夏競馬が終わると、また「GⅠ」のシーズンがやってくる。気が付けば2019年も下半期。そして、「あっ!」と言う間にグランプリ・有馬記念(GⅠ・中山芝2500m)のファンファーレが聞こえてくるのだろう。
40歳を過ぎると、「時間の流れるスピード」と「老眼の進行するスピード」に翻弄というか、辟易とさせられるのだが、それ以上に心配なのが加齢による「モノ忘れ」の多さ……。
仕事やプライベートのスケジュールは手帳かスマホに書いたりメモしておかないとスコーンと忘れてしまうし、ときには「人の名前と顔」が一致しないのだから困ってしまう。
これまでは人の名前をひとたび覚えてしまえば、そうそう忘れることはなかったはずなのに、今では関係性の薄い人と久しぶりに会うと、「アレ? 誰だっけ?」と名前が出てこないこともしばしばある。
上記のように記憶力に不安があると、心配になるのはそう、競走馬の名前と過去のレース内容が一致するかどうか、またはGⅠの勝ち馬を忘れてしまうのではないという点だ。
今年の上半期のGⅠで、「アレ? どの馬が勝ったのだっけ?」とパッと名前が出てこなかったのはヴィクトリア・マイル(東京芝1600m)のノームコア。netkeibaのレース結果を見て「あ〜!」と思い出したくらいなのだから、かなり重度の忘れっぽさと言えるだろう。
さて、モノ忘れのひどさを痛感しつつも、その助けになるなと感じたのは「メモなどを残しておく」こと。とってもシンプルな方法なのだけれど、これがもっとも効果的なのだ。
そう考えると、そう、ブログに競馬のアレコレを書き連ねるのは、読み返すためのストックとして最適なのではと思った次第。今回は下半期のGⅠシリーズに向けて、上半期のGⅠで気になった「私的なポイント」をまとめてみる。
2019年上半期GⅠで気になったリスト
ザックリとまとめるためにリスト化しておく。よし! 張り切って書いてみよう!
・ノーザンF生産馬がほぼ独占
・ダートは非ノーザンF
・スプリントは非ノーザンF
・外国人騎手
う〜ん、ポイントを書いてみたら、もう今年のGⅠは「ノーザン一色」という状況(「今年も」がより正確な表現)。GⅠ勝ち馬と生産者の表を作成したら、いかにノーザンFのひとり勝ち状態なのかがわかるので、まずはそこから話を始めよう。
2019年、芝GⅠ(マイル以上)の勝ち馬
2019年の芝GⅠ(マイル以上)の勝ち馬は以下の通り。先にも述べたように、ダートとスプリント路線は「まだ」非ノーザンFでもOKなレースなので、今回は除外とした。
▼2019年の芝GⅠ(マイル以上)勝ち馬
大阪杯:アルアイン(ノーザンF)
桜花賞:グランアレグリア(ノーザンF)
皐月賞:サートゥルナーリア(ノーザンF)
天皇賞・春:フィエールマン(ノーザンF)
NHKマイルC:アドマイヤマーズ(ノーザンF)
ヴィクトリアマイル:ノームコア(ノーザンF)
オークス:ラヴズオンリーユー(ノーザンF)
ダービー:ロジャーバローズ(飛野牧場)
安田記念:インディチャンプ(ノーザンF)
宝塚記念:リスグラシュー(ノーザンF)
「ダービーのロジャーバローズのおかげで、ノーザンFによるマイル以上の芝GⅠパーフェクト制覇を阻止できた!」とバンザイする人がいるかもしれないが、セレクトセール出身のロジャーバローズはノーザンFの育成馬。
これだけの結果を目の当たりにすると、馬単・3連単など着順固定の馬券を買う人は、ダートとスプリントを除くGⅠでノーザンF生産馬(あるいは育成馬)を1着にマークするのがベストだとわかるだろう。
では、「GⅠでノーザンF生産(育成)馬を買っておけば馬券も当たるし儲かるのでは?」と思う人もいるかもしれない。ただ、それはオススメできない。その理由は以下の通り。
【理由】
・ノーザンF生産馬は人気になる
・ノーザンF生産馬はソコソコの頭数が出走
これだけの実績があるのだから、ノーザンF生産馬というだけで上位の人気になってしまう。また、1レースにソコソコの頭数が出走すると、自然と買い目が多くなり収支をプラスにできるかが微妙……。
ノーザンF生産馬と正しく付き合うには
芝GⅠ(マイル以上の距離)において、ノーザンF生産馬を無視するのはナンセンスだが、そればかりに囚われすぎるのもプラスとは言えない。そう、私たちは「ノーザンFと正しく付き合う」ことを身につけることが大切なのだ。
ノーザンFと正しく付き合うにはどうすればよいのだろうか? その方法としては以下の点が考えられるよう。
【方法】
・ノーザンFのなかでの順位付け
・ノーザンFを買うなら馬単か3連単
ノーザンFのなかでの順位付け
ノーザンFの馬を闇雲に買っていては馬券の点数も多くなり、プラスにすることが難しくなる。そのため、まずはノーザンFの出走馬のなかで順位をつけることが大切となる。
「この馬はノーザンF的に上位の扱いなのだな」とわかれば、馬券の組み立てもしやすくなるからだ。それでは、順位をつけるのにはどうすれば良いのだろうか?
騎手の配置
ノーザンFはC・ルメール、または短期免許で来日する外国人騎手を積極的に起用することで有名。コロコロと騎手が替わるので、ファンの間では不満に思う人も少なくはないものの、「騎手の配置=ノーザンF内での順位」となるのだから、馬券という意味ではありがたい話だと言える。
ノーザンF的な騎手の順位は以下の通り
1. C・ルメール
2. 短期免許の外人騎手(✳︎)
3. 北村友一 or 石橋脩
✳︎現在はD・レーンとO・マーフィー、J・モレイラ、R・ムーアなど
2019年の上半期、M・デムーロ騎手はノーザンF生産馬でGⅠを2勝しているが、あくまでもC・ルメール騎手の代役という扱い。
例えば、今春のダービーにおいて、1人気のサートゥルナーリアは騎乗停止となったルメール騎手からレーン騎手へと乗り替わった。このことから、ノーザンFはデムーロ騎手離れを遂行しつつあるのだ。
もちろん、「ノーザンF+C・ルメール騎手」だからすべて馬券内に来るというわけではないとは言え、かなりの高確率であることは間違いなし!
また、騎手配置を考えるだけでも馬券力は向上するので、GⅠを予想する際にはひとつのファクターとして心に留めておくのがベター。
非ノーザンFは芝スプリントとダート
ノーザンFの独占とはならない路線はスプリント(芝1200m)とダートのふたつ。秋のGⅠシリーズでは、スプリンターズS(中山芝1200m)とチャンピオンズC(中京ダート1800m)の2レースがソレに当たる。
この2レースについては「ノーザンF生産馬うんぬん」を考えなくてOKなので、思い切って予想ができる。今春の高松宮記念のように、3連単が約450万円の高配当となることもあるから、大きな馬券を当てたい人はスプリント or ダートがオススメだ。
まとめ
2019年下半期のGⅠが始まる前のメモとして書き起こしたつもりが、思いの外「ノーザンF、ノーザンF、ノーザンF」な記事になってしまった。
まぁ、それだけ現在のJRAはノーザンFの影響が大きいことを物語っている。有馬記念までのGⅠシリーズはどのような結末を迎えるのか、今から楽しみで仕方ない。