アンビシャスとリアルスティール。
GⅠ級の能力をもつ2頭が2017年の中山記念で再び対戦します。
昨年はドゥラメンテ、アンビシャス、リアルスティールの1-2-3決着。
ドゥラメンテが去って、この世代を代表する2頭が雌雄を決することになりそうで、当日の人気もアンビシャスとリアルスティールで人気を分け合う形になるでしょう。
どちらを上位にとるか?
多くの人が、この二択で迷うと思います。
実力が拮抗している(と考えられる)2頭の斤量はそれぞれーー
斤量差は
アンビシャス:57kg
リアルスティール:58kg
ドバイの国際GⅠを勝ったリアルスティールに対して、アンビシャスはGⅠ3着内もないので、この斤量差は妥当かな、と。
2頭の直接対決では
2016年
GⅠ 天皇賞・秋
リアルスティール2着
アンビシャス4着
GⅡ中山記念
アンビシャス2着
リアルスティール3着
2015年
GⅢ 共同通信杯
リアルスティール1着
アンビシャス3着
これを見て面白いなと思うのは、2頭の適性がリアルスティール:中山>東京、アンビシャス:東京>中山なのに、着順が逆転していることです。
3歳時の重賞である共同通信杯はそれぞれの競走馬としての完成度の差もあったと思いますが、古馬になった2016年の2戦は本来得意なはずのコースで相手に負けているのですから、競馬というのは分からないもの。
後付けで解釈をすれば、昨年の天皇賞秋はエイシンヒカリが逃げられずのスローペースになったおかげでピッチ走法のリアルスティールに向いた流れ。アンビシャスは瞬発力というよりは持続力に優れたタイプですから、1000m通過が60秒くらいだと鋭さ負けをしてしまいます。
中山記念はラストインパクトが積極的に逃げ馬を追いかけたのでハイペースになり、リアルスティールのピッチよりもアンビシャスのストライドが優勢のレースに。
2頭の実力はほぼ互角
直接対決を見ると、レースのペースによって着順が入れ替わるほどに2頭の実力は拮抗していると言えます。
今年の中山記念がスローになるのかハイになるのかを考えるのが、的中への1番の近道かもしれません。
ペースはどうなるの?
確定した枠順を見ると、おそらくペースを握るのはマイネルミラノ。
ミラノと同厩舎のクリールカイザーが大外に入ったので、先行から後ろの馬たちの壁役になればスローペースもあり得る組み合わせです。
そして、もっとも恐れなければならないのが、時折、中央競馬の芝レースで起きるあの現象…
・スローペースなのに、逃げ馬と後ろの馬たちの差があまりにもあり過ぎる
どれほど鋭い脚を使えても物理的に届かないというレース。
例えば、先頭の馬と20馬身離れているとしたら、2秒の差を詰めなければなりません。
もし、逃げ馬が35秒フラットで上がったとしたら、追いかける馬は33秒フラットの脚が必要になります。
アンビシャスもリアルスティールも
2頭とも折り合いが難しいタイプですから、掛かるのを恐れて控えすぎると上記の現象が起きても不思議はありません。
鍵を握るのはリアルスティール
リアルスティールにテン乗りの戸崎騎手には厩舎から「前目で積極的な競馬を」というオーダーが入るでしょうから、前と離されたとしても3、4番手以内には位置するのではないかな、と。「抜け出すとフワッとする」ことから早めに先頭に立つような競馬も考えられず…
ただ、リアルスティールがある程度前を追いかけるなら波乱の要素も少ないはずです。
アンビシャスは「折り合いに専念」するでしょうから、ここで横山典騎手が大阪杯で見せたような先行はないと思います。
リアルスティールがあまりにもアンビシャスを意識するようなら…
マイネルミラノからの「行った行った」馬券も面白いかもしれないですね。
リアルスティール>アンビシャス
極端なスローになり馬群がなぜか縦長の展開にならない限りは、リアルスティールに向きそうなレースになりそうです。
少なくともハイペースになるようなメンバーでもないので、スロー寄りであればピッチで抜け出すリアルスティールにずんどばな展開に。
スロー寄りであればアンビシャスも3コーナー過ぎからは捲り気味に進出する必要があるので、ルメール騎手がどう乗るかは見ものですね。
昨年の中山記念でもアンビシャスとルメール騎手は馬群を割って差してきているので、大外を捲って末脚の持続力にかけるような競馬をするかどうかは「?」がつきます。
まとめ
同世代の「化物」ドゥラメンテがターフを去り、「チャンピオン」となったキタサンブラックは中山記念には姿を見せません。
明け5歳世代の準「チャンピオン」として、あるいは「チャンピオン」に挑戦状を叩き付けられるのはアンビシャス、リアルスティールのどちらなのか?
今から中山記念が楽しみですね。