今夏の小倉芝1200mのまとめと北九州短距離S、八幡特別をドーンと予想!

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小倉芝1200mは2コーナーの引き込み線からスタートし、4コーナーまで緩やかな下り坂が続くコース・レイアウト。そのため、自然と前半3Fのペースが速くなるのがデフォルトです。ダッシュ力に優れた逃げ・先行馬が揃うような上級条件(OPや1600万下)のレースだとこの傾向がより強くなり、ハイペースからの差し決着になることもままあります。

 

外差しが決まりにくくなった小倉芝1200m

夏の小倉は6週間(全12日間)におよぶロングラン開催。以前は最終週になると内側の馬場が荒れ、外差しが決まりやすくなるコースのひとつでした。ところが、近年は「傷みに強い野芝」と言われるエクイターフをJRAが積極的に導入したことで、開催が進んでも傷みの少ない馬場コンディションが保たれるようになり、インコースを通る逃げ・先行馬が前々で粘るレースも多く見られます。

 

今年の北九州記念も先行決着に

8月20日(日)に行われたサマースプリントシリーズの第4戦「GⅢ北九州記念」は、好スタートから道中2番手を追走した3番人気のダイアナヘイローが直線で抜け出しての押し切り勝ち。

前後半3Fのラップが「32.8 - 34.7」と先行勢には苦しいはずのハイペースでしたが、4コーナーから直線にかけて2〜4番手つけていた馬が1〜3着の上位を独占する結果になりました。

 

今夏の小倉芝1200mは先行決着?

今夏の小倉芝1200m戦は開催5週目が終了しても全体を通して時計の速い馬場コンディションが保たれています。

500万下クラスでは1分8秒台、1000万下よりも上のクラスでは1分7秒台の決着になるのがデフォルト。以下の表は2歳戦と3歳未勝利戦を除いた小倉芝1200mのここまでのレースについてまとめたものです。

 

小倉芝1200m 7月29日〜8月27日 計13鞍

日付 R 勝時計 ラップ クラス
7/29 7 1:08.1 33.6 - 34.5 500万下
7/29 10 1:07.7 33.9 - 33.8 1000万下
7/30 8 1:08.1 33.4 - 34.7 500万下
7/30 11 1:07.7 33.5 - 34.2 1600万下
8/5 11 1:07.3 33.2 - 34.1 1000万下
8/6 12 1:08.2 33.5 - 34.7 500万下
8/12 12 1:08.4 33.7 - 34.7 500万下
8/19 9 1:08.3 33.5 - 34.8 500万下
8/19 12 1:08.5 34.0 - 34.5 500万下
8/20 9 1:07.5 32.9 - 34.6 1000万下
8/20 11 1:07.5 32.8 - 34.7 GⅢ
8/26 12 1:08.4 33.4 - 35.0 500万下
8/27 10 1:07.8 33.0 - 34.8 1000万下

勝ちタイムの平均:1分07秒96

前半3Fの平均:33.42 後半3Fの平均:34.55

✳︎赤色は1.0秒以上の前傾ラップ

今開催の芝1200m戦では前後半3Fの差が1.0秒以上のハイペースでも差し決着にはならず、先行馬が前々で粘り込んでいるレースが目立ちます。ただ、26日(土)と27日(日)に行われた2つのレースでは1〜3着の内2頭が中団〜後方から差してきた馬が入線し、「外差し」の傾向がチラホラと顔を出して……。以下は26、27日の2レースの成績をまとめたものです。

 

26日(土) 3歳以上500万下 芝1200m

勝ち時計 着順 人気 馬 名 通過順位 上り
1:08.4 1 5 エイシンピカソ 12 - 8 34.1
2 10 ヒワラニ 6 - 6 34.5
33.4 - 35.0 3 4 クローディオ 16 - 13 33.6

27日(日) 別府特別 3歳以上1000万下 芝1200m

勝ち時計 着順 人気 馬 名 通過順位 上り
1:07.8 1 7 ワンアフター 11 - 8 34.2
2 10 アドマイヤスカイ 13 - 12 33.7
33.0 - 34.8 3 3 アイファープリティ 5 - 5 34.5

この2レースともに3〜4コーナーで中団から前へとポジションを押し上げた馬が1着、前で粘った先行馬と後方から差してきた馬が2、3着に入るという結果でした。ズブズブの差し決着というよりは勝ち馬の捲りで先行馬が苦しくなったこところを外から差してきた馬が届いたというレース。もし、この先週の結果を受けて今週のレースのオッズが外差しに振れるようなら、むしろ前残りに期待をしたくなりますね。

1分7秒台の決着がデフォルトのレース。昨年は少頭数ということもあって、前後半3Fが33.6 - 34.0と小倉の1200m戦としては緩いペースになりました。そのため、逃げたマルヨバクシンを鋭く差し込んだラインハートとプライズエターナルが1、2着。今年は頭数も18頭と揃ったので、33.0ソコソコの前半3Fからの上りのかかる決着を想定します。

 

9月2日(土)の小倉芝1200mは2鞍

9月2日(土)の小倉芝1200mのレースは以下の2鞍が組まれています。

9R   八幡特別 3歳以上500万下

11R 北九州短距離S 3歳以上1600万下 ハンデ

9Rの八幡特別は500万下クラス→1分8秒台、11Rの北九州記念は1600万下クラス→1分7秒台を勝ちタイムとして想定します。9R、11Rともに「ハナに立たなければ力を発揮でない」ピュアな逃げ馬が不在。前半3Fを緩めることなくしっかりと前傾ラップを作り、3〜4コーナーで捲られないように残り600〜400mの区間を11.5を切るラップが出せれば先行馬の好走も十分に。それでは張り切って予想していきましょう。

 

11R 北九州短距離S 3歳以上1600万下 ハンデ

ダイアナヘイローの勝った佐世保Sからここへ参戦する馬が18頭中8頭を占めるレース。前日時点で1番人気は別路線組のピンストライプ、2番人気は佐世保S2着のニシノラッシュとなっています。この2頭ともに逃げ馬の番手でレースを進めたい馬たちです。となると、このメンバーでどの馬が逃げるのかがキーポイントになりますね。

 

どの馬が逃げるのか?

先行馬がズラリと顔を揃え、どの馬が最終的にハナを切るのかは難解な1戦となりました。ハナの最有力はここ2走逃げられずに凡走しているラクアミ。3走前の水無月Sは直線に向くまでオヒアに競りかけられる厳しい流れをしっかりと粘っての3着と好走しました。時計の出やすい当時の阪神の馬場を考えても前半3Fを33.0で飛ばしたテンの速さは魅力で、スタートさえ決まれば競りかけてくるような馬はいないでしょう。アドマイヤナイトとピンストライプはインのポケットでもOKのタイプですから、外からラクアミがハナに立とうとしたときにかぶされるのを嫌がるニシノラッシュがどれだけ主張するのかが鍵になりますね。

スっとラクアミが先に出てしまえば、幸騎手のニシノは外番手へ切り替えるでしょう。先行馬も多く、3走前に前半33.0でラクアミ走らせた松山騎手もそれほどペースを緩めることのない逃げになりそうで、このレースのテンは33.0〜33.5の間におさまりそうです。先行馬が多いため、ゴールまで残り600〜400m区間のラップも緩みそうになく、ここで前へポジションを押し上げたい馬には苦しいペースになります。

 

◎ラクアミ 5歳牝馬

父:ダイワメジャー

母:レイズアンドコール(母父:サクラバクシオー)

厩舎:音無秀孝(栗東)

母レイズアンドコールはアイビスサマーダッシュ3着の実績があるスプリンターで、GⅠ朝日杯FS2着のモンドキャンノを出しています。サクラバクシンオーはしなやかさを伝えるので、ラクアミもゴリゴリとパワーで先行するというよりも、しなやかにストライドを伸ばす1400mベストのタイプ。1400mベストなので、小倉芝1200mであればハナに行ききってしまった方がベター。

今夏の小倉芝1200mはここにも出走するニシノラッシュもそうですが、サクラバクシンオーの血を引く馬が好走しています。これはサクラバクシンオーが下り坂をロスなく走れるPrincely Giftの血を引いているからで、しなやかなスピードが活きる時計の出やすい馬場というのもそれを後押ししているのでしょう。

1分7秒台前半のもち時計があるラクアミにとって、しっかりとペースを作って逃げることができればここでもチャンスは十分に。先行馬が牽制する形になって控えれば、この馬のペースで走ることができるため有利な展開に。先行馬が多いレースでこそ前から粘り込める馬を狙いたいので、この馬に◎を。

 

◯アドマイヤナイト 5歳牝馬

好位のインのポケットから抜け出せる馬で、今回も好枠をゲット。前走はスタートでやや出負けし、ポジションを取りに序盤から前へと押し上げていったものの、欲しいポジションよりも1列後ろの位置取りになってしまいました。直線ではジリジリとした伸びで、前が止まらない流れでは9着が精一杯という内容。

2走前の水無月SはGⅢ北九州記念でも上位人気に押されたファインニードルの2着と、速い流れを好位のインでレースができればしっかりと能力を発揮できるタイプです。牝馬ですからアタリの強い内田騎手から川須騎手への乗り替わりはプラス。スタートを決めることができれば有力な1頭。

 

以下は△候補として

前半のペースが速くてもしっかりと脚を使えるタイプをピックアップします。差し・追い込み馬は2、3着に1頭はくることもあるので、一応ケアをしておきたいですね。

△ニシノラッシュ

ラクアミが外からハナに立ったときにスムーズに外へ進路を切り替えられれば有力な1頭。

△メイショウブイダン

速いペースを追走してもしっかりと差し脚を使えるのがこの馬。小倉も得意なので、これだけ人気がないなら。

△ドラゴンストリート

前走は大外枠からなし崩し的に脚を使ってしまい大敗しました。ただ、着差は0.4秒と悲観するものではなく、内枠で脚をためられればチャンスも。

 

◎◯の馬連と◎と◯から△各馬への馬単を。

 

9R 八幡特別 3歳以上500万下

北九州短距離Sと同じように、このレースもピュアな逃げ馬が不在。まずはどの馬が逃げるのかを探すのが先決です。

 

どの馬が逃げるのか?

逃げ馬の最有力候補は4枠に入ったハルク。その前走は大外枠から2番手にすっと控え、直線でハナに立つと最後までしぶとい粘りを見せての4着。今回は楽にハナを取りきれるメンバーで、ここは前半3Fが34秒を切らない可能性も大。ペースが緩むと道中で前へとスムーズに追い上げる馬にもチャンスが生まれ、上りがかかるよりも瞬発力を活かしたい馬が上位にくることも……。先行馬が好くなときこそ差し・追い込み馬を狙いたいですね。

 

◎エスペランサリュウ 4歳牡馬

昨年の3着馬。長期休養明けの2走前は後方からソロっと脚を使い0.6秒差の10着と敗れたものの、内容としては及第点。前走の17着は直線で仕掛けようとしたところで、前を走っていた馬の故障の不利を受けたもので、ノーカウントでOK。加藤祥太騎手であれば、3〜4コーナーで一気に前へとポジションを押し上げるレースもできるはずで、これだけ人気がないのであれば突っ込みを期待したくなります。

不利を受けた前走を除けば、小倉は3着、5着、3着とソコソコの好走を見せており、最終週のここで復活のきっかけをつかみたいですね。

 

◎がかなりの人気薄なので、相手は差し・追い込み馬に絞って手広く。大外のラブローレル、同枠のマコトルーメンなどが来てくれたら嬉しいですね。残りはパドックの気配を見て買い目を決めます。

 

まとめ

小倉芝1200mも残りは土日のみになってしまいました。最終週はどんな結末が待っているのか、今から楽しみです。皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。