書いておきます。

 

6月24日の阪神競馬場の馬場状態

JRAのHPで発表されている阪神競馬場の芝は「良」のコンディション。 18日(日)と19日(月)に芝の育成を目的とした散水を行っています。その後、水曜日に「72mm」の雨量を計測。ただ、金曜日の段階で芝の状態は良まで回復していることから、先週と同じような時計の速いレースになると考えられます。

 

先週の高速馬場の特徴は?

先週の高速馬場では、1600m以下の芝ではアドマイヤムーン、1800m以上ではディープインパクト産駒が大活躍を見せました。今週も同じような高速馬場が続くのであれば、種牡馬には注意を払いたいところです。

また脚質としては「逃げ・先行馬」に優位な馬場ではあるものの、瞬発力勝負に強い馬であれば差しも効きます。

 

以上を念頭に置いて土曜日の阪神競馬場で行われる9〜11Rの特別戦を見ていきましょう。

 

9R京橋特別 3歳以上1000万下 芝2000m

オープンからの2段階目降級となるアジュールローズとレプランシュ、逃げ馬のケンホファヴァルト、デムーロ騎手の乗るサトノメサイアの4頭が上位の人気に支持される1戦。

阪神の内回りコースで行われるため、ストライドを伸ばす馬よりもコーナーを器用に回れる馬をピックアップしたいところです。

まずは、前日の時点で上位人気に支持されている4頭について簡単に触れておきます。

 

アジュールローズ

3歳時にプリンシパルSを勝ってオープン入り。ダービー後に長期休養を挟み、今年の福島民報杯で復帰しましたが8着と敗れました。前走はオープンから1000万下クラスに降級し、1番人気を裏切る6着。ここは巻き返しを期す1戦になります。

前走は道中スムーズに追走しながら、直線で手応えがなくなり後退していくレースぶりで、1番人気としては見所がありませんでした。長期休養を挟んで3戦目のここは負けられないレースに。まずは心身ともに整った状態での出走になるのかが注目です。

 

レプランシュ

昨年のきさらぎ賞でサトノダイヤモンドの2着に入り、オープンの賞金を獲得しました。その後は春のクラシックをスキップして昨秋に復帰。ここまでオープン戦を3走したものの、すべて2桁着順と奮いません。

ディープインパクト産駒の同馬にとって今の阪神の馬場は合うはずで、2段階降級のここは力の入る1戦になります。

 

ケンホファヴァルト

ハナを切る競馬に徹することでここ数戦は成績が安定しています。阪神内回りコース+強力な先行馬が不在、そして時計の速い馬場とこの馬が好走する要素が「これでもかっ!」と詰まっているように見えるのが怖くはあります。

武豊騎手のペースメイクであれば、下手なレースにはならないはずです。

 

サトノメサイア

M・デムーロ騎手+堀宣行調教師のコンビ。ここ数戦は1000万下クラスで人気ほどには走れていません。

ハーツクライ産駒なので、先行して押し切るレースをしたいところですが……ここ2戦は差し・追い込みの競馬で敗退しているので、先行策が取れれば。

 

◎メイショウミツボシ 5歳牡馬

前走から斤量が4kg増えることと、1000万下では好走歴がないことから人気を落としています。

前走はオープン級の能力を秘める降級馬のテオドールが完勝したレース。メイショウミツボシはインベタ馬場にも関わらず道中で外目を回らされる不利。今回は幸騎手がスタートから出していけばケンホファヴァルトの直後のインが取れる組み合わせ。

1000万下クラスでは着順は悪いもののすべて1秒差以内の負けに留めており、メイショウサムソン産駒らしい瞬発力を活かせる展開になれば好走のチャンスも。

 

◯ケンホファヴァルト 4歳牡馬

「罠ではなかろうか……」と疑いたくなってしまうほどに、この馬向きのレース。

他にハナを主張したい馬もいないため、武豊騎手がマイペースで運べればチャンスは十分です。先週のように速い馬場だとスローの瞬発力勝負よりは、少しずつペースを上げる逃げを打ちたいところ。

 

△ケージーキンカメ

△タイセイアプローズ

 

上位人気の3頭は3着以内に入れない可能性も高いので、ここはこの4頭。

 

10R出石特別 3歳以上500万下 芝1400m

フルゲートの500万下クラスで、人気上位は1000万下からの降級馬パーリオミノルと3歳馬ダイメイフジ、コパノピエールの3頭に集まっています。

内枠に入ったコパノピエールがどのような逃げを打つのかが注目のレースです。各馬大きな力の差はないので、ここは思い切って人気薄をピックアップします。

 

◎クローディオ 5歳騸馬

ダート→芝替わり、距離短縮、内枠、和田騎手と一変の要素は満載です。ダート戦だった前走の大敗はノーカウントとして、2走前の阪神マイルの走りは最後方からなかなかの伸び脚で7着。

パトロールビデを観ていても左右にもたれる馬で制御が難しいのでしょうが、シーザリオの仔らしく上品な馬体とフォームからは十分に能力を感じさせます。

前走ダートを使ったことが刺激になり、道中の行きっぷりもよくなるはずで、中団のインに収まることができればチャンスも。ハービンジャー産駒なので高速馬場もOKです。

どの馬にもチャンスがある混戦なので、ここはクローディオの単勝で。

 

11R垂水S 3歳以上1600万下 芝1800m

1年7ヶ月ぶりのレースを完勝した素質馬シルバーステートが出走するとあって注目を集めるレースに。

 

シルバーステート 4歳牡馬

父:ディープインパクト

母:シルヴァースカヤ (母父:Silver Hawk)

2歳時から注目を集めたディープインパクト産駒。母父Silver Hawkらしいパワー体質が伝わったピッチ走法で、スタートからすっと好位に取り付けるところを見ても、ジェンティルドンナのようなディープ産駒です。

本質的にはピッチで捲れる阪神内回りや小回りコースがベストで、阪神外回りコースだといくらか割引。ただ、前走のように外回りコースであってもどスローの展開になればむしろピッチが活きるので、ここもスローになるなら……。

シャケトラもそうでしたが、オープンに行くまでは適性云々関係なく素質だけでぶっこぬいてしまう可能性は十分にあります。藤原英厩舎なので長期休養明けを叩いた反動に対するケアはしっかりしているでしょうし、極端にペースが流れなければここもチャンスは十分。

 

◎シルバーステート

ピッチ走法だから外回りは……という適性の話はシルバーステートが重賞に出走してから考えればいいことで、単勝1倍台とモロに人気を被っていますが、ここは◎で。

この先の印の付け方は2通りあって、シルバーステートが逃げるにせよ番手に控えるにせよどスローのペースメイクであればアドマイヤムーン産駒のハクサンルドルフ、ペースが流れるようだとストライドのミエノサクシードが優勢な展開になります。

 

◯ブレイヴリー

少頭数ですんなりとハナに立てれば、ブラックムーンやアスカビレンといった現オープン馬とも好戦できる力をもっています。阪神1800mの三木特別を1分45秒4で走破していることからも高速決着もOK。

ここはインからタツゴウゲキ、カバーストーリーがいるので、スローペースでコントロールしなければピッチでシルバーステートに抜け出されたとしても後続の差し脚をしのげる公算も。

 

▲カバーストーリー

外からブレイヴリーとシルバーステートが内に切り込んでくるので、上手く外側に進路が取れれば……母父アフリートなので馬群にもまれるとダメ。武豊騎手が外目の2、3番手を取れるなら最後までしぶとい脚を使えます。上りが極端に速くならなければ高速馬場もOK。

 

△ミエノサクシード

3着候補として。出遅れなければ……イーブンのペースであればハクサンルドルフよりもこちらを上位に。

 

買い目

3連単で◎→◯▲→◯▲△へ

 

まとめ

土曜日の阪神は先週に引き続き高速馬場になっているのか、宝塚記念の馬券を検討する上でも芝のコンディションのチェックは欠かせませんね。

 

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。