4月25日(土)から、JRAは東京、京都、福島の3場開催。開催初日の福島メインには重賞の福島牝馬S(GⅢ・福島芝1800m)が組まれており、ヴィクトリアマイルを目指す牝馬たちがどのようなレースを繰り広げるのかにも注目です。
今回の記事では、25日(土)のレースのなかで注目している「人気薄の馬」をピックアップして解説します。枠番発表前のものなので、あくまで参考に留めていただければ。
✳︎想定オッズ6人気以下のものを選びました
京都11R 彦根S(3勝クラス)
【芝1400m外回り】
マイラーズCの展望記事でも書いたように、開幕週の芝がどのようなコンディションになっているのかはキーポイントです。前開催の芝を考えると、さすがに高速馬場までは……とは思いますが。それでは張り切って注目馬を見ていきましょう!
サヴォワールエメ 4歳牝馬
父:ダイワメジャー
母:ニアメ(Pivotal)
厩舎:友道康夫(栗東)
生産:社台ファーム
阪神JFに出走したとき(15人気)にも馬券の買い目に入れたほど、素質を高く評価している1頭です。ダイワメジャー産駒らしいパワフルなフットワークに加え、前脚をグッと伸ばすしなやかさももつのが、この馬の大きな長所と言えます。
これまでに上げた3勝のなかに2000mでの勝ち鞍はあるものの、古馬になった今ならベストはマイル前後。前走、愛知杯(GⅢ)10着は2000mの距離とコーナー4つの小回りコースが合わなかったもので、京都の外回りコースに替わるのは大きなプラスです。
血統
母ニアメは3戦1勝で繁殖入り。半兄にBCマイル1着のDomedriverがいます。母父PivotalはナンソープS(英GⅠ・T5F)を勝ったスプリンター。母系に入って優秀な血で、日本でも宝塚記念を制したミッキーロケットが出ています。
サヴォワールエメは父ダイワメジャーと母系に入るNureyevの影響を受けた重厚なストライドに、CozzeneやBlushing Groomなどのしなやかさも加わり、直線の長いコースに向くタイプです。
彦根Sに向けて
京都の芝が開幕週らしいインベタ馬場になっているのであれば、ダイワメジャー産駒らしい先行馬のサヴォワールエメにとってはプラスです。ただ、極端な高速馬場はマイナスのため、前開催の京都芝のようなややタフなコンディションがベストでしょう。
前走の愛知杯10着は重賞に加えて「小回りコース+2000mの距離」ともともと厳しいロケーションでした。その上に重馬場でしたから、ノーカウントでOKな1戦。むしろぱっと見の着順で人気を落とすのなら条件替わりのここでしっかりと狙いたいですね。
このレースはアクアミラビリス、ガゼボと上位人気の馬が差し・追い込みタイプなだけに、人気薄を狙うのなら前々の馬から。となると、好位2番手にスッと付けられるサヴォワールエメに食指が動きます。
3勝クラスを突破できる力は十分にあり、後々は「重賞でも!」と期待のもてる好素質馬。ここまでの全成績が(3 - 0 - 0 - 4)と好走するときは頭まで突き抜けるので、馬単1着付けで馬券を買いたいですね。
東京10R 府中特別(2勝クラス)
【芝1400m】
中山→東京と開催が替わり、長い直線に向いたストライドの伸びる馬ら狙い目!中山でストライドを伸ばせずに敗退した馬の巻き返しを積極的に狙っていきましょう。それでは、その条件にピッタリと当てはまる1頭をご紹介します。
スイートセント 4歳牝馬
父:ワークフォース
母:ヒカルアマランサス(母父アグネスタキオン)
厩舎:栗田徹(美浦)
生産:ノーザンファーム
新馬戦を除いた5戦はすべて1番人気に推されるほどの好素質馬。2勝クラスに昇級してからの3戦は内で包まれたり(進路が確保できず)、追い出すと左にササッたりと消化不良なレースが続きました。
ワークフォース産駒ということもあり、体質はやや硬めな印象を受けるので、気温が上昇して筋肉が解れる季節になったのはプラスでしょう。そこそこにストライドが伸びるので、東京コースに戻っての巻き返しに期待したい1頭。
血統
父ワークフォースはNureyev≒Sadler's Wellsのニアリークロスをもつため、Northern Dancerの血が薄い繁殖牝馬と好相性。母ヒカルアマランサスの血統表の奥にNorthern Dancerの血が入るものの、全体の1/8以下と薄いために上記の条件に当てはまります。
母ヒカルアマランサスの仔はJRAにデビューした4頭の内、ギモーヴ(父ハービンジャー)とクインアマランサス(父キングカメハメハ)、スイートセンス(ワークフォース)3頭が2勝以上をマーク。異なる父で走る馬を出しているのですから、母の繁殖能力は上々と言えるでしょう。
母系に入るA.P. Indyの影響からか、やや胴長の馬体をしており、大箱(直線が長い)コース向きの馬。また、ワークフォースはNureyev的なストライドとパワーを伝えるため、やや上りのかかる芝がベストです。その点から考えると、適度に時計のかかるエアレーション馬場は合うでしょう。
半姉ギモーヴ、クインアマランサスともに登録抹消された5歳までじわじわと成長を見せていたことから、5代アウトブリードのスイートセントも同じような成長曲線を描くはずです。
府中特別に向けて
現時点だとnetkeibaでの想定オッズが9人気12.0となっていますが、ここまで人気が下がるのかは微妙なラインです。左にササル面があるので、内ラチをスパッと抜けるようなレースができればベストでしょう。
同クラスでも続けて1人気に推されるほどの素質馬ですし、間隔を空けてフレッシュな状態で使えるのもプラス。東京コースであれば馬群をさばくのに手間取ったとしても立て直しが効くので、ここはしっかりと勝ち切りたい鞍となりました。
東京11R オアシスS(OP)
【ダート1600m】
好メンバーが揃い、配当的にも楽しみの大きな1戦です。D・レーン騎手のレピアーウィットが除外となったのは残念なものの、マジカルスペル、ロードグラディオ、バレッティなどの注目馬が出走確定しています。
このレースについては以下の記事で詳しく解説しているので、よければそちらをご覧下さい。
福島9R 4歳以上1勝クラス
【芝1200m】
福島芝1200mは「ここは荒れる荒れる〜!」などと前のめりに馬券を買っても、意外な低配当決着になることもままあります。とは言え、気になる馬が出ていたらついつい馬券を買ってしまうんですよね? わかります!
サンドスピーダー 5歳牡馬
父:キンシャサノキセキ
母:スプリングドリュー(母父ミシル)
厩舎:和田勇介(美浦)
生産:辻牧場
Twitterをフォローしてくれている読者の方ならピンとくると思いますが、ええ、この馬はもう何度か狙っているのです。
2/2(日)
— 白三点 (@hakusanten) 2020年2月1日
小倉7R
◎ハトマークワルツ
◯サンドスピーダー
グッドワードが先行馬を苦しめてくるなら。
近3走の人気は前走から10→14→11人気と2桁をマーク。おそらく今走もそれほど人気にはならないでしょう。ただ、もともと現級(旧500万下)3着と条件がフィットすれば好走できる馬なので、馬券になるまでは諦めずに狙い続けたい1頭です。
✳︎この馬については血統は省略します。あえて書くなら、父キンシャサノキセキは5代アウトブリードなので、クロスのうるさい繁殖牝馬と相性の良い種牡馬。また、繁殖牝馬の特徴をそのまま受け継ぐのも大きな特徴と言えるでしょう。
サンドスピーダーも父キンシャサノキセキらしく、スプリンターながらも胴長の体型。父と母はともに平坦芝に適性があったので、福島も大きなマイナスはありません。
レースに向けて
前走4着はいつもよりも後ろのポジションとなってしまい、上がり3F2位の脚で伸びてくるも馬券内に届かずの4着。前々走は馬場の悪い内枠からのスタートで、先行して粘り込んでの6着。ここ2走はもうひとつ噛み合わなかった印象です。
イン伸び馬場であれば荻野極騎手には好位のインをダッシュして欲しいものの、先週のようにやや外差し馬場になっているのなら、前走と同じような差し競馬でも……。今回はイッツマイターン、フクノナルボンヌ、ボスキャットグレイなど逃げたい馬が揃ったのも判断を難しくしますね。
先行するにしろ差すにしろ、とにかくポンとスタートを切ってリズム良く走れれば人気以上の着順に走れる馬ですから、もう1度ローカルの芝1200mで狙いたい! この日が急にインベタ馬場になっているのなら内枠が希望です。
まとめ
土曜日は京都と東京それぞれの芝のコンディションをしっかりとチェックする1日にしたいですね。インベタになるのか、高速馬場になるのか……。
この記事が少しでもみなさんの参考になるなら幸いです。レース予想は当日にTwitterにてつぶやく予定ですので、興味のある方はフォローしていただけると助かります。
以上、お読みいただきありがとうございました。