高松宮記念(2018年)は高速馬場か重馬場か?ーー馬場適性に合う馬をピックアップ!

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春のスプリント・チャンピオンを決めるGⅠ高松宮記念(中京芝1200m)は2016年、ビッグアーサーが1分6秒7のレースレコードをマーク。この週は高松宮記念を含めて4つのレースでレコードが更新されるほど、時計の速い馬場コンディションとなりました。

2012年に馬場の改造が行われた中京競馬場は、リニューアル直後には「時計のかかるタフな馬場」と言われ、スピードよりもパワーの求められるコース。ところが、16年の高松宮記念の週はそれまでとは馬場の傾向がガラリと変わったため、競馬ファンの多くが驚きの声を上げました。

近年、JRAのGⅠが行われる日は時計の速い芝コンディションになることがままあります。この記事では「高速馬場へと変化するのはなぜなのか?」、そして、「今年の高松宮記念は高速馬場になるのか?」について解説していきます。

 

「高速馬場」はどのように作られるのか?

2016年の高松宮記念が高速馬場になった理由は2つあります。

1. 馬場の含水率が低く、乾いたコンディション

2. 路盤が踏み固められていた

 

馬場の含水率が低い

芝の時計が速くなるのは「芝丈(=芝の長さ)」ではなく、馬場に含まれる水分の量によります。芝がカラカラに乾いた状態になれば、それだけ速い時計が出るのです。

2016年の高松宮記念の週はまったく雨が降っておらず、もともと馬場の含水率が低い状態になっていました。馬場造園課はGⅠのある日曜日に雨の予報が出ていたことから、散水を週中の1日だけとしたのです。

ところが……高松宮記念の当日は雨が降るどころか日射しが差し込む陽気となり、馬場がカラカラに乾いた状態に……。この週は馬場造園課の想定した馬場の含水率を大きく下回ることとなり、結果として高速馬場となりました。

 

路盤が踏み固められていた

2012年に竣工した馬場改造工事によって、リニューアル直後の中京競馬場は「路盤(芝を支えるもの)」が柔らかい(ソフト)なコンディションでした。それが時間の経過とともに踏み固められ、硬い馬場へと変化したのです。

また、現在のJRAは路盤を柔らかくするための施策として、「エアレーション作業(馬場に穴を開けて路盤をほぐすもの)」を行なっています。エアレーションが実施されると、開催の直後は柔らかい芝コンディションになるものの、レースが行われるにしたがって馬場が踏み固められ、時計が速くなるのです。

開催最終週に時計が速くなるのは、このエアレーション作業が行われたかどうかが大きなポイントと言えますね。

 

高速馬場になるには?

高速馬場が作られるのは、まず第1に「馬場の含水率の低さ」が必要です。そのため、以下のような状況だと時計が速くなります。

1. 週末に雨の予報

2. 馬場造園課が散水を控える

3. 実際には雨が降らない

中京競馬場は2016年の夏に暗渠排水材の設置工事を行い、芝コースの水はけを改良しています。これにより、雨が降ったとしても日射しが出て気温が上がれば、馬場は急速に乾くことに……。

馬場造園課が週末の雨予報から散水を控えることで、想定以上に馬場の含水率が低くなれば、驚くほどの高速馬場が出現するのです。

 

今年の高松宮記念は?

今年は週中に雨が降ったことで、馬場造園課が金〜日にかけて「散水」をする可能性はほぼないでしょう。そのため、金曜日に日射し出て気温が上がれば馬場は急速に乾きます。現在の時点では週末は「晴れ」の予報が出ていることから、レース当日にかけて含水率が低くなっていくのは間違いありません。

ただ、先週の馬場は「パンパンに乾いている」状態ではなく、レースレコードが出たような2016年ほどの高速馬場になるのかは「?」が付きます。土日にかけて降雨がなければ、「標準〜やや速い」ほどの馬場コンディションになるでしょう。

 

それぞれの馬場適性について

天気予報ほど「予想」するのが難しいものはないと言いますから、土日にザンザンと雨が降って急速に馬場が悪化することも考えられます。そこで、高速馬場と重馬場のそれぞれの適性をもった馬をピックアップしてみましょう。

 

高速馬場に適性のある馬

今年の高松宮記念に出走を予定している馬のなかで、もっとも高速馬場に適性のあるのはM・デムーロ騎手の乗るレッドファルクスです。

✳︎これまでのレースにおいて、はっきりと高速馬場適性を示している馬だけをピックします。

 

レッドファルクス 7歳牡馬

16、17年のGⅠスプリンターズSを制している実力馬。高松宮記念ではM・デムーロ騎手が乗るとあって1人気の支持を受けることが確実です。父スウェプトオーヴァーボード(エンドスウィープ直仔)×母父サンデーサイレンスという血統の字面通り、ベストは1400mのしなやかなスプリンター。

前後半3F33.8 - 33.4(1分7秒2)の後傾ラップになった16年のCBC賞(中京芝1200m)を鮮やかに差し切ったように、この馬は後半で鋭い脚を使えるペースと馬場が合うタイプです。

馬場が高速化すると、スピードを落とすことなく後半3Fを駆け抜けられるため、後傾ラップに向いたタイプにチャンスが訪れます。レッドファルクスは1400mベストのスプリンターですから、追走で脚を溜められる後ラップ+高速馬場がずんどばです。

この馬については以下の記事もご参照下さい。

 

重馬場に適性のある馬

重馬場に適性があるのは、「稍重」だった昨年の高松宮記念を制したセイウンコウセイ、そして、重馬場の京阪杯(GⅢ・京都芝1200m)を圧勝したネロの2頭です。どちらも渋った馬場を得意としますが、ここではより重馬場に適性のあるネロを取り上げます。

 

ネロ 7歳牡馬

重馬場となった2016年の京阪杯は強引に先手を取り切ると、34.1 - 36.2(1分10秒3)のハイペースを緩めることなく逃げ脚を伸ばし、2着のエイシンスパルタンに0.7秒差をつける圧勝劇を演じました。

父ヨハネスブルグと母系に入るDanzigの影響が出たパワー型で、速い時計だと鋭さ負けをしてしまうタイプ。馬場が悪ければ悪いほど力を発揮でき、直線の長い中京コースであっても1分9秒後半よりも遅い時計での決着になるなら、朝からの可能性も十分です。

母系に入るWild Riskの影響から馬群で揉まれると案外なだけに、重馬場を利してハイペース何気にもち込むと、パワースプリンターの少ない今年のメンバーであれば押し切りのチャンスもあります。

昨秋の京阪杯で復活の勝利を上げてから、前走のオーシャンSでも大きく崩れることなく好走しており、馬場さえ渋れば……。

 

まとめ

今年の高松宮記念は高速馬場なのか重馬場なのかによって、勝ち馬がコロッと変わる可能性の高い1戦です。そのため、土日のレースでしっかりと馬場コンディションをチェックしておく必要がありますね。

以上、お読みいただきありがとうございました。