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シニミニ産駒らしいしなやかさでーーキングズガードがプロキオンS('17年)を制覇 回顧

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7月9日(日)、中京競馬場で行われた夏のダート短距離重賞「GⅢプロキオンS」は、シミスターミニスター産駒のキングズガードが直線で馬場の真ん中を鋭く抜け出して勝利しました。2着には外から差し脚を伸ばした1番人気のカフジテイク、3着に中団から追い上げて一旦は先頭に立ったブライトラインが入り、1〜3着まで差し馬が独占する結果に。勝ちタイムは1分22秒9(良馬場)、勝ったキングズガードはこれが重賞初制覇。

 

キングズガード 6歳牡馬

父:シニスターミニスター

母:キングスベリー(母父:キングヘイロー)

厩舎:寺島良(栗東)

3歳春のデビュー以来、掲示板を外したのは2回だけという安定感を誇る実力馬。6度目の重賞挑戦(地方交流を含む)となったプロキオンSで見事な勝利を飾りました。1400〜1600mの距離に絞ったローテーションが組まれてオープンまで駆け上がると、重賞初挑戦となった昨年のプロキオンSで3着に入線。「これならすぐに重賞を勝つチャンスも巡ってくるかな」というところで足踏みが続きましたが、今日のレースはその鬱憤を晴らすかのような快走を見せ、重賞ウィナーの仲間入りを果たしました。

 

レース内容

五分のスタートを切ると、キングズガードよりも内枠の各馬が前々へと押して出して行ったため、内側のスペースがぽっかりと空き、藤岡佑騎手はラチ沿いへとキングズガードを誘導。

カフジテイクの内の中団をスムーズに追走して直線に入ると、ブライトラインが馬場の真ん中を抜け出したすぐ後のスペースをついて外に出してグイグイとストライドを伸ばしての差し切り勝ち。いかにもA. P. Indy系らしいしなやかなフォームでバキューンと突き抜け、2着のカフジテイクを最後まで寄せ付けなかったのは立派の一言です。

今日のキングズガードは直線でモタれるような仕草もなく、ブライトラインの後を追って外へ進路を切り替えるとき以外は終始スムーズな競馬ができたのが最大の勝因でしょう。

 

今後に向けて

シニスターミニスターを父にもつインカンテーションが7歳にして今年のGⅢマーチSを制しているように、6歳のキングズガードもこれからダート重賞での活躍が見込めます。

ストライドを伸ばして走るフォームから、直線の長いコースが合っていて、JRAのコースだと東京と中京がベストコース。モタれる癖が出てしまう左回りは好走しても勝ち切れないレースが見られましたが、これを克服したのであれば今後のレース選択の幅も広がります。

来年のGⅠフェブラリーSに向けて、順調に実績を積み重ねて欲しい1頭。

 

2着:カフジテイク 5歳牡馬

パドックも返し馬もダート馬としては柔らかな身のこなしが目につきました。

スタートを五分に切ると、いつもよりも前目の中団でレースの流れに乗り、直線で外へ出して伸びての2着。先に抜け出しを図ったキングズガードに詰め寄ることができなかったのは少し物足りない内容でした。ドバイ遠征帰りの休み明けによるものなのか、レースのペースによるものなのかはじっくりと考えたいところです。

カフジテイクの海外遠征帰り初戦についてーープロキオンS('17年)の展望 - ずんどば競馬

 

プロキオンSと根岸Sの比較

カフジテイクが快勝した今年の根岸S(東京ダート1400m)と今走のプロキオンSのラップを較べてみるとーー

 

'17年根岸S(GⅢ 東京ダート1400m):1着

12.2 - 11.0 - 11.8 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 12.2 = 1分23秒0

レース上り:36.1

スタート地点:ダート

 

プロキオンS(GⅢ 中京ダート1400m):2着

12.2 - 10.9 - 11.1 - 11.8 - 12.1 - 12.4 - 12.4 = 1分22秒9

レース上り:36.9

スタート地点:芝

 

中京競馬場のダート1400mは芝からのスタートとなるので、ダートスタートよりもスピードが出るのが大きな特長です。また、東京コースよりも3コーナーに入るまでの直線の部分が長いため、息の入りにくい流れになることがままあります。根岸SとプロキオンSのスタートから3F目を見ると、プロキオンSは息の入りにくい流れに……。

カフジテイクにとっては、もう少し緩んでからの瞬発力勝負の方が適性として合っていた印象を受けるので、休み明けの分を差し引いても今日の流れであればキングズガードとの差を詰められたのかは「?」が付きますね。

 

今後に向けて

昨秋から安定して力を発揮しているカフジテイクのレースは素晴らしいの一言で、おそらく今が充実期なのでしょう。最大の目標は来年のフェブラリーSとなるため、今後のローテーションは注目です。

地方交流であればJpnⅠマイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡競馬場 左回り)が秋の最大目標になるのかもしれませんね。

 

3着:ブライトライン 8歳牡馬

8歳と高齢ながら前進気勢が強く、道中はかかり気味に追走することから前に壁が作りにくい大外枠は不安がありましたが、しっかりと中団で折り合うと4コーナー手前から差し脚を伸ばして3着入線。

完璧に立ち回っての3着ですから上位の2頭とは力の差があったと言えますが、まだまだ重賞級の力があるところを十分にアピールしました。芝の重賞馬(GⅢ ファルコンS勝ち)らしくダート馬としてはしなやかさのあるタイプで、こちらも直線の長いコースがベスト。

今後のローテーションと対戦メンバー次第では久しぶりの重賞勝利も……と思わせるだけの内容を見せた1戦だったと言えますね。

 

◎メイショウウタゲは5着

スタートで後手を踏み、3コーナーに入るまでに松山騎手がインコースをするすると中団の位置までリカバリーして直線へ。1〜3着馬が直線を向いて伸びて行く後から仕掛けたものの、5着に上がるまでが精一杯でした。

4コーナーのところでもたつくのはいつものことで、あのポジションからだとスタート後手のロスを差し引いても上位を逆転できたかは「?」がつきます。少なくともブライトラインよりは先に抜け出して後続の仕掛けに合わせたかったところでした。

直線での走りはこの馬らしい大きなフォームで追い込んできていて、やはり東京や中京コースの方がパフォーマンスは上がりますね。メイショウウタゲはプロキオンSの走りや馬体を見ていると、1400mは若干短いかな……という印象。今後は中京であれば1800m、東京であれば1600〜2100mのレースで期待をかけたい1頭です。

 

その他の有力馬について

ベストマッチョは最内枠でのスタート後手が響き、揉まれたくない先行馬としては苦しいレースになってしまいました。

アキトクレッセントはスタートを五分に出たものの、チャーリーブレイブ、ナンチンノン、ウォータールルドの先行馬が外から内に切れ込んできたところでスムーズさを欠き、終始馬群に揉まれる苦しい流れに。馬体重が+10kgと前走から間隔が空いた影響も出たのかな、という敗戦。

イーデンホールはこの馬のいつものレースはできましたが、弾ける脚が使えずに8着。現状では、このメンバー相手だとまだ力不足なのでしょう。直線半ばから、M・デムーロ騎手はほぼ追うことなく流してのゴールだったので、今走のダメージはそれほどなく、次走につながる敗戦でしたが、夏場は小回りコースばかりなのでレース選択が難しくなりますね。

 

予想

◎メイショウウタゲ、◯ブライトラインからの予想のため、松山騎手が5着の時点でお察しの結果です……チーン……。

GⅢプロキオンS('17年)はメイショウウタゲ鞍上の松山騎手に期待して◎ - ずんどば競馬

 

まとめ

シニスターミニスター産駒らしいしなやかな脚さばきで中京競馬場を駆け抜けたキングズガード。父がアウトブリードな血統ということもあって、6歳とはいえまだまだ今後の活躍が見込める1頭です。

それにしても、クリンチャーのダービー以来、人が変わったように重賞で好騎乗を見せる藤岡佑騎手は……どうしてしまったのかと心配になるくらいに好調ですね。

皆様にとって、プロキオンSは素晴らしいレースになりましたでしょうか?

 

以上、お読みいただきありがとうございました。