勝ち馬はゴールドドリーム
ニシケンモノノフとインカンテーションの逃げ争いで1000mの通過が59.0の流れを中団から馬群を割って猛然と伸びたベストウォーリアはGⅠを勝つのに相応しいパフォーマンスを見せましたが、外からクビ差ねじ伏せたのが4歳のゴールドアリュール産駒、ゴールドドリームでした。
良馬場で行われたフェブラリーSの勝ちタイムは1:35.1。パサパサに乾いたダートでこのタイムで走破するとなると、スピードだけではなくパワーも必要だったと言えます。
東京ダート1400〜1600mの雨で締まったダートでベストパフォーマンスを出せるベストウォーリアは父がマジェスティックウォーリア(その父A.P.Indy)×母父Mr Greely(その父Gone West)で、ダート馬としては柔らかいストライドで走る馬。
ニシケンモノノフとコパノリッキーの間を割って抜け出した戸崎騎手の騎乗も見事(間を割るのに若干追い出しを待たされたものの)でしたが、最後にクビ差だけ差し返されたのは、パワーの部分がほんの少しだけ足りなかったというべきでしょう。
これで、フェブラリーSでは2014年から4年連続で出走し、13着、3着、4着、2着。東京では崩れずに走れる馬だけに、もし一雨あったら…という内容。
勝ったゴールドドリームはゴールドアリュール産駒で、1:35秒台の決着になる時はコパノリッキーを見ても分かるようにパワーと実直な脚で伸び続けることができます。
スタートしていくらか出負けしたのとペースが流れたのが奏功し、4角では馬群の外目を回り直線を向いても追い出しを待つ余裕。スローで馬群に揉まれることなく外に出せたのは上手く噛み合ったと言えますが、最後の最後でベストウォーリアをねじ伏せられたのはゴールドアリュールに流れるNureyevのパワーの後押しもあったのでしょう。
同じ4歳馬のケイティブレイブがしぶとく6着に善戦したのを見ても、今年の明け4歳馬のダート路線はハイレベルだったことが証明されましたし、ダート王ホッコータルマエの引退などを考えてもダートの勢力図は変わるかもしれません。
ゴールドドリームはカフジテイクに続く2番人気に支持され、同じゴールドアリュール産駒のコパノリッキーも10倍を切る単勝オッズ。この2頭が週中の予想オッズよりもかなり人気を集めたのは東京ダートの良馬場ならNureyevというのと、2/18日に急死した父の後押しもあったのかと。
先団を見る形で、馬群に揉まれないインのポケットからコースロスなく抜け出して、直線でもストライドを伸ばしていかにも勝ちパターンに持ち込んだウォーリアを、出負けしたために押して中団を取り、外目を回って最後はパワーで差したゴールドドリーム。
もちろん、この2頭の能力差もあったのかもしれませんが、やはり東京ダートのマイルGⅠでは良馬場ならパワー優勢なのだと改めて思った次第。
津村騎手の1番人気カフジテイクは3着
1番人気のカフジテイクはやはり1400mがベストで、マイルの良馬場でこれだけペースが流れると馬群も縦長になり勝ち切るのは厳しかった…津村騎手は腹を括って最後方一気の競馬をしましたが、今日のところは3着まで追い上げるのが精一杯でしょう。
もう少しスローで馬群が凝縮した形なら違った結果になったかもしれませんが、それは「たら、れば」になってしまうので。
「もう少し前の位置で競馬を…」というのは難しいところで、ダートスタートの大外枠であればある程度の位置も取れたかもしれません。確かに、直線でサウンドトゥルーにも内に潜り込まれていますから、あそこまで大外に出す必要性はなかったとしても、今回の展開で1、2着馬を逆転できるところまで来ていたのかは…
まとめ
フェブラリーSは良馬場ならパワー優先、重馬場ならスピード優先。
来年も忘れないようにここにメモメモ。