【新潟競馬場'17年7月29日(土)】の特別戦3レースをドーンと予想ーー閃光特別を中心に

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JRAは7月29日(土)から6週間におよぶ新潟・小倉・札幌の3場所開催がスタートし、いよいよ本格的な夏競馬のシーズンがやってきます! 関東圏は「日本で唯一の直線1000m」のレースが行われる新潟競馬場がメインとなり、JRA最長を誇るホームストレッチ(芝外回りコースは658.7m)でのレースは迫力満点です。また、1日12Rの内、直線1000mの競走がかならず1鞍組まれるのも新潟開催の特徴で、短距離好きにはたまらない競馬場と言えます。

今回の記事では7月22日(土)に新潟競馬場で行われる閃光特別、古町特別、佐渡Sの3レースをドーンと予想していきます。

 

7月29日(土) 新潟競馬場の特別戦

7月29日(土)、新潟競馬場の特別戦は芝のレースが3鞍組まれています。その内の1つが「直線1000m」の閃光特別。GⅢアイビスサマーダッシュの勝ちタイムを予想する上で、このレースの時計にも注目です。

 

9R   閃光特別 3歳以上500万下 直線芝1000m

10R 古町特別 3歳以上1000万下 芝1600m

11R 佐渡ステークス 3歳以上1600万下 芝2000m ハンデ

閃光特別はフルゲート18頭が揃いましたが、1000万下からの降級馬グラミスキャッスルが単勝1倍台のグリグリの人気を集めるレース。10Rの古町特別も降級馬のストーミーシーとラベンダーヴァレイの2頭が人気の中心になりそうです。メインの11Rは10頭と少ない頭数ながらもハンデ戦でなかなかの混戦模様で人気サイドでおさまるのかは……。それでは、1戦ずつ見ていきましょう。

 

9R 閃光特別 3歳以上500万下 直線芝1000m

1000万下から降級した4歳牝馬グラミスキャッスルがグリグリの◎を集めるレースとなりました。この馬だけが抜けた人気で、2番手以下はなかなかの混戦模様。おそらく、直線1000mのセオリーと言われる「外枠」、「軽量馬」の馬たちがグラミスキャッスルに次いで人気になるメンバーです。

 

新潟直線1000mの特徴

新潟競馬場の直線1000mは予想をする上で欠かせないポイントがあります。もうすでに多くの競馬ファンに知られていることですが、もう一度おさらいを……。

夏の新潟開催が開幕!ーーコースと馬場の特徴をズバッと解説 - ずんどば競馬

 

前半のダッシュ力だけでは乗り切れない

直線1000mは「究極のスピード」勝負と言われるくらいのレースで、スタートしてから1分も経たないうちに各馬がゴール板を通過します。ダッシュ力を問われる舞台ではあるものの、スタートからガンガン飛ばせOKというレースではありません。クラスによってタイム(ダッシュ)は異なるものの、オープンであれば前半の2Fは22秒前後、条件戦であれば22.5〜23.5秒のペースを守ってレースを進めるのが基本となります。

テンが速い逃げ馬が人気になりやすい直線1000mですが、しっかりとペースを守って逃げれる馬でないと最後に苦しくなるため、ダッシュ力だけでは乗り切れないのがひとつのポイントです。

 

外枠有利?

新潟競馬場が'01年にリニューアルオープンしたばかりの頃は、「直線1000m=外枠の馬」という図式が成り立つほどに7、8枠に入った馬の好走率が高く、枠の有利不利が顕著なコースでした。ただ、近年はそこまで外枠オンリーのレースにはならないので、真ん中よりも内枠だからと言って好走できないわけではありません。

外枠はすぐに外ラチへ馬を寄せられるから有利と言われますが、それはどうしてなのでしょうか? 新潟競馬場の外回りコースは外ラチ沿いに向かって上りの傾斜がついています。つまり、馬場の真ん中よりも高い位置にあるのが外ラチ沿い。馬は見通しが良いと集中して走ることができるため、外のコースを通った方が有利というわけです。

この理由からもわかるように、外ラチ沿いを走ると馬が集中する可能性は高まりますが、だからと言って外枠に入った馬のすべてが好走できるわけではないので内枠の馬を検討もせずにバッサリと切り捨てないように注意をしましょう。

 

軽量馬は有利?

競走馬の走るスピードに直結するのが「斤量」です。究極のスピードを競う直線1000mではその傾向が顕著にあらわれ、重い斤量を背負う馬はその分スピードが削がれます。直線1000mで牝馬が活躍するのは牡馬に較べて斤量が「軽く」なるからです。また、斤量面で恩恵を受けるこの時期の3歳馬も好走する傾向があります。

 

◎グラミスキャッスル 4歳牝馬

直線1000mは(2 - 0 - 0 - 0)と得意にしている舞台。2走前の邁進特別(1000万下 新潟芝1000m)は54秒5のタイムで2着と好走しています。この時の斤量は今走よりも2kg軽い53kgだったとは言え、春の新潟開催は夏よりも時計がかかることを考えれば上々の内容です。その前走を勝ったラインミーティアがアイビスサマーダッシュで上位の人気に支持されるフィドゥーシアと接戦したことを考えると、500万下に降級したグラミスキャッスルにとって今回はいかにも対戦メンバーに恵まれたレース。

斤量が2kg増えても54秒台後半では走れる計算の立つ馬で、邁進特別で出した前半2F22.0のダッシュ力はここでは一枚上のものがあります。6枠ならダッシュを利かせてすっと外ラチ沿いにつけることが可能ですし、この馬を嫌う理由が見当たりません。

 

△アースミステリー 3歳牡馬

グラミスキャッスル以外は「一長一短」のメンバーなので、斤量面と中山ダートで1200mで見せた前半のダッシュ力に期待してアースミステリーをピックアップ。直線1000mと中山ダート1200mのペースは似ているため、ここで先行していた馬が好走することもままあります。

3歳限定の500万下でも良質なスピードを見せていた馬で、ここに入ればスピードは上位でしょう。先週、ウインガニオンで見事な先行を見せた津村騎手の手腕も込みで。

 

その他の馬について

斤量の軽い3歳馬、内からスノードーナツ、ソレイユフルール、パストラル、サンドベージュ、ダークプリンセスなどは好走できる下地はあるとは思うものの、一長一短のメンバー。グラミスキャッスルの人気を考えると相手は1頭に絞りたいので、アースミステリーだけをピックします。

 

10R 古町特別 3歳以上1000万下 芝1600m

降級馬のストーミーシーとラベンダーヴァレイが人気を争うレース。新潟外回りコースに管理馬を出走させたときの藤原英厩舎の3着内率の高さを考えるとラベンダーヴァレイが一歩リードというところでしょうか。戸崎騎手+藤原英厩舎というゴールデン・コンビではないのが少し微妙ではあるものの、北村宏騎手も新潟は好成績ですし、悩ましいですね。

 

レース展開

逃げ馬が不在でどう考えてもスローの上り勝負になるメンバー構成。ペルソナリテの柴田大騎手は番手でレースを進めたいはずで、ここは最内のタガノカムイがハナを主張する展開に……人気のラベンダーヴァレイもストーミーシーも差し・追い込みタイプなので前はかなり楽なペースになります。

 

◎タガノカムイ 5歳牡馬

母レイサッシュはステイゴールドの半妹とあって母系は名牝系。ダイワメジャー産駒らしくパワータイプのマイラーで、瞬発力勝負よりも34秒台後半の決着にもち込みたい馬です。今回は単騎で逃げられるメンバー構成ですし、今夏の函館リーディングジョッキーに輝いた吉田隼騎手がある程度のペースを主張すれば逃げ切りも十分に。

タガノカムイもすでに1000万下を勝っているように力は十分にもっている馬。昨年の新潟マイル(五頭連峰特別 1000万下)を3着と好走していることからも舞台適性もあります。これだけ人気がないのであれば積極的に狙いたい1頭ですね。

 

買い目

タガノカムイの相手はどれが来てもおかしくないほどの混戦模様……。馬連であれば総流しが必要になるので、ここは単勝で。

 

11R 佐渡ステークス 3歳以上1600万下 芝2000m

少頭数の割にはかなり難解なレース。人気どころがイマイチ信用できないので困りますね。上位人気のなかでは堀厩舎のマローブルーが適性として合っている舞台。

 

◎グランドサッシュ 6歳牡馬

名前から察しがつくと思いますが、グランドサッシュは母がレイサッシュなので10Rに出走するタガノカムイの半兄にあたります。こちらは父がハーツクライとあって新潟の2000mはほぼベストの舞台。福島をスキップしてここへ備えたローテーションは好感がもてますし、このメンバーであれば力は足ります。

ケンホファバルトの逃げであればスローは確定で、岩田騎手が有力馬よりもワンテンポ早目の仕掛けができればチャンスも十分に。今開催の新潟は函館でリーディング上位を争っていた岩田騎手と吉田隼騎手が参戦することもあって、福島における戸崎騎手の無双状態に歯止めがかかるかも……という期待も込めて。

 

買い目

このレースも10Rと同じく人気馬の信頼性が乏しく、グランドサッシュの単勝で。

 

まとめ

夏の新潟競馬場の開幕初日は特別戦で芝のレースが3鞍組まれました。日曜日に行われるアイビスサマーダッシュの勝ち時計を予想するためにも9R閃光特別のタイムには注目しましょう。また、開催前のエアレーションがどこまで効いているのかを知るためにも、土曜日の芝レースで差しが決まるのかはチェックが必要ですね。

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。