チャンピオンズCに向かう古馬勢は3歳馬を退けることができるのか?ーーゴールドドリームが回避!

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ダートの国際GⅠ競争「チャンピオンズC」は12月3日(日)、中京競馬場1800mを舞台に行われます。ゴールドドリームやケイティブレイブ、ノンコノユメなどのGⅠ実績のある古馬に加え、ルヴァンスレーヴとオメガパフューム2頭の勢いのある3歳馬が出走し、豪華なメンバーが顔を揃えました。

勢いのある3歳馬に対する古馬は、昨年の最優秀ダート馬に選出されたゴールドドリーム、JBCクラシックなどJpnⅠ3勝のケイティブレイブ、今年のフェブラリーSを制したノンコノユメなどの実力馬たち。今年のチャンピオンズCは古馬が経験の差を利して、3歳馬の世代交代にストップをかけられるのかに注目が集まります。

 

✳︎ゴールドドリームはチャンピオンズCを回避となりました(11月28日)

ゴールドドリームは回避しましたが、この馬の解説についてはそのままにしておきます

 

チャンピオンズCの連覇がかかるゴールドドリーム

古馬勢のなかでもっとも人気を集めるのは、チャンピオンズCの連覇がかかるゴールドドリームでしょう。昨年は「最優秀ダート馬」を受賞し、現在のダート路線におけるトップホースであることは間違いありません。

5歳となったゴールドドリームは今年の初戦だったフェブラリーSを2着と取りこぼしたものの、その後はかしわ記念と帝王賞のJpnⅠを連勝し、その力量に衰えがないことを示しました。前走の南部杯は3歳馬ルヴァンスレーヴの2着に敗れたものの、その走りはより安定感を増しています。

ゴールドアリュール(その母父Nureyev)譲りのパワフルなストライドは今も健在。チャンピオンズCは昨年に制したレースとあって、コースと距離に不安はありません。ペースへの対応幅が広く、どのような展開であっても末脚を引き出せるため、3歳馬にとっても簡単な相手ではないでしょう。

 

地方交流重賞を勝ちまくるケイティブレイブ

昨年の帝王賞で初めてJpnⅠを制したケイティブレイブは、今年のフェブラリーSこそ11着と大きく崩れたものの、それ以外のレースでは堅実な走りを見せています。これまでに積み上げた地方交流GⅠ勝ちは3つ。いよいよJRAのダートGⅠ勝ちを狙います。

ケイティブレイブは昨年のチャンピオンズCを4着と好走しており、先行する脚をもっていることからも中京コースを苦にはしないタイプです。今年は1800m以上の距離ではより安定感を増しいますし、ゴールドドリームやルヴァンスレーヴなどの強敵相手に一歩も引けを取りません。

 

ゴールドドリームとケイティブレイブ

今回の記事ではゴールドドリームとケイティブレイブがチャンピオンズCを好走できるのかについて考察します。張り切って行ってみましょう!

 

ゴールドドリーム 5歳牡馬

父:ゴールドアリュール

母:モンヴェール(母父フレンチデピュティ)

厩舎:平田修(栗東)

騎手:C・ルメール

ヒヤシンスS(OP 東京ダート1600m)、GⅢユニコーンS(東京ダート1600m)と3歳ダート路線の出世レースを勝ち、早くから期待を集めた1頭。昨年の初戦となったフェブラリーSでGⅠ初制覇を飾ると、昨秋のチャンピオンズCも制し、JRAにおける2つのダートGⅠの統一王者となりました。

今年のフェブラリーSは前後半800mが34.1 - 37.7(3.6秒の後傾)とかなりのハイペースになり、後方からノンコノユメに差されての2着惜敗。ただ、その後に苦手と言われた「右回り+2000m以上の距離」の帝王賞を快勝しており、さまざまな面で成長を見せています。

ハイとスローどちらのペースになっても対応できるのが強みで、左回りのコースであればズドーンと末脚を発揮できるでしょう。近走はスタートも安定しているため、大きく崩れるシーンが思い浮かばない1頭です。

 

血統

ゴールドドリームは名牝Specialの4×5のクロスをもつため、Nureyev(母Special)の血を刺激することになります(SpecialはNureyev、Sadler's Wellsの母Fairy Bridgeを産み、欧州の活躍馬の血統表のいたるところに登場する名牝)。

万能なSpecialはさまざまな特徴を子孫に伝える世界的な名牝です。例えば、この血を引く日本の種牡馬キングカメハメハは芝・ダート、距離を問わないオールラウンダーとして優秀な産駒を多く出しています。

ホッコータルマエ

ラブリーデイ

ドゥラメンテ

代表産駒の3頭のタイプが大きく異なるのは、キングカメハメハ、Kingmanbo、Nureyevがそれぞれに万能な種牡馬だからです。つまり、母系の特徴を引き出すため、さまざまなタイプが出ると言えるでしょう。

ゴールドドリームはSpecialをクロスすることでパワーのあるストライドが発現し、母系に入るMr. ProspectorやTurn - toのしなやかなスピードがオンになっています。直線の長い東京コースをもっとも得意とするのは、これらの血によるものです。

 

チャンピオンズCに向けて

前走の南部杯は勝ったルヴァンスレーヴをぴったりとマークしていたものの、コーナーから直線にかけての加速力でやや見劣っての惜敗でした。先に出し抜かれてのものだけに、この敗戦はそれほど気にすることはありません。

ゴールドアリュール産駒は気難しいVaguely Nobleを引くため、本質的に馬群のなかでの競馬を嫌います。代表産駒のコパノリッキーやエスポワールシチーがその典型と言えるでしょう。ゴールドドリームもその傾向があり、直線でスムーズに外へ出さないと伸びて来ないタイプです。

1〜3枠で揉まれる競馬よりも外枠がベター。今年のチャンピオンズCは南部杯と同じくルヴァンスレーヴが捲る展開になるはずで、その後ろのポジションから差せるのかどうかがキーポイントとなります。

 

ケイティブレイブ 5歳牡馬

父:アドマイヤマックス

母:ケイティローレル(母父サクラローレル)

厩舎:杉山晴紀(栗東)

騎手:福永祐一

ケイティブレイブは昨年4着からの巻き返しをかけてチャンピオンズCへ参戦。昨年のレースは好位のインのポジションを取ったものの、前のペースがそれほど速くならず、直線で脚を余す形での敗戦でした。

今年はマイル戦のフェブラリーSこそ11着と崩れたものの、中距離の川崎記念とJBCクラシックを完勝していることから体調面に不安はありません。後は3歳馬との力関係と、距離1800mへの対応だけでしょう。

 

血統

父アドマイヤマックスはスプリントGⅠ高松宮記念を勝ったマイラー。ケイティブレイブはこの父のよりも母系のサクラローレル×Be My Guestからスタミナとパワーの受け継いでいて、胴の長い体型もサクラローレル譲りと言えます。

父マイラー×母父中長距離馬の配合で、母系のスタミナとパワーで先行して粘りこむという脚質に出ました。ビュンとキレる脚は使えないので、前々からサクラローレルらしい持続力のある末脚で粘り込むのがベストです。

 

チャンピオンズCに向けて

今年のチャンピオンズCはピュアな逃げ馬が不在。先手を取る候補としてはサンライズソアがいるものの、J・モレイラ騎手が後続の脚を削ぐような逃げを打つのかは微妙なラインです。ケイティブレイブにとっては「スローからのロングスパート」がもっとも合っているため、3コーナーからいかにペースを引き上げられるかが鍵となるでしょう。

1・2枠なら「逃げ」の手を打つことも考えられる馬。昨年のように好位のインにおさまって、3〜4コーナーを自分のペースで走れないとキレ負けするおそれがあり、少なくともサンライズソアよりも外目の枠が欲しいところです。福永騎手が勇気をもってロンクスパートをするなら、ルヴァンスレーヴとゴールドドリームに先着するだけの力をもっています。

 

まとめ

今回の記事では、上位人気に推される古馬の2頭について考察しました。ともにチャンピオンズCに向けて大きな不安がなく、好走の期待できる馬たちです。

ルヴァンスレーヴとオメガパフュームの3歳馬が世代交代を告げるのか、それとも古馬勢がそれに待ったをかけるのでしょうか?

以上、お読みいただきありがとうございました。