帝王賞('17年)予想ーー中距離ダートなら母クリソプレーズのパワーとスタミナに◎

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6月28(水)、大井競馬場で上半期のダート路線を締めくくる交流重賞JpnⅠ帝王賞(ダート2000m)が行われます。JRAからはアウォーディー、ゴールドドリーム、サウンドトゥルーなど7頭が参戦。砂の頂上決戦はどの馬が栄冠を勝ち取るのでしょうか?

JRAからの出走馬が優勢

船橋所属のフリオーソが'10年の帝王賞で1着(大井所属のボンネビルレコードが3着)になって以来、'15年ハッピースプリントの3着が最高着順と地方馬は苦戦が続いています。JRAの7頭については先日1頭ごとに簡単な解説を記事として書きましたので、そちらもご参照下さい。
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帝王賞 過去5年の結果

帝王賞の過去5年の結果を振り返っておきましょう。

2016年第39回帝王賞JpnⅠ
着順 人気 馬名 性齢 騎手 所属
1着 5 コパノリッキー 6牡 武豊 JRA
2着 1 ノンコノユメ 4牡 C・ルメール JRA
3着 2 サウンドトゥルー 6セ 大野拓弥 JRA
2015年第38回帝王賞JpnⅠ
着順 人気 馬名 性齢 騎手 所属
1着 1 ホッコータルマエ 6牡 幸英明 JRA
2着 4 クリソライト 5牡 武豊 JRA
3着 5 ハッピースプリント 4牡 宮崎光行 大井
2014年第37回帝王賞JpnⅠ
着順 人気 馬名 性齢 騎手 所属
1着 3 ワンダーアキュート 8牡 武豊 JRA
2着 1 コパノリッキー 4牡 田辺裕信 JRA
3着 5 ソリタリーキング 7牡 福永祐一 JRA
2013年第36回帝王賞JpnⅠ
着順 人気 馬名 性齢 騎手 所属
1着 3 ホッコータルマエ 4牡 幸英明 JRA
2着 1 ニホンピロアワーズ 6牡 酒井学 JRA
3着 4 ワンダーアキュート 7牡 武豊 JRA
2012年第35回帝王賞JpnⅠ
着順 人気 馬名 性齢 騎手 所属
1着 2 ゴルトブリッツ 5牡 川田将雅 JRA
2着 1 エスポワールシチー 7牡 佐藤哲三 JRA
3着 3 テスタマッタ 6牡 岩田康誠 JRA


ここ5年は1番人気が100%連対しています。エスポワールシチーやホッコータルマエと言った小回りを捲ってナンボ!の馬たちが好走しているのを見ると、コース適性よりも能力や調子の占める割合が高いレースなのでしょう。日本のダート路線を引っ張ってきた馬たちの名前を表として改めて見ると感慨深いものがありますね。

レース展開

逃げ馬の候補としては内枠からケイティブレイブ、オールブラッシュ、クリソライトの3頭。どの馬がハナを取るのかは難しいところで、枠順からケイティブレイブの福永騎手が先手を主張する形になりそうです。JRA勢各馬の位置取りを考えてみます。

ケイティブレイブ

ケイティブレイブの福永騎手も1コーナーまでにすんなりと外に出せるのであれば2、3番手の競馬でもOKで、オールブラッシュやクリソライトが強引に先手を主張した時にケイティが外へ出せる隊列になっているのかがポイントです。外へ出せない場合には内から譲らずに行き切るしか選択肢がなくなります。

オールブラッシュ

オールブラッシュはここ2走、前半をゆったりと入るレースぶり(スタートでそれほど行き脚がつかないタイプ)。向正面でスピードを上げられるポジションにつけられればOKですから、ケイティブレイブを行かせて2番手の外を追走するか、もしかしたらルメール騎手だとインに入ってしまう怖れも……。

アウォーディー

アウォーディーは2000mであればチャンピオンズCの時よりも前目の位置を取れるので、理想はケイティ、オール、クリソライトの3頭を行かせての4番手+いつでも外に出せる位置取りをしたいところでしょう。
ケイティブレイブの逃げ・先行であれば馬群もバラけるはずで、向正面では外への進路を確保できるはずです。

アポロケンタッキー

アポロケンタッキーは出たなりのスタートから早めに外へ出していつでも捲れる態勢に持ち込込める中団での競馬。揉まれるとダメな馬で、早目に外へ出すために、ポジションを下げてしまいそうな枠になりました。

クリソライト

スタートからの行き脚がそれほど速くなく、この枠は歓迎です。戸崎騎手がどのようなポジションを取るのかは難しい……。もっとも確率が高いのは、ケイティブレイブ、オールブラッシュを行かせて外の3番手の位置を取ることですが……。まさか、インに入ったり逃げるということはないはずですし、前走のような後方待機策は考えてないと信じたいです。

ゴールドドリーム

外枠に入ったので、M・デムーロ騎手もインコースではなく、出たなりのスタートで先行勢を見る形でレースを進めます。ペースが速ければ外目でじっと我慢し、遅ければ向正面あたりで押し上げて行くという競馬に。
ストライド走法なので、地方競馬場であれば外回りの大井2000mは適性として合っているとは思うものの……。ペースが引き上げられた時に押し上げることはできても、直線でさらに伸びることができるかは?がつきますね。

サウンドトゥルー

2000mの地方交流重賞だと中団あたりを取れる馬で、大野騎手がチャンピオンズCのようにインに入る競馬をするかは……雨が降って内が重くなるなら、向正面では距離のロスを覚悟して外目追走の方がチャンスが出てくると思います。アポロケンタッキーかアウォーディーのどちらかの動きに合わせての仕掛けになりますね。


◎クリソライト

2000m以上のダートで前々からペースを引き上げることができれば、母クリソプレーズの伝えるスタミナとパワーを振り絞る競馬ができます。
揉まれるとダメな馬なので、枠順から2、3番手の外が取れる今回は久しぶりにチャンスが訪れました。ケイティブレイブの福永騎手が逃げるにしても2番手からの競馬を選択するとしてもある程度のペースを作るはずで、クリソライトが向正面からスピードを乗せる競馬にマッチする公算が大。
昨年の東京大賞典、戸崎騎手はコパノリッキーに騎乗してスローの逃げに持ち込んだものの、アウォーディーとアポロケンタッキーのひと捲りに合って悔しい思いをしたのですから、ここは……ここはペースを引き上げての先行抜け出しに期待したいですね。

◯アウォーディー

海外遠征帰りの調整の難しさは付きまとうとは言え、こればかりは走ってみないと分かりません。タフネスな半弟のラニは帰国してすでに2戦を消化しているように元気一杯。遠征に慣れている松永幹夫厩舎ですから、仕上げの部分に関してはそれほど心配しなくてOKでしょう。
ひとつ外の枠にケイティブレイブが入り、2コーナーを回るまでの間に外目に進路を取れるかは微妙になったものの、武豊騎手は向正面ではクリソライト後ろあたりを取れると考えてこの印に。
ケイティブレイブは父マイラー×母父中距離馬のスタミナタイプのため、そこまでスピードを引き上げられないでしょうし、アポロケンタッキーが早目の捲りを打たない限りは4コーナーの手前まで仕掛けを我慢できる相手関係。アウォーディーと武豊騎手が直線で馬場の真ん中をきっちりと伸びて来るレースになることを期待します。

2、3着の候補として

2、3着の候補はサウンドトゥルーとウマノジョー、タマモネイヴィーの3頭。

△サウンドトゥルー

大野騎手が道中でインに入って、直線で最内を突くような展開にならなければ2、3着に。武豊騎手を信じてアウォーディーに合わせて仕掛ければ、レースの組み立てもそれほど難しくはないはずです。あまりにもペースが上がってしまうと、1800mベストに寄ってきたサウンドトゥルーには厳しい流れになってしまいそうですが……。

△ウマノジョー

父ウイングアロー×母父エンドスウィープ×母母父Nureyevでパワーでゴリゴリというよりもストライドが伸びる走りなので、ペースが流れて大井の2000mなら船橋のダイオライト記念3着よりはパフォーマンスも上がるはずです。
相手関係がどうかというのはありますが、アウォーディーとクリソライトが来る展開なら、この馬の3着も十分に考えられます。

△タマモネイヴィー

もとJRA所属で1600万下クラスを走っていました。母系に入るVaguely Nobleの影響で揉まれると力を発揮できない馬。中央時代も逃げるか外を捲るかしかなく……。
ここは6枠に入って、周りに速い馬もいませんから外目をスムーズに回れるメンバー。ウマノジョーに合わせて仕掛ければ3着は拾えるかもと期待を込めて。

買い目

◎の単勝と◎◯からの3連単を。

単勝

10. クリソライト

3連単

1着:10. 2
2着:10. 2. 15
3着:10. 2. 15, 8. 12


皆様によっても素晴らしいレースになりますように。

以上、お読みいただきありがとうございました。