4月26日(日)、開幕週の京都競馬場のメインを飾るのは、安田記念へのステップレースとなるマイラーズC(GⅡ・京都芝1600m)です。
この開催の京都芝は例年、「高速馬場+前々インコース有利」となるのがデフォルト。ただ、今年は前開催の芝がかなり荒れており、タフなコンディションでレースが行われました。そのため、時計のかかるタフな芝がどこまで回復しているのかにも注目です。
高速+インベタ馬場であれば
今年のマイラーズCが例年と同じく「高速+インベタ(前々インコース有利)」であれば、狙いたくなるのは「しなやかに下り坂を走れる逃げ・先行馬」となります。
過去5年においても、「4コーナー6番手以下から差し」て3着内に好走したのは以下の4頭。
▼2018年(14頭)
勝ちタイム:1分31秒3
前後半800m:45.8 - 45.5
1着:サングレーザー【9 - 9】
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▼2017年(11頭)
勝ちタイム:1分32秒2
前後半800m:47.4 - 44.8
2着:エアスピネル【5 - 6】
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▼2016年(15頭)
勝ちタイム:1分32秒6
前後半800m:46.2 - 46.4
1着:クルーガー【11 - 12】
2着:ダノンシャーク【7 - 7】
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▼2015年(18頭)
勝ちタイム:1分32秒6
前後半800m:47.7 - 44.9
3着:フィエロ【10 - 11】
赤色は「道中:最内→直線:外」のコース取りの馬
青色は「道中:最内→直線:最内(内)」のコース取りの馬
緑色は「「道中:外→直線:中」のコース取りの馬
4コーナーを6番手以下から差して好走した馬のコース取りからも、いかにインベタ馬場かがわかります。また、頭数が少なければ直線で「中」や「外」からの差しも届きますが、頭数が多くなると「イン差し」が優勢になるのもひとつの特徴でしょう。
逃げ・先行 or 内枠の馬
差し馬は「道中:最内→直線:最内(内)」のコース取りをしないとなかなか好走できないだけに、「内枠上げ、外枠下げ」で考えるのがベターです(ただし、後に述べるように、タフな馬場コンディションで外差しになっている場合はこのかぎりではありません)。まずは逃げ・先行馬から馬券を組み立てるのがマイラーズCの基本と言えるでしょう。
前開催の京都芝はタフなコンディション
京都競馬場は1月が「第1回」、2月が「第2回」と連続して開催され、2月後半の芝はかなりタフなコンディションとなりました。ちなみに、今年に入って重賞3連勝を果たしたサウンドキアラの勝ちタイムを見れば、「第2回」の京都の芝がいかにタフかが理解できます。
【サウンドキアラが連勝した3重賞】
・京都金杯(第1回京都) 芝1600m外回り
勝ちタイム:1分34秒0
上り3F:34.6
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・京都牝馬S(第2回京都) 芝1400m外回り
勝ちタイム:1分23秒2
上り3F:34.5
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・阪神牝馬S(第1回阪神) 芝1600m外回り
勝ちタイム:1分32秒9
上り3F:33.7
サウンドキアラがレースを走る度にグングンと成長した可能性ももちろんありますが、この馬の能力を考えると京都牝馬Sの勝ちタイムは1分21秒台になるのが自然です。それが1分23秒台まで落ち込んだことからも、京都の芝はかなりタフだったと言えるでしょう。
*そもそも、京都の芝は「第1回」からやや時計のかかる馬場となっており、パンパンの高速馬場ではありませんでした
1開催空いたことで、芝がどこまで回復しているのかはマイラーズCだけではなく、その他のレースを予想する上でも大切なポイントとなるため、しっかりとチェックしておきたいところです。
注目馬は?
馬場コンディションについて簡単に解説をしたので、ここからは注目馬をピックアップしていきます。まずは逃げ・先行馬をチェック!
【逃げ・先行馬】
インディチャンプ(先行)
フィアーノロマーノ(先行〜差し)
ベステンダンク(逃げ〜先行)
ラセット(先行〜差し)
ランスオブプラーナ(逃げ〜先行)
リコーワルサー(先行〜差し)
レッドヴェイロン(逃げ〜差し)
ウィドファラオ(逃げ〜先行)
ヴァンドギャルド(先行〜差し)
逃げ候補はランスオブプラーナとワイドファラオの2頭。ただ、この2頭はともに「淀の下り坂をスムーズに走る」血を引かないのがマイナスです。
京都の下り坂を得意とする血
京都の下り坂を得意とする血は以下の通り。
Habitat
Caerleon
Princely Gift
Cozzene
Drone
Sir Gaylord
Secretariat
前脚をしなやかに伸ばせる柔らかな血が入ることで、京都の下り坂を効率よく走ることができます。京都の外回りコースの重賞を予想するとき、上記の7頭の種牡馬が血統表に入っているかどうかをチェックすると、馬券の成績が向上するかもしれません。
では、マイラーズCに出走予定馬のなかで上記の血が入っているかどうかをチェックしてみましょう。その血を引くのは以下の8頭です。人気馬のほとんどが該当しますね。
インディチャンプ
カルヴァリオ
タイムトリップ
フィアーノロマーノ
ブラックムーン
ベステンダンク
リコーワルサー
レッドヴェイロン
この8頭のなかで上位人気に推されるのはインディチャンプ、フィアーノロマーノ、レッドヴェイロン。どれも先行OKの馬とあって、人気になるのも頷けます。
フィアーノロマーノは母系の奥にSecretariatを引くものの、馬体やフットワークを見るといかにも「阪神>京都」の適性。ベストはゴール前に急坂のある中山と阪神コースのはずで、ここでは割引です。
インディチャンプはマイラーズCと同じ舞台のマイルCSを制した実績をもつように、このコースはプラスです。レッドヴェイロンは兄姉が京都の外回りコースを得意としており、馬群に揉まれなければ好走の可能性が高まります。
人気薄の注目馬は?
人気薄のなかで注目したいのは以下の2頭。
ベステンダンク
リコーワルサー
どちらもかなりの人気薄。とくにリコーワルサーは地方所属馬とあって、出走すればまず最低人気でしょう。昨夏の福島テレビOP(福島芝1800m)は勝ち馬と0.6秒差の5着と時計のかかる芝ならソコソコに走れることを証明しました。
ただ、続く富士S(GⅢ・東京芝1600m)は高速馬場ということあり、勝ち馬と1.0秒差の16着と大敗。おそらく、速い時計だとキレ負けしてしまうので、タフな馬場コンディションとなっていればチャンスも……。
ベステンダンク 8歳牡馬
父:タイキシャトル
母:ユキノマーメイド(母父スペシャルウィーク)
厩舎:安達昭夫(栗東)
生産:服部牧場
休み明けはそれほど苦にしない馬ですが、常識的には厳しいと思います。ただ、スワンS4着など京都の外回りコースであれば重賞でも好走歴があり、年齢的な衰えさえなければ粘り込みがあっても驚けません。
父タイキシャトルはCaerleonをもち、母系の奥にはHabitatの血をもつため、京都の外回りはずんどばの血統です。Halo3×4、Nijinsky4×5・4のクロスも下り坂を苦にしませんし、単純に血統だけで判断するなら、マイラーズCにぴったりなのはこの馬でしょう。
まとめ
マイラーズCは枠順が大きなポイントとなるレースです。予想をするのは枠順確定後ですが、その前の見通しとしてはこれくらいまで抑えておけば……。
予想はTwitterでつぶやくと思うのです、興味のある方は是非フォローしていただければ幸いです。
以上、お読みいただきありがとうございました。