秋華賞(2018年)におけるアーモンドアイの唯一の不安は?ーー今年は馬券の買い方が大切なレースに!

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桜花賞とオークスを制した天才少女「アーモンドアイ」は、ジェンティルドンナ以来となる牝馬3冠を目指して秋華賞(GⅠ・京都芝2000m)に出走します。

 

秋華賞のポイント

秋華賞は牝馬3冠のなかでもっとも直線の短いコースで行われます。牝馬3冠レースの直線距離は以下の通りです。

桜花賞:473.6m

オークス:525.9m

秋華賞:328.4m

直線の距離が短いということは、それだけコーナー距離が長くなることを表しています。つまり、秋華賞はコーナーを俊敏に回る器用さ(機動力)が桜花賞やオークスよりも求められるレースだと言えるでしょう。

 

ピッチ>ストライド?

内回り・小回り向きの器用さがあるのはストライドよりもピッチ走法の馬です。ただ、過去の秋華賞はディープインパクト産駒に代表されるストライド走法の馬も好走しています。これはどうしてなのでしょうか?

 

ディープインパクト産駒

過去6年、ディープインパクト産駒は秋華賞を4勝しています。また、重馬場だった昨年を除くと、2012年から少なくとも1頭は連対しているように、秋華賞とディープインパクト産駒は好相性。

ディープインパクトはしなやかさを強く伝えるため、産駒の多くはストライド走法を受け継ぎます。先にも述べたように、秋華賞はピッチ走法の馬に有利なコースであるのに、どうしてディープインパクト産駒が好成績を残しているのでしょうか?

それを紐解くために、まずは過去を振り返ってみましょう。秋華賞馬となったディープインパクト産駒は以下の4頭です。

2012年:ジェンティルドンナ

2014年:ショウナンパンドラ

2015年:ミッキークイーン

2016年:ヴィブロス

このなかで、牝馬3冠を達成したジェンティルドンナはストライドではなくピッチで走るので、器用さに長けたタイプでした。また、ヴィブロスはHaloクロスらしい器用さをもつので、小回り・内回りを苦にしません。

残る2頭、ショウナンパンドラミッキークイーンはともにストライド走法の馬です。この2頭の勝因は勝ちタイムと前半1000mの通過タイムを見ればわかります。

2014年

ショウナンパンドラ

勝ちタイム:1分57秒0

前半1000m:58.0

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2015年

ミッキークイーン

勝ちタイム:1分56秒9

前半1000m:57.4

この2レースはかなりの高速決着となったこと、前半1000mが速い前傾ラップになったことで、ストライド走法のディープインパクト産駒が差し届いてしまったのです。つまり、ストライド走法の馬が秋華賞を勝ち切るには、「高速馬場+前傾ラップ」になるかどうかにかかっています。

 

ロードカナロアはディープインパクトに似ている?

初年度産駒からアーモンドアイとステルヴィオなどの活躍馬を出したロードカナロアは、現役時代にスプリント〜マイルまでをこなしたスピードタイプでした。ただ、種牡馬としては母レディブラッサムの柔らかな体質を強く伝えるため、産駒はマイルから中距離をこなします。

ロードカナロアはしなやかなストライド走法を伝えるという点でディープインパクトに似ており、産駒の多くは直線の長いコースと好相性です。そのため、ストライドで走るアーモンドアイにとって、秋華賞は前傾ラップになるのがベターと言えるでしょう。

 

アーモンドアイの不安点はたったひとつ

アーモンドアイは同世代の牝馬のなかでは競走能力がずば抜けているので、不向きなコースであっても大きく崩れるシーンは考えられません。

また、ステップレースを走らずに秋華賞に向かうのはシンザン記念→桜花賞のときと同じです。ノーザンファーム天栄で調整されていることを考えれば、臨戦過程に大きな不安はないと言えます。

それでは、アーモンドアイのたったひとつの不安点とは何なのでしょうか?

 

C・ルメール騎手は馬群を割ることを好む

アーモンドアイの主戦を務めるC・ルメール騎手は馬群を割ることを好みます。昨年の秋華賞におけるディアドラでの名騎乗からも、内回り・小回りコースだとスンナリと大外へもち出すことは多くありません。

もし、勝負所の3〜4コーナーで馬群に包まれて進路が取れないようなことになると、差し損ねる可能性も……。ただ、競走能力がズバ抜けていることに加えて6枠に入りましたから、ルメール騎手がリスクの高いインにこだわるのかは微妙なライン……。

 

前傾ラップにならないと……

先にも述べたように、しなやかなストライド走法のショウナンパンドラやミッキークイーンが制した秋華賞はハイペースの持続戦でした。前半1000mが58秒前後になるなら、アーモンドアイのストライドが「バチコーン!」とハマります。

アーモンドアイは秋華賞を制した4頭のディープインパクト産駒とは異なり、母父が中距離馬のサンデーサイレンスですから、俊敏なギアチェンジにやや難のあるタイプです。そのため、スローの瞬発力勝負となると器用さのあるタイプに直線で出し抜かれ、差し届かないケースも……。

 

予想

さて、以上の点を踏まえて、ここから今年の秋華賞を考えてみましょう。予想のポイントは以下の2点です。

ポイント

1. 母父マイラーのディープインパクト産駒

2. ノーザンファーム生産馬

 

1. 母父マイラーのディープインパクト産駒

秋華賞は重馬場だった昨年を除くと、2012〜16年まで母父マイラーの馬が1着となっています。また、ディープインパクト産駒が4勝していることも大きな特徴です。

今年の出走馬のなかで、母父マイラーのディープインパクト産駒は以下の4頭。

サトノガーネット

トーセンブレス

プリモシーン

ミッキーチャーム

(50音順)

もっとも実績があるのは重賞2勝のプリモシーン。それに続くのが桜花賞4着のトーセンブレスです。後者は前走のローズSを15着と大敗しているものの、これはフケで力を発揮できなかったとのこと。その後の体調面に不安はないとのことなので、前走はノーカウントでOK。

プリモシーンはショウナンパンドラやミッキークイーンのタイプ、トーセンブレスはジェンティルドンナやヴィブロスのタイプに分類されますから、コース適性では後者が上です。プリモシーンはアーモンドアイと同じく、前傾ラップになるのが理想でしょう。

条件戦を勝ち上がって秋華賞に臨むサトノガーネットとミッキーチャームの2頭は、春の実績馬との力関係がキーポイント。ミッキーチャームは母系にNasrullahとHyperionを多く引くこととPrincely Giftのクロスをもつことから、淀の下り坂で加速して粘り込む形ならチャンスもありそうです。

 

2. ノーザンファーム生産馬

3歳の世代限定GⅠと言えば、そう、ノーザンファーム生産馬を抜きにしては語れません。また、今年の重賞はノーザンファームの外厩が走りまくっているので、これは外せませんね。

ノーザンファーム生産馬

アーモンドアイ

サラキア

ダンサール

パイオニアバイオ

プリモシーン

ラッキーライラック

ノーザンファーム生産馬はさすがに上位人気馬がズラリと揃っていますね。このなかで1頭を選ぶのなら素直にアーモンドアイになります。中目の枠に入ったことで、内に包まれる可能性も低くなったことですしね。

 

◎◯▲は意味がないので

今年の秋華賞はアーモンドアイが出走することから、「どの馬が1〜3着に好走するのか」よりも、「どのように馬券を買うのか」が大切なレースです。トリガミなんてことになったら目も当てられませんからね。

とすると、◎◯▲の印付けにあまり意味がないので、ここはどの馬をどのように買うのかを考えましょう。

 

想定されるのは2パターン

想定されるのはアーモンドアイが1着になるか2・3着になるかの2パターン。6枠に入ったので、着外になるものは切り捨てます。

 

アーモンドアイ1着

これであれば、2着候補はプリモシーンとトーセンブレスのディープインパクト産駒2頭をピック。ただし、プリモシーンはオッズ的に買えるかどうかが微妙なところです。ショウナンパンドラやミッキークイーンが勝ったときのような前傾ラップになるなら、アーモンドアイ→プリモシーン」で決まりそうですが……。

 

プリモシーン2着

プリモシーンが2着とするとオッズが厳しいので、3着にはトーセンブレスとサトノガーネットの2頭をマークする3連単で。ここは2点がギリギリです。

 

トーセンブレス2着

こちらはオッズ的に少し余裕ができるので、3着にはプリモシーン、ミッキーチャーム、サトノガーネット、ゴージャスランチをマークします。ゴージャスは父マンハッタンカフェで、2015年の秋華賞を2着と好走したクイーンズリングと似た血統構成をしており、配当跳ね上げ要員として。

 

アーモンドアイ2・3着

プリモシーンはアーモンドアイと似たしなやかストライドなので、後ろから差して1着まで突き抜けるのかは「?」が付きます。それなら、出し抜けるタイプの器用な差し馬を1着に固定したいので、このパターンのときはトーセンブレスをピック。

3連単にすると点数が多くなるので、ここはトーセンブレス1着の馬単で。2着はアーモンドアイとプリモシーンの2点です。

 

上位人気馬について

ここで上位人気馬にサラッと触れておきます。

ラッキーライラックは休み明け+乗り替わりが大きなマイナスで、春の力を出し切れるのかが不透明。能力で好走することも考えられるものの、アーモンドアイ絡みの馬券ではオッズ的に買えません。

サラキアは揉まれ弱い母系だけに内枠はマイナス。本質的には先行して粘るのがベストなタイプだけに、差しに回る可能性の高いここでは切り捨てるのが無難です。

カンタービレは器用さのあるディープインパクト産駒ですが、母父Galilenからも下り坂+直線平坦の京都コースはマイナス。この人気なら買いたくありません。

 

買い目

3連単と馬単を。オッズによってはトーセンブレスの単勝も買います。

 

3連単

1着:11

2着:16

3着:8. 9

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1着:11

2着:8

3着:16. 9. 13. 14

 

馬単

8 → 11. 16

合計8点なので、馬券に強弱を付ければ……。

 

まとめ

現在の京都芝はそれほど速い時計が出ていないこと、極端なインベタではなく外差しも決まることから、アーモンドアイにとってはプラスのコンディションです。

後は天才少女がここでどのような走りをするのかに注目しましょう。

以上、お読みいただきありがとうございました。