4歳以上の牝馬による重賞「GⅢ中山牝馬S」は小回りの中山競馬場で行われることから、3〜4コーナーでスピードを落とさず走れる馬に有利なコースです。
昨年は全兄トゥザグローリーとトゥザワールドと同じく中山巧者のトーセンビクトリーが1着、2着にRoberto的な捲り脚をもつハーツクライ産駒のマジックタイム、3着に小回り巧者のクイーズミラーグロが入り、いかにも中山芝1800mらしい決着となりました。
昨年はピッチ走法で捲れる馬ということで、予想は◎シャルール、◯クイーンズミラーグロ、▲トーセンビクトリーの印で外したのが懐かしい……。今年も3〜4コーナーをバキューンと捲れるピッチ走法の馬をピックアップしたいところです。
ピッチ走法の馬は?
今年の中山牝馬Sは小回りを捲るのに適したピッチ走法の馬がそれほど多くはありません。出走予定馬のなかで、ピッチ走法の馬は以下の通りです。
(✳︎小回り向きの馬でもピッチ走法の馬だけをピックアップします)
オートクレール
シャルール
トーセンビクトリー
(50音順)
う〜ん、昨年と同じ馬たちが上がりましたね。ここが引退レースとなるシャルールは小気味良いピッチ走法のため、小回りであれば重賞を勝てると思っていたのですが……。
昨年の勝ち馬のトーセンビクトリーは小回りや内回りコースであれば大きく崩れることのない力量馬ですから、斤量増を克服できるようならここも有力と言えます。
オートクレールはさすがにコーナー4つのコースに替わって大きくプラスとなるのかは不透明……先行馬のため外枠に入ったのも割引です。
昨年と同じような予想になる可能性も
小回りの中山芝コース適性を考えれば、上記の2頭は素直に有力です。シャルールは引退レースとなることからどこまで仕上げてくるのかは「?」が付くものの、ラッキーライラックなどの活躍によって好調のゾーンに入った松永幹夫厩舎の管理馬というのはプラスの要素ですし、トーセンビクトリーも昨年から3kg増の斤量を克服できるのならばチャンスも……。
小回り適性のある馬は?
それでは、明確なピッチ走法とは言えないながら、小回り適性のある馬はいるのでしょうか?
今年の中山牝馬Sの出走馬のなかから、ピックアップしてみます。
▼小回り適性の高い馬
エンジェルフェイス
ゲッカコウ
フロンテアクイーン
マキシマムドパリ
人気になるであろうマキシマムドパリは「小回り向き」というよりも、どのコースで走っても安定した成績を残せる馬で、それだけにワンパンチ足りないのが現状です。ここも大崩れはしなそうですが、勝ち切るまでは「?」が付きます。
フロンテアクイーンは直線の長い東京コースでも好走しているものの、本質的には小回り向きの差し馬。牝馬同士であれば重賞でも足りるので、惜敗にピリオドを打てるのかに注目ですね。
予想
トーセンビクトリーとエテルナミノルの重賞馬2頭が1枠に入ったこと、出走頭数が14頭と少ないことから、穴党にとっては厳しいレースになりましたね。
*エテルナミノルはエンパイアメーカー産駒なので、最内枠でスタート後手の展開が凡走パターンとなるでしょう。
このメンバーであれば、大外枠とは言えカワキタエンカがハナを切り、人気上位馬たちが先行ポジションを争う展開になるでしょう。愛知杯の再戦のようなメンバー構成ですから、4コーナー手前まではペースは落ちつき、スローになる公算が大きいレースです。3〜4コーナーにかけて小気味好いピッチでロスなく走れる馬をピックアップしましょう。
重馬場適性について
関東地方は木曜日からかなりの雨量があり、中山競馬場も前日時点で重馬場となっています。どこまで雨の影響が出るのかはわからないものの、このまま乾くのであれば極端な馬場悪化は避けられるのではないか、と考えています。
また、ピッチ走法の馬は基本的に重馬場を苦にしないので、その点はプラスですね。
◎シャルール 6歳牝馬
ここが引退レースとなるシャルールは、小回りの重賞であればいつでも◎にしてきた馬です。昨年の中山牝馬Sは出遅れたために9着と敗退していますが、先行しさえすればまだまだチャンスはあります。
前走の愛知杯は先行して流れに乗ると、ワンブレスアウェイと同着の6着に踏ん張りました。今走は直線の長い中京から小回りの中山へとコースが替わり、前走以上の走りが期待できます。
牝馬に乗る内田博幸騎手というのは不安なものの、カワキタエンカの2番手が取れる組み合わせだけに、3〜4コーナーでこの馬の器用さをフルに発揮できれば好走の可能性も十分です。
相手は上記の馬たち
シャルールの相手としては上記のピッチ走法+小回り適性の高い馬たちを拾います。人気のエテルナミノルは1枠に入ったことから、簡単に切れなくなってしまいましたね……。ただ、最内枠だとスタート後手の不安があるので、人気になるようならバッサリと消します。
無理にでも印を付けるとしたら、順番は以下の通りです。
◯トーセンビクトリー
▲エンジェルフェイス
△ゲッカコウ
△マキシマムドパリ
△フロンテアクイーン
△オートクレール
カワキタエンカとレイホーロマンス
カワキタエンカとレイホーロマンスは小回り適性の部分で?が付くので、このレースでは下げの評価を。ワンブレスアウェイもこの枠だとレースが難しくなりそうなので、人気になるならバッサリ切ります。
買い目
シャルールから人気の薄いエンジェルフェイスとゲッカコウについては3連複で。他の馬たちは人気なのでシャルールを1着に固定した馬単を。
3連複フォーメーション
1軸目:9
2軸目:7. 8
3軸目:7. 8. 2. 4. 6. 13
馬単
1着:9
2着:2. 7. 8. 4. 6. 13
この買い目であればプラスにできると思うので、ここはシャルールの先行押し切りに期待して。
まとめ
今年の中山牝馬Sもずんどば競馬としては◎がシャルールという……それだけこの馬のピッチ走法と小回り適性の高さを信じているということで……。
引退レース+内田博幸騎手ということで不安は大きいものの、適性に合った舞台に力のある馬が出走するわけですから、この人気なら頭から狙いたくなりますよね。
皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。