アイビーステークスでソウルスターリングの2着、続くこうやまき賞では4角から直線入口で先頭に並びかけて後続を突き放すという完勝劇を演じたペルシアンナイトは、シンザン記念で1番人気に支持されたものの、3着に敗退。
シンザン記念でペルシアンナイトに騎乗したM・デムーロ騎手は敗因として、重馬場と直線で抜け出すスペースがなかったことを挙げていましたが、スタートしてから直線に向くまで馬群に揉まれっぱなしだったので、もし内に進路が開いていたとしても、そこから伸びてくるというのは難しかったのでは、と思います。
揉まれる競馬を経験して、アーリントンC(GⅢ)でも再度の人気が予想されますが、ペルシアンナイトは勝ちきることができるでしょうか?
◯ペルシアンナイト
母オリエンタルチャーム(母父サンデーサイレンス)
血統構成
父のハービンジャーはデインヒルの孫で前駆で掻き込むパワーを伝えます。産駒が洋芝の函館や札幌での勝ち上がり率が高いことも納得ですが、パワーがある割には雨が降った重馬場やダートはマイナス。
現在のところの代表産駒はベルーフとトーセンバジル。まだGⅠ級の産駒は輩出していません。
ペルシアンナイトはパワーだけでなくストライドも伸びるので、こうやまき賞のように、他馬が追いすがるところを涼しい顔で実直に伸び続けるレースが合っています。
これは母のオリエンタルチャームがゴールドアリュールの全妹ということからも、ニキーヤ(ペルシアンナイトの祖母)の父Nureyevのパワーと実直なスピードが伝わっているからでしょう。
中京でベストパフォーマンスを発揮したことからも分かる通り、坂のある外回りコースは適正的にはぴったりなので、阪神の外マイルで行われるアーリントンCはどんと来いの舞台。
もともと、馬群を瞬時に抜け出すような瞬発力に欠ける血統構成ですから、上がりが極端に速くならない阪神というのも後押ししますね。
信頼できる人気馬なのか?
ただし、シンザン記念を見ても分かる通り、馬群に揉まれるのは気性的にもマイナス。
かつ、馬群をすっと割るような瞬発力にも欠けるので、道中は前にスペースがある状態でのびのびと走れるかがポイント。
開幕週の馬場を考えて、騎手がインにこだわるようならシンザン記念の再現もありそうで、まずは内枠を引かないことが好走の条件になりそうです。
母の血統からも
母オリエンタルチャームは前述した通り、ゴールドアリュールの全妹。
母は現役時代にGⅠ秋華賞4着など芝の重賞でも活躍しました。兄のゴールドアリュール同様にいくらか硬さのあるタイプだったので、坂のあるコースや外回りで実直に末脚を伸ばすコースに適性がありました。
血統構成としてはトゥザヴィクトリーと3/4同血ですが、残りの1/4は、
オリエンタルチャームはHostage(父Nijinsky)にVaguely Nobleですから、スタミナとパワーを
オリエントチャームの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
トゥザヴィクトリーはSharpen Upですから機動力を
トゥザヴィクトリーの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
トゥザヴィクトリーにキングカメハメハが交配された代表産駒のトゥザグローリーとトゥザワールド(Nureyevのクロス)は、いずれもパワーと機動力に優れ、中山や阪神の内回りでベストパフォーマンスを 出していました。
このイメージとペルシアンナイトは少し違っていて、上記に書いたように直線は長い方がベターで、Vaguely NobleがAureole(オリオール)の血を引くので、馬群を嫌がる気性はここから来ているのかもしれません。
まとめ
まずは金曜日発表の枠順確定に要注目。
スタートが安定しないミルコ騎手であれば内枠が仇になることも。もちろん、前走での負け方を踏まえてミルコ騎手が早めに外目に出せれば問題ないのですが…
むしろ、馬群に揉まれるのであれば逃げた方が良い結果になると思います。あるいはすんなり外目の2、3番手であれば能力を十分に発揮できるかと。
騎手の想定では引き続きミルコ騎手とのことなので、外枠が引ければ期待に応える可能性は高いはずです。