「ハイレベル」な今年の3歳牝馬のなかで、最後の大物と呼ばれるファンディーナが出走するフラワーC。
フラワーCはファンディーナをはじめ、中京2歳ステークスの勝ち馬で阪神JF4着のディーパワンサ、新馬→500万下を2戦2勝のデアレガーロなどの注目馬も出走が確定し、結果だけではなくレース内容も楽しみな1戦になりそうです。
新馬→つばき賞と2連勝した内容が高く評価されて、ファンディーナが圧倒的な人気を集めることになるのでしょうが、フラワーCには注目度は低いながらも個人的に楽しみな馬が出走します。
サンティール
母サンヴィクトワールは現役時代にエルフィンS勝ち、繁殖としてはGⅢ愛知杯2着のサンソヴール(父キングカメハメハ)などコンスタントに走る産駒を輩出しています。
サンティールは中山1800mの未勝利勝ちの上りが35.8と、父ハービンジャー産駒らしい時計のかかる馬場が合うタイプです。その未勝利戦は好位のイン3番手からV・シュミノー騎手の見事な手綱さばきに導かれて、馬群を鋭く割る快勝。映像を見ると上りが35秒台後半だったとは思えないほどの鋭さで、パワーのある斬れ味がこの馬の大きな特長です。
前走はGⅢ京成杯で7着
サンティールは未勝利戦を勝ち上がった後、牝馬ながら牡馬混合戦の重賞「京成杯」に出走します。
レースではもっさりとしたスタートを切ってしまい、道中は最後方から。ペースも上がらずに馬群は一団となって進み、サンティールは3角過ぎからスピードを上げて直線では外目を伸びてきての7着。
牡馬混合重賞ということもあって、12番人気の出走となり無理せずに最後の直線だけ追ったというレース内容でした。勝ち馬のコマノインパルスとは0.4秒差の負けに留めましたから、格上挑戦としては及第点。スローペースでも掛かるところもなくスムーズに追走していましたから、精神的な面での不安定さは見せていません。
フラワーCでは
サンティールのフラワーCでの鞍上はスタートの巧い津村騎手ですから、未勝利勝ちをした時のように好位での先行策になりそうです。もっと言えば、明確な逃げ馬が見当たらず、津村騎手が主張すればハナも奪える組み合わせ。
圧倒的な1番人気に支持されるであろうファンディーナはスローペースであればハイレベルの末脚を発揮できることは前走のつばき賞で証明済みですから、この馬を差すのは困難ですが、前で構えていれば好走の可能性も…
中山で行われたフラワーCはどんなにペースがスローになっても上りが34秒台に突入することはなく、その点からもサンティールにとっては追い風の条件。
スンナリとハナか番手からハービンジャーらしい加速で上りを35秒台でまとめればファンディーナに差されたとしても2着は確保できるのではないか…と。
有力馬には死角もあって…
ファンディーナ、ディーパワンサと人気を集める2頭はいずれも関西馬で、ともに初の関東遠征となります。
ディーパワンサの不安点
ディーパワンサは父ディープブリランテ×母父Rahyでマイラー色の強い体型をしていることから、どちらかと言えば桜花賞向きのタイプ。
既に桜花賞に出走するための賞金はほぼ足りていますから、無理をして関東に遠征する必要がありません。オークスに向けて一度遠征を経験させたかったという考え方もあるのでしょうが、馬格のない牝馬ですからこのローテーションを組んだ意図がイマイチ分からないというのが本音です。
また、ディープブリランテ産駒は先行脚質が多く本質的には内回りや小回り向きですが、ディーパワンサは全4戦で差しに回ってるのも不安な点です。
ファンディーナの不安点
ファンディーナの不安点は2つあります。
1. 内で包まれる
鞍上の岩田騎手は、内枠に入るとインのポケットで脚を溜め、直線で鋭く馬群を割るのに長けた騎乗を見せていましたが、近年は強引にインをつく走りを控えています。
そのため、ファンディーナが内枠に入り前が詰まった場合は強引に進路を取ってくるかどうかは?
2. ローテーションが押せ押せで
つばき賞を勝った後は少し間隔をあけてオークスに向けたローテーションを組むとばかり思っていましたが、桜花賞も見据えてフラワーCに出走。力のある馬ということは十分に分かっているので、この押せ押せの出走はプラス材料とは思えません。
まとめ
おそらく、サンティールはかなり人気薄での出走になりそうですから、津村騎手が気楽に乗ってあれよあれよというのも期待がもてます。
ファンディーナの相手としても一考に値する馬なので、一度戦歴と過去のレース映像をチェックしてみることをオススメします。
以上、お読みいただきありがとうございました。