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夏の新潟開催が開幕!ーーコースと馬場の特徴をズバッと解説

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JRAは7月29日(土)から函館、福島、中京の3場所ともに舞台が変わり、6週間におよぶ札幌、新潟、小倉開催がスタートします。関東圏は「日本で唯一の直線1000m」のレースが行われる新潟競馬場がメインとなり、JRA最長を誇るホームストレッチ(芝外回り658.7m)での白熱したレースは迫力満点!

今回の記事では、新潟競馬場のコースと馬場の特徴についてまとめておきます。

 

新潟競馬場の概要

2001年に大掛かりなコース改修工事が竣工し、JRA全10場のなかでもっとも長い1周距離(2223m)をもつ外回りコースとしてリニューアル・オープンを果たしたのが新潟競馬場です。周回コースは右回り→左回りへと変わり、直線1000mのコースを新設するなど大規模な作り変えが行われました。

夏の開催は6週間にわたり、サマーシリーズのスプリント(アイビスサマーダッシュ)、マイル(関屋記念)、2000(新潟記念)すべてのレースが開催されます。近年、ジャスタウェイ、ハープスター、イスラボニータなど後のGⅠ馬が出走することのある新潟2歳Sも注目度の高いレースのひとつです。

新潟と同時期に開催されている札幌と小倉は小回りコースのため、長い直線を求めて瞬発力に長けた関西馬が遠征してくることもままあります。

 

コースについて

芝の外回りコースは内回りよりも1周距離が600mほど長いため、外か内かによってレースの展開や流れが大きく変わります。また、外回りコースは高低差が2.2mと上り下りがあるレイアウトに対して、内回りは0.8mとほぼ平坦なのも大きく異なる点です。

芝はA、Bの2つのコース(内ラチを移動)があり、ダートは1つのコース(内回り)のみを使用します。芝・ダートともに左回りでレースが行われ、「芝1000m」は4コーナー奥の引き込み線からスタートするJRAで唯一の「直線」コースです。

 

芝コース

芝は内・外回りのそれぞれにA、Bの2つのコースがあります。芝コースの概要は以下の通りです。

コース 1周距離 直線距離 高低差
A 1623m(内回り) 358.7m(内回り) 0.8m(内回り)
2223m(外回り)
B 1648.1m(内回り) 658.7m(外回り) 2.2m(外回り)
2248.1m(外回り)

内回りと外回りコースで注意が必要なのは、1400mと2000mの距離です。この2つ距離は内と外両方のコースに設けられているため、どちらなのかをチェックしてから予想をしないといけません。

発走距離 1周距離
直線 1000m
内回り 1200m、1400m、2000m、2200m、2400m
外回り 1400m、1600m、1800m、2000m、3000m、3200m

 

芝コースのポイントとしては大きく分けて4つ。

 

1. 内回りはコーナーがきついため器用さが求められる

新潟の芝内回りの1周距離は約1600m。これは小回り福島とほぼ同じくらいの距離です。ただし、直線の距離は新潟→358.7m、福島→292m(Aコース)と新潟がより長くなっているため、コーナーのカーブが福島よりもきついのが特徴です。新潟の内回りコースはスピードを落とさずにコーナーを曲がれる器用さも大切になってきます。

 

2. 外回りの高低のレイアウトは京都コースに似ている

新潟芝の外回りコースには2.2mの高低差がついています。この高低差は向正面から3コーナーにかけて上り坂、そこからゴールまでだらだらと下り坂が続くレイアウトです。ほぼ京都の芝コースと似たようなレイアウトになっていて、このことからも新潟の外回りコースが瞬発力勝負になりやすいことがわかります。

 

3. 外回りコースは直線が長いため、一瞬のキレ味のある馬が苦しくなる

新潟の芝外回りコースはJRA全10場のなかでも最長の直線距離を誇るだけあって、一瞬のキレ味で勝負する瞬発力型だと苦しくなることがあります。ピッチよりもストライド走法の馬に有利で、3〜4コーナーの下り坂でオーバーペースにならないように気をつけながら、残り600mでしっかりと脚を使い切る走りが理想です。

 

4. 直線1000mははっきりとした特徴のあるコース

直線1000mははっきりとした特徴の出やすいコースです。有利と不利について主なもの挙げると以下の通り。

 

▼有利

・外枠

・斤量が軽い→牝馬や3歳馬など

・馬格がある→馬体重は重い方が有利

・スピードよりもパワーが優先

▼不利

・内枠の差し・追い込み馬

・斤量が重い→57.5kg以上の馬は不利

・馬格がない→馬体重が450kg以下の馬は不利

 

また、直線1000mは「風」の影響を受けやすいコースで、追い風→逃げ・先行が有利、向かい風→差し・追い込み馬が有利と風向きによってもレースの質が異なります。

 

ダートコース

ダート1つのコースのみを使用。

1周距離 直線距離 高低差 発走距離
1472.5m 353.9m 0.6m 1000m 1200m
1700m 1800m
2500m  

ダートコースは直線が353.9mと東京(501.6m)、中京(410.7m)に次ぐ長さを誇りますが、高低差が0.6mしかないこととコーナーがきついことから逃げ・先行が有利なコース。ペースがかなり流れないと差し・追い込みは届きにくく、3〜4コーナーでスピードに乗せるのが難しいコースのひとつです。スローペースであれば向正面で捲り切ってしまうくらいの積極策が功を奏すこともあります。

 

馬場(芝)

新潟競馬場は1年間を通して野芝だけでレースを行っています。野芝は「古くから日本に自生している芝」で、傷みに強く速い時計が出るのが大きな特徴です。日本の風土に合った野芝で競馬を行うのはベストなのですが、この芝の唯一の弱点は10月後半から春先にかけて枯れてしまうということ。1年間を通じて野芝でのレースが行われないのはこうした自然の働きによるからだと言えます。新潟競馬場の開催時期はちょうど芝の育つ時期と重なるため、1年間を通して「野芝のみ」でレースを行うことができるのです。

 

速い時計の出る野芝

新潟競馬場の芝コースは'01年のリニューアル当初から速い時計がバンバンと出ていました。これは夏の開催と野芝がもっとも旺盛に育つ時期が重なっているためで、びっしりと生え揃った野芝は硬度が硬くなりやすく、どうしても速い時計が出てしまうのです。

また、芝の外回りコースは直線が長く取られているため、スピードの落ちるコーナーの距離が短く、物理的にも速い時計が出やすいレイアウトになっています。新潟競馬場で速い時計が出るのは、夏の野芝+直線の長さという2つの要素によるものです。

 

排水性の良さ

新潟競馬場は路盤の砂質が「透水性=排水性」に優れているため、雨が降っても馬場が悪化しにくいという特徴があります。排水性が良いため、雨が降ったとしても日差しが出ればすぐに乾いてもと通りの馬場へと回復するのです。

夏の新潟競馬場が6週間というロングラン開催なのも、野芝の丈夫さと排水性の良さに支えられているだと言えますね。

 

エアレーションによるクッション性の確保

'01年のリニューアルオープン当初から、夏の新潟開催は速い時計の出る馬場でレースが行われていました。夏の野芝+排水性の良い路盤によって、馬場の硬度の高さが「高速の芝」になっていた理由です。

JRAは安全性(競走馬の事故を防ぐ)を高めることを目的として馬場の硬度を下げる、「柔らかい馬場造り」を推し進めています。速い時計の出やすい新潟競馬場では、馬場を柔らかくするための取り組みとして「エアレーション作業」を積極的に実施しています。

この作業によってクッション性が高まったことから、ここ数年は開幕週から差しの決まるややパワーよりの馬場へと変化してきています。夏の開催は時期として硬度が高くなる傾向があるため、2回エアレーション作業をするなど他場に先がけてクッション性を高める新しい方法が取り入れられているのも新潟競馬場の特徴です。

 

エアレーション作業が実施されているかのチェックは必要

馬場を柔らかくするエアレーション作業は、JRAのHP上にある「馬場情報」でチェックすることができます。

エアレーション作業とは馬場の通気性と排水性の向上を目的としたもので、芝に穴を開けて路盤をほぐすものです。これによってクッションが効いた柔らかい馬場へと変わり、レースの時計が少しかかるようになります。

'13年から夏の新潟開催前には2回エアレーション作業を行っており、よりクッション性を高めることに積極的です。今年も開幕週からややパワーの必要な馬場になっていることが考えられます。

 

野芝は丈夫なため、開催が進んでも傷みにくい

日本にもともと自生している野芝は丈夫でレースが行われても傷みにくいのが大きな特徴です。夏の新潟開催が6週間(12日間)とロングランなのも、芝の成長が旺盛な夏場の時期と重なっていることが大きく影響しています。

野芝は開催が進んでも傷みにくいため、全体を通して良好な馬場でレースが行われるのが夏の新潟競馬場です。

 

7月29日の開催初日の傾向は?

新潟競馬場は今年もエアレーション作業を行っているため、開幕週だからといって極端な逃げ・先行有利な馬場コンディションにはならないことが予想されます。

イメージとしては春の東京開催の開幕週に近いかな……GⅡフローラSでモズカッチャンとヤマカツグレースのハービンジャー産駒2頭がワンツーを決めたような、ややパワー優勢の馬場。

エアレーション作業が実施されている馬場だとハービンジャー産駒やデインヒル系のDanzigパワーが活きるので、そこも注目です。

 

まとめ

開幕週のメインに組まれているアイビスサマーダッシュを皮切りに、注目の重賞レースがてんこ盛りの夏の新潟開催がいよいよスタートを切ります。

直線1000mなど「ここでしか観れない」レースが楽しめるのも新潟競馬場のオススメな点です。皆様にとっても素晴らしい夏競馬になりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。