函館記念(2018年)は2桁人気の先行馬に注目!ーー今年も波乱のレースとなるのか?

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7月に入ってからの函館競馬場は雨の影響を大きく受け、時計のかかるタフな馬場となっています。6月30日(土)〜7月8日(日)まで、函館芝コースは「稍重〜重」馬場でレースが行われ、時計の速い決着はもう見込めないでしょう。

7月15日(日)、函館競馬場では「サマー2000シリーズ」の函館記念(GⅢ・芝2000m)が組まれています。重馬場での開催となった昨年は、5人気ルミナスウォリアー→14人気タマモベストプレイ→7人気ヤマカツライデンの順に入線し、3連単が935,320円の大波乱となりました。馬場の悪化によって、「あっ!」と驚く人気薄の好走があるのでしょうか?

 

函館記念が波乱になるのは?

函館記念はローカルの中距離重賞「らしく」、高配当がポコポコと出るレースです。過去10年においても、3連単の配当が10万円オーバーとなったのは7回あり、一筋縄で収まらないレースが続いています。ここでは、波乱の立役者となった「2桁人気の好走馬」について、その共通点を探ってみましょう。

 

2桁人気の好走馬

過去10年のなかで、1〜3着に好走した2桁人気馬は以下の4頭(5回)です。

過去10年における2桁人気の好走馬

2017年

2着:タマモベストプレイ(14人気)

通過順位:3 - 3 - 4 - 3

勝ちタイム:2分01秒2(重)

レース上り:36.2

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2016年

2着:ケイティープライド(13人気)

通過順位:5 - 5 - 6 - 4

勝ちタイム:1分59秒0(稍重)

レース上り:35.5

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2015年

2着:ハギノハイブリッド(10人気)

通過順位:5 - 5 - 3 - 3

勝ちタイム:1分59秒1(良)

レース上り:36.8

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2011年

2着:マヤノライジン(12人気)

通過順位:3 - 3 - 4 - 2

勝ちタイム:2分00秒3(良)

レース上り:35.9

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2009年

2着:マヤノライジン(10人気)

通過順位:6 - 6 - 4 - 2

勝ちタイム:2分00秒7(良)

レース上り:35.5

さて、「洋芝巧者」として鳴らしたマヤノライジンが09年、11年と2桁人気で好走しているのを除けば、残りの4頭は「函館がベスト!」というタイプではありません。

タマモベストプレイは京都の外回りコースが「ずんどば!」のタイプ(母ホットプレイの仔はほぼすべて京都巧者)ですし、ハギノハイブリッドは京都新聞杯(GⅡ・京都芝2200m)の勝ち馬とあって、小回り向きとは言えない2頭。

それでは、上記の4頭に共通する点はどこにあるのでしょうか?

 

共通点

これらの4頭に共通するのは以下の3点です。

4コーナー4番手以内の先行馬

インを立ち回れるタイプ

好走しても2着

函館記念は小回りのローカル重賞らしく「前々」からしぶとく粘り、インを立ち回れる馬が好走しています。また、2桁人気の馬は好走しても2着までなので、馬単や3連単系を購入する場合には頭の片隅に入れておきましょう。

 

血統的には?

ハギノハイブリッドとマヤノライジンは小回り向きのパワーを伝えるRobertoを引き、タマモベストプレイとケイティープライドは「父サンデーサイレンス系×母父Northern Dancer系(パワータイプ)」という組み合わせです。

「七夕賞はNijinsky」のようなハッキリとした傾向はないものの、やはり、小回りの捲りと言えばRobertoに目が向きますね。

 

今年の函館記念は?

今年の函館記念は「パンパンの良馬場」が望みにくい状況です。勝ちタイムは2分を切らないでしょうから、昨年と似たような決着が考えられます。まずは、4コーナーを4番手以内で回ってこれる先行馬をチェックしましょう。

 

先行馬をチェック!

先行が想定されるのは以下の5頭です。

エアアンセム

カレンラストショー

クラウンディバイダ

マイネルハニー

ロジチャリス

このなかで、タフな馬場+上りのかかるレースに強いのはクラウンディバイダ、マイネルハニー、ロジチャリスの3頭。カレンラストショーはRoberto3×4のクロスをもつ馬と思えないほど、上りの速い競馬を得意としており、タフな馬場がマイナスです。

タフな馬場な向くのはロジチャリスで、母プラチナチャリスがDanzigとRobertoを引くことからも、渋った洋芝は「ずんどば!」でしょう。人気薄のなかでの注目馬はコレです。

 

ロジチャリス 6歳牡馬

父:ダイワメジャー

母:プラチナチャリス(母父ロックオブジブラルタル)

厩舎:国枝栄(美浦)

生産:ノーザンファーム

昨年のダービー卿CTの勝ち馬。それ以降は掲示板にも入れないレースが続いていますが、体調さえ戻れば重賞でもヒケを取りません。パワータイプの先行馬なので、「小回り+洋芝+タフな馬場」は願ってもない舞台と言えます。

洋芝でのレースだった一昨年の札幌記念は15着と大敗。ただコレはスタートの出遅れが響いてのもので、ノーカウントでOKです。

 

血統

母プラチナチャリスはロジチャリスとグレイル(ラジオNIKKEI杯京都2歳S)の平地重賞馬、ジャンプ重賞馬グッドスカイを出している好繁殖牝馬。パワーを伝えるDanzigとRobertoの血を引くため、産駒の多くは内回り・小回りを得意としています。

ロジチャリスは父ダイワメジャーと母系のDanzig&Roberto的なパワーがオンになった先行馬。小回りコースをゴリゴリと先行して押し切るレースがベターで、渋った馬場もOKのタイプです。函館芝2000mはほぼベストの舞台と言えるでしょう。

 

函館記念に向けて

国枝栄厩舎+ノーザンファーム生産馬とあって、ダービー卿CT以降は外厩での調整。昨年の安田記念以降は不調が続いているものの、体調さえ戻れば重賞を好走しても不思議はありません。

カレンラストショー、クラウンディバイダ、マイネルハニーのどれが逃げるにせよ、スタートさえ決まればスッと3・4番手が取れるメンバー。蛯名騎手であれば「イン」のポジションにこだわるはずで、その点はプラスと言えます。

先行馬はタフな馬場でパフォーマンスが上がるタイプが少なく、3〜4コーナーからの積極的な仕掛けで押し切りたいところです。

 

まとめ

上位人気に推されるトリコロールブルーは、父ステイゴールド×母父Pivotalの字面通りの小回り巧者で、函館芝2000mはほぼベストの舞台。「タフな馬場?」だけが不安点なものの、アッサリと捲ってしまって不思議のない力量馬です。

ただ、函館記念は1人気の馬が外からバキューンと捲って勝ち切ってしまう質のレースになることが少ないことから、人気薄の馬にもチャンスがあります。先行馬がしぶとい粘りを見せて波乱の立役者となるのでしょうか?

以上、お読みいただきありがとうございまひた。