七夕賞はNijinskyもちが波乱の立役者に?ーー2桁人気馬の血統的な共通点

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7月8日(日)、福島競馬場のメインレースに組まれた七夕賞(GⅢ・福島芝2000m)は11人気のメドウラークが1着、12人気のパワーポケットが3着に入線し、3連単が250万円を超える大波乱となりました。

Twitterにもつぶやいたように、メドウラーク2着→パワーポケット3着固定の3連単を購入していたので、直線は冷や汗が……。さすがに7歳馬メドウラークの重賞初制覇までは想像できず、詰めの甘さは相変わらずです。

 

 

七夕賞が波乱になるときは?

「荒れる」重賞とも言われる七夕賞は過去10年(2018年を含む)、8頭の2桁人気馬が1〜3着内に入線しています。

七夕賞における2桁人気の好走馬

2018年

1着:メドウラーク(11人気)

3着:パワースポット(12人気)

勝ちタイム:2分00秒8

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2016年

3着:オリオンザジャパン(11人気)

勝ちタイム:1分58秒4

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2015年

3着:マデイラ(16人気)

勝ちタイム:1分58秒2

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2014年

2着:ニューダイナスティ(10人気)

勝ちタイム:1分58秒7

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2013年

3着:タガノエルシコ(14人気)

勝ちタイム:1分58秒9

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2012年

1着:アスカクリチャン(14人気)

勝ちタイム:2分01秒1

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2010年

1着:ドモナラズ(11人気)

勝ちタイム:2分00秒4

例年だと1〜3着内に2桁人気の馬が入線するのは1頭がデフォルトで、今年(2018年)のような波乱はレアケース。

また、2013年から開催4日目に施行時期が前倒し(2012年より前は開催8日目)され、勝ちタイムは1分58秒秒台になることがほとんど。今年のように時計がかかる決着だと、2012年のアスカクリチャン、10年のドモナラズと2桁人気の馬が勝ち切ってしまいます。これに気付いていれば、メドウラークの1着も買えたのでは……と悔やまれる次第です。

 

2桁人気馬の血統的な共通点

上記の8頭において、血統的な共通点はあるのでしょうか?

 

七夕賞はNijinsky

昔から「七夕賞はNijinskyのスタミナとパワーが活きる舞台!」と言われています。上記8頭のなかで、Nijinskyを引くのは以下の5頭。

パワースポット

マデイラ

タガノエルシコ

アスカクリチャン

ドモナラズ

アスカクリチャンドモナラズは父系アフリート(Mr. Prospector系)×母系Nijinskyと似たような血統構成となっており、これはパワーポケット(父エンパイアメーカー×母系にNijinsky)にも共通しています。

七夕賞は勝ちタイムが2分台になるようだと、芝よりもダートに向くMr. ProspectorのパワーとNijinskyのスタミナが活きるレースに。今後も時計のかかる決着になるときは、この配合形の馬に注意が必要ですね。

マデイラは父クロフネ、祖母マチカネササメユキがMr. Prospector×Nijinskyという配合で、高速馬場がOKのパワータイプ。イメージとしてはアエロリットに似ていて、ジリジリと伸びる脚に長けています。

タガノエルシコの3着は後半1000mのラップが12.3 - 12.1 - 12.1 - 11.7 - 12.1のロングスパート戦をパワーとスタミナでイン捲りしたもの。Nijinsky4×5のクロスとRoberto的なパワーがマッチした好走と言えるでしょう。

 

クロフネとRoberto

それでは、Nijinskyを引かないメドウラーク、オリオンザジャパン、ニューダイナスティに共通する特徴はあるのでしょうか?

メドウラーク

父タニノギムレット×母父クロフネ

オリオンザジャパン

父クロフネ×母父サンデーサイレンス

ニューダイナスティ

父ディープインパクト×母父Dynaformer

メドウラークとオリオンザジャパンは父系と母系を逆転したような配合。ニューダイナスティはサンデーサイレンス系×母系Robertoですから、昨年の七夕賞を制したゼーヴィントと似た血統構成です。

これら3頭はクロフネとRobertoのパワーがONになっていて、上りがかかった時に好走する点で共通しています。

 

七夕賞のポイント

七夕賞が波乱になるときのポイントをまとめると以下の通りです。

1. 勝ちタイム

2. 上りがかかるレースに強い馬

 

勝ちタイム

勝ちタイムが2分台になるようだとMr. Prospector×Nijinskyをもつ馬が好走し、2桁人気の馬でも勝ち切れます。パワーポケットのようなダート馬でも足りてしまうので、これまでの成績は無視してでも買い目に入れておきましょう。

 

上りのかかるレースに強い馬

オリオンザジャパンやパワーポケットのようなダート馬が好走しているのも、七夕賞は上りのかかるレースになることが多いから。そのため、上りのかかるレースで強さを発揮する馬はチェックしておく必要があります。

血統的にはRobertoやクロフネなどのパワータイプ。今はどこもかしこも馬場が高速化しており、この手のタイプが凡走して七夕賞に臨むケースが少なくありません。メドウラークなどはまさにそれですね。

 

まとめ

改めて七夕賞というレースを回顧してみると、メドウラークの1着も買えたのではないか……といつまでも悔やんでしまいます。このように、馬券が外れても楽しめるのが競馬の素晴らしさですね。

今年の悔しさを来年以降も忘れないように……。

以上、お読みいただきありがとうございました。