GⅠ皐月賞トライアルの弥生賞は本番と同じ舞台で行われます。既にGⅠへの出走が可能な賞金を獲得している馬と、ここで優先出走権を手にしたい馬とが顔を合わせるトライアル。
今年の弥生賞は重賞2勝馬のブレスジャーニーが回避したことで、京都2歳Sの勝馬カデナと京成杯の勝馬コマノインパルスが人気を集めるメンバー構成になりました。
弥生賞の特徴
皐月賞よりもレース中盤が緩み、残り800mからの持続力勝負になることがほとんどです。
内回りコースですから、3〜4角のコーナー加速力も問われる舞台。
走法としてはピッチ>ストライドが優勢で、ストライドタイプであればドゥラメンテの勝った皐月賞のように、コーナーで膨れてもいいからストライドを伸ばして走ることが必要になるコースです。
人気馬について
人気を集めそうなカデナ、コマノインパルス、ダイワキャグニーの3頭については下記の展望記事を参照して下さい。
hakusanten.hatenablog.jp
ポイント
今年の弥生賞のポイントは3つ。
・非社台系の馬が人気を形成
・レースレベルが例年に較べて高いのか低いのか?
・逃げ・先行馬が少ない
非社台系の馬が人気を形成
人気になっている3頭のうち、カデナとコマノインパルスは非社台系の生産馬です。
クラシック・トライアルの時期が近づいて来ると、社台系の馬がメキメキと頭角を現すことがままあります。人気の1頭ダイワキャグニーもそれに該当しますね。
社台系生産馬は、外厩との連携がしっかりとしていますから、馬の成長に合わせて調教を積むことも可能です。
レースレベルが例年に較べて高いのか低いのか?
今年のクラシック路線は牡馬<牝馬と言われている通り、確固たる中心馬が不在。
皐月賞の最重要ステップである弥生賞のメンバーが揃わないというのは、波乱の目があっても不思議ではありません。
例えば、重賞勝ち馬がアダムスピーク1頭だった2012年の弥生賞は、コスモオオゾラ(9人気)→トリップ(3人気)→アーデント(5人気)と人気薄での決着になりました。
逃げ・先行馬が少ない
純粋な逃げ馬が不在。かつ、先行したい馬も見当たらないとなると、どれかが押し出されて逃げることになるのですが、道中はまずスロー。
皐月賞を見据えると、カデナもコマノインパルスもダイワキャグニーも抜群の好スタートを決めたとしても「逃げる」という選択肢はまず考えられません。
メンバーを見渡して…こんな時に逃げる騎手と言えばーー
横山騎手が逃げるとなると、極端なスローには落とさないのが特徴で、また、後ろが捲りにくいペースを作るのも巧みです。
瞬発力を活かしたいカデナ、捲りを狙うコマノインパルスにとっては横山典弘騎手の逃げが1番の敵となるかもしれません。
予想
◎ベストアプローチ
父:New Approach
母:Sant Elena(母父Efisio)
藤原厩舎ー戸崎騎手のラインは期待値の高い組み合わせ。また、ベストアプローチの母母父Silver HawkはRoberto直仔で中山芝の適性はずんどば。
母系にRobertoをもつ馬で中山芝の重賞を好走したのは、最近で言えば皐月賞馬ディーマジェスティ(母父ブライアンズタイム)、セントライト記念2着のゼーヴィントなど多数。
ベストアプローチはエンジンのかかりが遅い馬で、強引に捲る競馬が合いますが、今回のメンバーで最内枠に入ったために逃げ、あるいは最後方からの競馬のどちらかの選択になりそうです。
横山典弘騎手のマイスタイルが逃げないのであれば、道中は極端なスローもあるので、もし逃げられなければ向こう正面での大捲りに期待。
マイスタイルが引っ張る流れであれば、人気馬の仕掛け合いになるので、ベストアプローチのエンジンの掛かりの遅さがプラスになることも。
◯マイスタイル
父:ハーツクライ
母:ファーストナイナー(母父フォーティナイナー)
父中距離×母短距離馬の組み合わせで、小回りに対応できる中距離馬。新馬戦から外回りのコースに出走し続けましたが、ピッチ走法なので中山内回りは十分に対応可能。
横山典弘騎手を鞍上に迎え、ここは逃げの手に出るとあれよあれよがあり得ます。人気も手頃なので、有力馬がマイスタイルを積極的に捕まえに行くとは思えないので。
▲ダイワキャグニー
ダイワキャグニーが前走で負かしたエトルディーニュはこの世代のモノサシになる馬。
エトルディーニュはソウルスターリング、ペルシアンナイト、スワーヴィリチャードと0.5秒差以内の負けに留めていますから、単純に比較すればダイワキャグニーは重賞レベルの力があるはずです。
外枠に入りましたし、このメンバーであれば、外目の2、3番手が取れそうで、他の人気馬の仕掛けに合わせられるのが有利。
以下は3着候補で
△ディアシューター
△サトノマックス
△コマノインパルス
△カデナ
買い目
馬単
1着:1. 10
2着:1. 9. 10
3連単
1着:1. 10. 9
2着:1. 10. 9
3着:1. 10. 9. 12. 5. 7. 11
まとめ
いよいよ牡馬クラシックを占う1戦が開幕。
どのようなレースになるのか今から楽しみです。