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スティッフェリオはしなやかで美しいフォームと魅力的な血統をもつ好素質馬ーーセントライト記念の展望

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秋の中山の2週目は9月16日〜18日までの変則3日間開催となり、GⅡセントライト記念(中山芝2200m)は18日(月・祝)のメインレースに組まれています。皐月賞馬アルアインの参戦に注目が集まるなか、無傷の3連勝でラジオNIKKEI賞を制したセダブリランテスが右前脚のザ石によってこのレースを回避。関東の期待を背負う1頭だっただけに、回復を待ちたいところです。

 

社台系ファーム生産馬は7頭が出走予定

3歳クラシックは日本を代表する牧場「ノーザンファーム」の生産馬が活躍することでも知られます。今年の東京優駿(ダービー)をノーザンファーム生産が1〜3着を独占したのは記憶に新しいところです。秋のクラシックもこの傾向は当てはまり、セントライト記念の出走予定馬の生産牧場はチェックしておくことが大切です。

 

社台系ファームとは?

日本の馬産の中心となっている社台グループ。現在は社台ファーム、社台コーポレーション白老ファーム、ノーザンファーム、追分ファームと枝分かれをし、それぞれが優秀な成績を上げています。近年、活躍が目覚ましいのがディープインパクトやジェンティルドンナを出し、クラシックに抜群の成績を誇るノーザンファームです。

吉田勝己氏が代表を務めるノーザンファームは、1994年に社台ファームの分割によって「社台ファーム早来」から現在の名称に変更し、その後はさまざまな名競走馬、名繁殖牝馬を生産してきました。「外厩」としても知られる「ノーザンファームしがらき」や「ノーザンファーム天栄」はノーザンファームのトレーニング施設です。日本有数の設備によって育成の時間を過ごした競走馬たちは、大きなアドバンテージをもってデビューを迎えます。3歳のクラシックまでにしっかりと調整されるのは、このような充実した育成設備があるからでしょう。

 

セントライト記念に出走予定の社台系ファームの7頭

今年のセントライト記念には社台系ファームから7頭が出走を予定しています。社台コーポレーション白老ファームのセダブリランテスはこのレースを回避するため、ここでは名前を載せていません。

 

ノーザンファーム

アルアイン

サトノクロニクル

ミッキースワロー

 

社台ファーム

インペリアルフィズ

スティッフェリオ

 

社台コーポレーション白老ファーム

ストロングレヴィル

チャロネグロ

 

注目を集めるのは、ノーザンファーム生産+池江寿厩舎+C・ルメール騎手+皐月賞馬のアルアイン。セントライト記念でも1番人気の支持を受けることになります。セダブリランテスの回避によって、グリグリの人気に押されるのでしょう。この馬については週中に展望記事を書いていますので、よければそちらをご覧下さい。

池江泰寿厩舎はフランス遠征で国内の成績を落とすのか?ーーアルアインのGⅡセントライト記念 - ずんどば競馬

社台系ファーム生産馬のなかではもう1頭、注目したい馬がいます。それは赤色でマークしたスティッフェリオ。この馬は走るファームが美しい好素質馬で、セントライト記念を好走できるのかは未知なものの先々が楽しみな1頭です。今回の記事ではスティッフェリオについて解説していきます。

3歳クラシック路線はノーザンファームが中心ーーローズSとセントライト記念 - ずんどば競馬

 

スティッフェリオ 3歳牡馬

父:ステイゴールド

母:シリアスアティテュード(母父:Mtoto)

厩舎:音無秀孝(栗東)

生産:社台ファーム

2月の阪神芝2000m(内回り)を逃げて勝ち上がり。昇級初戦の大寒桜賞(500万下 中京芝2200m)に7着と敗れたことで、春は休養に入りました。夏の北海道シリーズから復帰し、休養明け2戦目となった500万下を快勝し、続く1000万下でも3着と好走。古馬相手に力のあるところを見せ、セントライト記念へ出走します。

 

血統

父ステイゴールドは、ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟やゴールドシップなどのGⅠ馬を送り出しているように「長打力」のある種牡馬。この3頭のGⅠからも、ステイゴールドがしなやかさとスタミナを産駒に伝えることがわかります。そして、ドリームジャーニー=オルフェーヴル兄弟はノーザンテースト4×3のクロスを、ゴールドシップはノーザンテースト≒The Minstrel4×4のクロスもつのが特徴です。

ノーザンテーストとThe Minstrelは4分の3同血の間柄。この2頭の3代血統卿は以下の通り。

 

ノーザンテースト 3代血統表

Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Lady Victoria Victoria Park Chop Chop
Victoriana
Lady Angela Hyperion
Sister Sarah

ノーザンテーストの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

The Minstrel 3代血統表

Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Fleur Victoria Park Chop Chop
Victoriana
Flaming Page Bull Page
Flaring Top

The Minstrelの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ノーザンテースト自身はLady Angela 3×2という名牝の強い(濃い)クロスをもっています。そのため、ノーザンテーストをクロスするとこの名牝のHyperion的なパワーとスタミナがONになりやすく、ドリームジャーニーのように中山や阪神内回りを力強く捲れる馬が出るのです(オルフェーヴルはそもそも競走能力が傑出していたことから、コース不問のオールラウンダーでしたが、引退レースなった有馬記念の圧勝がこの馬の本質でしょう)。

それに対して、ノーザンテースト×The MinstrelはHyperion的な粘り強さよりもVictoria Parkの北米的なパワーを増すクロスと言えるでしょう。ゴールドシップの単調な走り(プラスの表現をすれば、長い距離をずっとしなやかなフォームで走り続けられる)は、このThe Minstrelの母Fleurによるもの。スティッフェリオはノーザンテースト≒The Minstrel 4×5のクロスをもつので、スタミナとパワーはここがその源です。

母シリアスアティテュードは英GⅠチェヴァリーパークSを勝ったスプリンター。繁殖牝馬としてはJRAに3頭の仔が出走し、スティッフェリオを含めて2頭が2勝以上と活躍馬を出しています。この母の父MtotoはDonatello 3×4のクロスをもつ異系のスタミナ血統。Donatello産駒のAlycidonがノーザンテーストのLady Angelaと好相性というのもスティッフェリオの配合の大きなポイントになっています。

スティッフェリオはいかにもしなやかな体質を感じさせる走りで、これは父ステイゴールドだけではなく、母シリアスアティテュードのもつSir IvorとHabitatの柔らかい血によるところもあるのでしょう。セントライト記念の行われる中山芝2200mは柔らかさよりもパワー優勢のコースですから、一夏を越したスティッフェリオの馬体に締まりがでてきているかは大切です。

 

セントライト記念に向けて

HabitatとPrincely Giftという京都の下り坂をロスなくスムーズに走れる血と豊富なスタミナ血脈を引くスティッフェリオにとっては京都芝3000m外回りの菊花賞はベストに近い舞台。そのため、セントライト記念は何としても権利を取りたい(私的にも取って欲しい)ところです。

有力馬の1頭セダブリランテスが回避したことはこの馬にとって追い風でアルアイン、クリンチャーといった実績をもつ先行馬を相手にどのようなレースができるのか……。菊花賞を展望するためにも、しっかりと脚を出し切りたいレースとなりました。3〜4コーナーでレースのペースが上がったときに遅れずについていければ、最後はしっかりと脚を使えるはずで、北村友騎手には権利を取れるような騎乗を希望します。

 

まとめ

しなやかで美しいフォームと奥のある配合から、未知の魅力にあふれたスティッフェリオ。素質があることだけは間違いのないことで、セントライト記念はこの馬の力を出し切ることができるのかに注目です。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。