中京記念(2018年)のトレンドは「トニービン→Nijinsky」へ!?ーーレース展望

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中京記念(GⅢ・中京芝1600m)は中京競馬場のリニューアルオープンに伴い、2012年からマイル戦として施行されています。昨年はこのレースを制したウインガニオンがサマーマイルのチャンピオンに輝いたことから、シリーズの行方を占う意味でも大切な1戦です。今年はどの馬が「夏のマイル王」となるのでしょうか?

 

開催最終週の馬場は?

JRAは「公正・安全」にレースが行われることを目的として、馬場の改良に取り組んできています。その結果、現在は多くの競馬場において、開催の最終週であっても馬場の傷みが少ない状態をキープできるようになりました。

2012年にリニューアル・オープンした中京競馬場は、雨が降るとタフな馬場コンディションになるのがデフォルトでしたが、16年に暗渠排水材(水はけが良くなる)を設置する工事が行われたことで、内側の芝が極端に傷むこともなくなっています。

中京記念は2012&14年のように、時計がかかるとパワフル・ストライドでズドーンと差してくる馬が上位を独占するのがデフォルトでしたが、近年はそれほどタフな馬場にならないのがポイントです。

 

7月14日(土)と15日(日)の芝は?

14日(土)、15日(日)ともに中京競馬場の芝コースは「良」のコンディション。時計は水準並みかやや速くなっており、中京記念は1分32秒台後半〜33秒前半の勝ちタイムが期待できます。大雨さえなければ、タフな馬場にはならないでしょう。

 

中京記念のポイントは?

名繁殖スキッフルの「トニービン×Nureyev」的なパワー・ストライドを受け継いだフラガラッハは、2012年、13年と中京記念を連覇しました。リニューアル直後は上りのかかるレースに強さを発揮する「フラガラッハ」的な馬の好走が目立っていたものの、近年はやや傾向が異なっています。

 

トニービン→Nijinsky

2012年〜15年まではトニービンの血を引く馬が少なくとも1頭は連対を果たしていましたが、ここ2年は「非トニービン」の馬が1〜3着占めています。

2012年以降・トニービンを引く好走馬

2015年

1着:スマートオリオン

レース上り3F:35.2

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2014年

2着:ミッキードリーム

3着:マジェスティハーツ

レース上り3F:37.0

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2013年

1着:フラガラッハ

2着:ミッキードリーム

レース上り3F:34.8

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2012年

1着:フラガラッハ

レース上り3F:36.0

2016年からは傾向が変わり、トニービンではなくNijinskyをもつ馬の好走が目立ち始めています。

 

2012年以降・Nijinskyもちの好走馬

2017年

1着:ウインガニオン

2着:グランシルク

3着:ブラックムーン

勝ちタイム:1分33秒2(良)

前後半800m:46.3 - 46.9

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2016年

1着:(ガリバルディ)

2着:ピークトラム

3着:ケントオー

勝ちタイム1分33秒6(良)

前後半3F:47.2 - 46.4

✳︎ガリバルディはNijinskyと4分の3同血(母系が同じ)のThe Minstrelを引くため、()扱いとしています

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2015年

1着:スマートオリオン

2着:アルマディヴァイン

勝ちタイム:1分33秒4(良)

前後半800m:46.4 - 47.0

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2012年

2着:ショウリュウムーン

3着:トライアンフマーチ

勝ちタイム:1分35秒1

前後半800m:47.0 - 48.1

✳︎2014年3着のマジェスティハーツ、2013年3着のリルダヴァルはNijinskyと似た配合のStorm Birdをもちますが、同牝系ではないためにここでは上げませんでした

2015年以降は「Nijinsky天国!」と呼べるほどに好走馬が出ています。1分33秒台の勝ちタイムになると、Nijinskyのパワーとスタミナが活きるのでしょう。今年も雨さえ降らなければ33秒台前半の決着となるはずで、この種牡馬は押さえておきたいですね。

 

今年の出走馬のなかでNijinskyをもつのは?

さて、それでは今年の中京記念に出馬を予定している馬のなかから、Nijinskyもちをピックアップしてみましょう。

Nijinskyを引く馬

ウインガニオン

(ガリバルディ)

コウエイタケル

ジョーストリクトリ

ダイメイフジ

ブラックムーン

(50音順)

6頭も登録馬がいますね……。ここから絞るのはなかなかに骨が折れそうです。ちなみに、昨年の1着ウインガニオン&2着グランシルクとコウエイタケルは「配合形」が似ているので、触手が動いて……。さすがにマイルの距離は長いと思うものの、捨て切れない穴馬です。

 

コウエイタケル 7歳牡馬

父:ステイゴールド

母:ケイアイエリザベス(母父フレンチデピュティ)

厩舎:山内研二(栗東)

人気薄の好走が大好きな競馬ファンにとって、コウエイタケルはかけがえのない「穴馬」です。3着内に入線したの全17回の平均人気は「6.59(小数点第3位を四捨五入)」。この数字からもいかに人気薄で好走しているのかがわかります。

もちろん、1400mベストのスプリンターであるコウエイタケルにとって、マイルの距離は大きな不安があります。ただ、2走前、マイル戦だった米子S(阪神芝1600m)を5着と好走していることから、まったくのノーチャンスとは言えないところが悩ましい……。

 

血統

父ステイゴールド×母父フレンチデピュティは今年の天皇賞・春を制したレインボーラインと同配合。ステイゴールド産駒は非力なタイプが多く、ノーザンテーストのもつパワーをONにすることで上級馬が出ます。

フレンチデピュティはNorthern Dancer系のなかでもっともパワータイプのVice Regentを祖父にもつため、しなやかなで非力なディープインパクトやステイゴールドと好相性の種牡馬です。

コウエイタケルはVice RegentのパワーをONにしたことで、1200〜1400mに向いたスプリンターとなりました。また、父系にPrincely Gift、母系にCaerleonを引くため、下り坂のある京都・阪神・小倉・中京コースを得意としています。

ウインガニオンやグランシルクと配合形が似ており、中京のマイル戦で変わり身があっても驚けません。母系としてはマイルももつはずなので、そこに期待したいですね。

 

Nijinskyもちが上位独占なら……

昨年のようにNijinskyもちが1〜3着の上位を独占するなら、ガリバルディを外した5頭の3連複BOXというのも……。そんなに簡単に決まらないとはいえ、コウエイタケルとジョーストリクトリが馬券に絡めば、ウハウハな配当が待っているかもしれません。

 

まとめ

中京記念はトニービン→Nijinskyへとトレンドが変化しています。しばらくはこの傾向が続くのか、それとも新しいトレンドが生まれるのか……。今からレースが楽しみですね。

以上、お読みいただきありがとうございました。