7月16日(日)、函館競馬場ではサマー2000シリーズの第2戦「GⅢ函館記念」が行われます。GⅢ鳴尾記念を勝ってここへ参戦するステイインシアトル、昨年の覇者マイネルミラノと逃げ・先行馬が人気の上位を形成する今年の函館記念。どの馬がハナを切って逃げるのか?ペースはどうなるのか?が予想をする上でのキーポイントになりますね。
ステイインシアトルは池江泰寿厩舎の管理馬
GⅢ鳴尾記念をマイペースに逃げで勝利したステイインシアトルは、池江泰寿厩舎の管理馬。初重賞制覇となった前走後は、宝塚記念には向かわずに北海道シリーズか小倉記念への参戦を早くから発表していました。
池江泰寿調教師は7月12日現在、全国厩舎リーディングのトップに立っています。関西のなかでも指折の名門厩舎とあって、ステイインシアトルの好走に期待が集まります。
今年のラジオNIKKEI賞は池江寿先生にとって悔しい敗戦に
池江寿先生は、3歳限定の夏のハンデ重賞「GⅢラジオNIKKEI賞」に厩舎の期待馬サトノクロニクルを出走させました。
サトノクロニクルは1番人気の支持を受けまたものの、トップハンデの57kg+小回りの福島コースが合わずに6着と敗退。池江先生にとっては悔しい敗戦になったはずです。
サトノクロニクルのラジオNIKKEI賞は斤量とコースとの戦いに - ずんどば競馬
池江寿厩舎は夏のローカル開催に強いのか?
春のクラシックに出走した3歳馬や古馬GⅠ戦線を戦った実力馬たちは、秋に備えて夏場を休養にあてます。そのため、OP白百合Sを勝っているサトノクロニクルが、「わざわざ」夏の福島で行われるハンデ重賞に出走したのは「?」のつくローテーション。
バリバリのオープン馬が揃う池江寿厩舎は、夏のローカル開催の重賞をバンバンと勝つようなイメージが湧かず、ラジオNIKKEI賞でトップハンデを背負ったサトノクロニクルもイヤな予感はしましたが……。
函館記念に出走するステイインシアトルは池江寿厩舎+武豊騎手ということで人気を集めますが、「ローカル開催で池江先生が勝てるのか?」は不安があります。
昨夏のローカル開催における池江寿厩舎の成績を調べると……
池江寿厩舎は夏のローカル開催に弱いのか? 昨夏の管理馬の成績を調べてみました。対象は函館・札幌・福島・新潟・中京・小倉が開催された2016年7月2日(土)〜9月4日まで。それでは張り切って見ていきましょう!
'16年7月2日(土)〜9月4日(日)までの成績
(1着 - 2着 - 3着 - 着外)
函館(0 - 0 - 0 - 1)
札幌(1 - 2 - 1 - 7)
福島(0 - 0 - 0 - 0) 出走ナシ
新潟(0 - 0 - 0 - 1)
中京(4 - 2 - 0 - 15)
小倉(6 - 6 - 3 - 13)
合計(11 - 10 - 4 - 37)
勝率:0.177 連対率:0.339 3着内率:0.403
全体の数字はハイアベレージ。また、小倉の成績が突出していることも大きな特長です。昨年のローカル開催の成績からわかることは以下の通りです。
1. 函館・福島・新潟へはほぼ出走ナシ
函館と福島は、関西圏で阪神と中京が開催されていることから出走数が少なくなっています。暑くなる時期ということもあり、長距離輸送のリスクを考えても近場への出走を優先するのは自然なことです。
直線の長い新潟競馬場への出走が1回というのはイメージと異なっていました。池江寿厩舎はディープインパクト産駒を多く管理していることから、瞬発力勝負になりやすい新潟の外回りコースには積極的に遠征しているのかと思いましたが……。
2. 札幌と中京はソコソコ
札幌と中京はすべての数字がソコソコ。プラスにもマイナスにもならない数字からも、池江寿厩舎だからと言って馬券でケアしなくても十分なレベルです。
3. 小倉は「池江寿」の名前を見たらケアしないといけないレベル
小倉の成績の良さは突出しています。(6 - 6 - 3 - 13)ということはほぼ2頭に1頭は2着に好走しているわけで、人気のあるなしに関わらず馬券としてはケアをしないといけません。3着内率は5割オーバーですから、小倉のレースで3連単複系の馬券を買う人は困ったら池江寿厩舎の馬を入れておきましょう。
'16年の池江寿厩舎の成績
夏のローカル開催における池江寿厩舎の成績がどれほど好調なものなのかを知るために、昨年1年間を通しての成績と較べてみましょう。
(45 - 38 - 29 - 204)
勝率:0.142 連対率:0.263 3着内率:0.354
勝率〜3着内率まですべてにおいて「夏のローカル開催」での数字がアップしていることがわかります。う〜ん、小倉の成績がローカル開催の成績をかなり押し上げていると言ってもここまで差があるとは……。
結論としては、池江寿厩舎は「夏のローカル開催(ただし、札幌・中京・小倉に限る)」 に強いと言えます。
'17年の中京は?
今年の池江寿厩舎のここまで(7月9日)の中京の成績を振り返ってみましょう。
日付 | 馬 名 | 着順 | 人気 | レースのクラス | コース |
7/1 | スマートシグルズ | 3 | 2 | 3歳未勝利 | 芝2200m |
7/1 | シンシアズブレス | 3 | 11 | 500万下(特別) | 芝1600m |
7/1 | ミラアイトーン | 3 | 3 | 1000万下(特別) | 芝1400m |
7/1 | クライムメジャー | 1 | 1 | 1000万下(特別) | 芝1400m |
7/2 | マウントゴールド | 1 | 9 | 1000万下(特別) | 芝2200m |
7/8 | ジェルファルレイ | 3 | 3 | 3歳未勝利 | 芝1600m |
7/9 | ロードプレミアム | 3 | 4 | 1000万下(特別) | 芝1600m |
(2 - 0 - 5 - 0) 複勝率100%
こ、こ、これは……何コレ? と目を疑いたくなるほどの数字。平均の人気が4.7ですから、すべてが人気馬というわけではないのにこの成績。夏のローカル開催が始まった7月から中京以外に出走したのはラジオNIKKEI賞のサトノクロニクル(6着)だけですから、ほぼ完璧な数字です。
これだけあからさまな成績が出てしまうと、残りの中京開催は池江寿厩舎の出走馬が実力以上に人気になってしまうことも考えられますが、もし、人気薄での出走となっていた場合にはヒモで押さえておくのがベターでしょう。
ステイインシアトル=サトノクロニクル?
さて、話を函館記念に出走するステイインシアトルに戻しましょう。ローカル開催だからといってステイインシアトルを割り引く必要はありません。ただし、重くのしかかってくるのは……
昨年、福島に出走のなかった池江寿厩舎が「あえて」ラジオNIKKEI賞にサトノクロニクルを出走させ、6着と敗退。昨年(0 - 0 - 0 - 1)の函館に出走するステイインシアトルは大丈夫なのでしょうか? 小倉記念という選択肢もあったはずで、「あえて」函館というところに「サトノクロニクル臭」が漂います。
ステイインシアトルがサトノクロニクルと同じように人気で敗退してしまうのか、函館記念の走りに注目です・
まとめ
池江寿厩舎が夏のローカル開催に「好成績」を上げていることがわかりました。さらに、今年の夏の中京開催も出走馬が複勝率100%と絶好調です。このままの成績が続くとは思えませんが、馬券を検討する上では頭の片隅に入れておくとベターでしょう。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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