天皇賞・春のステップレースとなる日経賞は中山の2500mで施行されるGⅡ。
一昨年の有馬記念を制したゴールドアクター、昨年の皐月賞をレコードで快勝したディーマジェスティなどのGⅠ馬に人気が集まりそうです。
ゴールドアクターは先行馬、ディーマジェスティは差し・追い込み馬と脚質が異なるものの、どちらも適性は中山>東京、内回り>外回りとなるのですが、それはどうしてでしょうか?
Robertoの血
ゴールドアクターもディーマジェスティもパワーを伝える種牡馬Robertoの血を引いています。
ゴールドアクターは父スクリーンヒーローを通じて、グラスワンダー←Silver Hawk←Roberto、ディーマジェスティは母系のブライアンズタイム←Robertoというように、5代血統表の中にその名前を見つけることができます。
ゴールドアクター
父スクリーンヒーローはゴールドアクターと日本だけではなく海外GⅠも制したモーリスを出したことで、一躍種牡馬として脚光を浴びる存在になりました。
モーリスはスピードとパワーに優れた名馬で、ポテンシャルが高いためにコースを問わずに走りましたが、後方からひと捲りで勝ったダービー卿CTがベストパフォーマンスだったように、中山>東京という適性。
ゴールドアクターもモーリスと同じように、スクリーンヒーローを通してグラスワンダーのRoberto的なパワーを受け継いでいます。東京のGⅡアルゼンチン共和国杯を制していますが、有馬記念や昨年の日経賞、オールカマーのレースぶりを見ても、パワーで中山を捲った方が強さを発揮できるタイプです。
ディーマジェスティ
ディーマジェスティは父ディープインパクト×母父ブライアンズタイムという血統で、上りのかかった皐月賞をパワーで差し切ったように、瞬発力を問われる勝負は苦手です。ディープインパクト産駒ながら、適性が中山>東京なのは母父ブライアンズタイムのパワーで捲るからと言えます。
ディーマジェスティと同じように母父にブライアンズタイムを持つ馬といえば、最近では牡馬相手にダービー卿CT(中山1600m)を制したマジックタイム(父ハーツクライ)やラジオNIKKEI賞勝ちのゼーヴィント。この2頭もパワー捲りのタイプです。
昨年のセントライト記念では父ディープインパクト×母父ブライアンズタイムのディーマジェスティとゼーヴィントのワンツーだったように、中山を捲るにはRobertoパワーが最適と言えます。
人気の2頭以外にも
人気の2頭以外にもRobertoの血を引くのは、逃げるヤマカツライデンとオープンで善戦を続けるモンドインテロ、障害帰りの長距離馬プランスペスカ。
とくにモンドインテロは、父ディープインパクト×母父ブライアンズタイムとディーマジェスティと同じ血統構成をしています。父ディープインパクトという血統からか、なぜか中山よりも東京に出走することが多いですが、札幌日経オープン1着やステイヤーズS3着からも内回り小回りの長距離戦は適性がずんどばです。
ただ、大阪杯と日経賞のダブル登録なので、出走可能ならGⅠの大阪杯に向かいそうなのが…阪神芝2000mの大阪杯も内回りコースなので、適性としては合っています。
そして、ステイゴールド
中山芝2500mはステイゴールドの庭というくらいに、勝ち鞍で2位のキングカメハメハをダブルスコアで圧倒する活躍ぶり。
とくに、昨年の12月開催から年明け1月開催まで、中山の芝は距離を問わずにステイゴールド産駒が大活躍しました。中山金杯1着のツクバアズマオーを筆頭に、1/15日に行われたニューイヤーステークス(芝1600m OP)はステイゴールド産駒のマイネルアウラート、グランシルク、ウインフファビュラスが1〜3着を独占。
今年の出走馬で言えば、ステイゴールド直仔のドリームジャーニーを父に持つミライヘノツバサ、菊花賞2着のレインボーライン、ツクバアズマオー、ショウナンバッハなどが該当しますね。
ミライヘノツバサは中山芝(4 - 1 - 2 - 1)で、着外になったのは皐月賞のみの安定感、ツクバアズマオーは古馬になってからの中山芝の成績が(5 - 2 - 2 - 1)とこちらも抜群の成績をもっています。ステイゴールドの母系に入るノーザンテーストの血がパワーを生み出す原動力で、オルフェーヴルやゴールドシップの走りを見てもそれは実感できます。
レインボーラインは3歳時のNZT5着以来の中山出走となりますが、内回り(中山)向きのエアスピネルが3着に好走した菊花賞で上位に入っていますし、中山がずんどばな可能性は十分あります。
まとめ
Robertoが捲り、ステイゴールドのパワーが躍動する中山の芝2500mの日経賞。
土曜日は阪神でも皐月賞最終便の毎日杯が行われますし、「プレミアム」な週末になりそうです。
以上、お読みいただきありがとうございました。