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函館記念('17年)はルミナスウォリアーと柴山騎手の素晴らしい捲りが観れたレースにーー回顧

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サマー2000シリーズの第2戦「GⅢ函館記念」は午前中から降り始めた雨の影響を受け、重馬場でのレースとなりました。

混戦のレースを勝ち切ったのは、3コーナー過ぎから外目を捲った5番人気のルミナスウォリアー。3〜4コーナーにかけて柴山騎手が促してスピードを上げ、直線早々に先頭に立つと2番手争いを尻目に余力十分に見える快勝。2着にはインのポケットから直線馬場の真ん中を伸びた14番人気のタマモベストプレイ、3着には最後までしぶとく粘り込んだ7番人気のヤマカツライデンが入り、3連単は90万円を超える大波乱の決着になりました。

 

◎ダンツプリウスは14着

スタートはソコソコで丸山騎手がインのポケットを取りに出して行くのかと思いきや、外から先行馬が内に切れ込んできたところで、ポジションを下げてしまい、1コーナーを回るときにはほぼ最後方からの追走。

少なくとも2着に入ったタマモベストプレイの位置が欲しかっただけに、スタートしてポジションを下げた時点でダンツプリウスの好走はもう考えられませんでした。

そんなこんなで、マイネルミラノがヤマカツライデンを突つけずに好位で大人しくしていたのも、アングライフェンとルミナスウォリアーが抜群の手応えで3〜4コーナーを回ってきたのも、直線でタマモベストプレイが外から伸びてきても、ゴール前でアングライフェンを差し返したヤマカツライデンの頑張りにも落ち着いた気持ちで観ることに。

GⅢ函館記念('17年)は◯マイネルミラノのペースメイクに乗るダンツプリウスに◎ - ずんどば競馬

 

◯マイネルミラノ11着

好スタートから丹内騎手が気合をつけてポジションを取りに行くところを、外からヤマカツライデンとタマモベストプレイが内に切れ込み、さらに外からパリカラノテガミがかかり気味に先行する展開になったことで、マイネルミラノは4番手の外で折り合いに専念。

ヤマカツライデンの作ったペースはこの馬場で前後半の1000mが60.6 - 60.6のイーブンですから、マイネルミラノにとっても突つきにくい流れになりました。3コーナーからパリカラノテガミを外から交わして2番手に上がったミラノは、いつものこの馬のレースの形を見せはしたものの、スピードを削がれスタミナを問われる馬場ではそこまでが精一杯という内容の11着。

スピードよりもスタミナが問われる馬場になり、2着タマモベストプレイも3着ヤマカツライデンもバテずにジリジリと脚を伸ばしたというなかでの好走ですから、58kgを背負ってこの馬場だとマイネルミラノはどうすることもできない完敗だったと言えます。

 

1着:ルミナスウォリアー

6歳にして嬉しい初重賞制覇となりました。前走の金鯱賞5着や前々走のAJCC4着、そして4走前の新潟記念の5着の内容からも、「コースや流れやペースを問わずにソコソコの走りを見せる」のがルミナスウォリアーの最大の長所です。今回の函館記念をアッサリと勝ち切ったのは、コースや馬場以上にGⅡで好走を続けていたルミナスウォリアーの地力がここでは一枚上だったからでしょう。

逃げたヤマカツライデン、インのポケットで進めたタマモベストプレイがスタミナを活かして粘る展開を外から鮮やかに捲り切ったのは、能力だけではなくて馬場のアシストもあったとは言え、ここまでの完勝劇を見せつけられると素直に「強いな〜」という内容。

函館はまだまだ好タイムの決着になる想定だったために、外枠で中団より後ろに構えるだろうルミナスウォリアーにとっては脚をなし崩し的に使わされて苦しくなるかなと考えたのですが、重馬場のイープンペースで馬群がばらけていなかったのは、捲り脚のあるこの馬には最適な流れになったことは確かです。また、3〜4コーナーでペースが上がらなかったために、外に大きく膨れることなく加速できたのもこの馬にはプラスだったと思います。

 

2着:タマモベストプレイ

どれだけ積極的に出して行ってもかかることのない馬で、だからこそ主戦の吉田隼人騎手は好位のインというベストポジションを取り切ることができました。

4コーナー手前から置かれ気味になったものの直線で差してこれたのは、周りの馬がこの馬場でスタミナを失っていたところをバテずに我慢できたから。3着にヤマカツライデンが入線していることからもかなりスタミナの問われた馬場と展開だったと考えられます。

終わってみれば、昨年のOP丹頂S(札幌芝2600m)でワンツーを決めた馬の2、3着となり、今年の函館記念は2600mもこなせる馬が好走する質のレースになったと言えるでしょう。

ストライドで走るタマモベストプレイはコーナーで置かれてしまったように、本質的には小回りコースは不向きで、今回はポジションを取り切った吉田隼騎手の好判断と結果としてスタミナ寄りのレースになったことが好走した要因です。

 

3着:ヤマカツライデン

シンボリクリスエス産駒らしい胴の長い馬体で、もちろんRoberto的なスタミナとパワーを備えた馬ではあるものの、小回りで好走するイメージがまったく湧かなかった1頭です。

外枠からしっかりと先手を取り切って完全なイーブンペースの競馬にもち込み、小回りコース特有のコーナーでの加速が問われない重馬場を活かして、もち前のスタミナをフルに絞り出したゴール前はいかにもステイヤーという走りでした。

2着にタマモベストプレイが入っていることからも、実質的には2000mよりも長い距離で好走している馬が上位に入線しており、今回はそういう馬場と展開だったのでしょう。

 

4着:アングライフェン

北村友騎手の今回の騎乗はほぼ完璧でした。マイネルミラノが3コーナーからペースを上げたときにワンテンポ溜めたのも、外からルミナスウォリアーに合わせて4コーナー手前から仕掛けたのも素晴らしいの一言。小回り向きのピッチ走法なので、4コーナー手前から直線に向いて一瞬抜け出しかかりましたが、そこからの脚色が鈍り……。コーナーでの立ち回りがこの馬の最大の武器ですから、今日はそこで他の馬に対して大きなアドバンテージをとれる馬場とペースでなかったということでしょう。

ルミナスウォリアーから引き離され、ヤマカツライデンに差し返されたのは、いかにもピッチ走法のこの馬らしくて愛しくなりますね。

この後はどのレースを選択するのかは楽しみになりました。個人的には函館よりもコーナー距離の長い札幌コースはこの馬に合うので、札幌日経OPに出てきたら面白いですね。

 

6着:サトノアレス

母父デインヒルの影響が出たディープインパクト産駒なので、今回のような馬場もOKでした。もうワンポジション前、ケイティープライドの位置が取れていたらもう少しは……という走り。

前にいたパリカラノテガミとタマモベストプレイの手応えを見て、ルメール騎手がケイティープライドの外に出したのは致し方なしで、タマモが伸びると信じて内へ入っていたら掲示板はあったかなという内容だったと思います。

小回りを器用に走れるタイプですから、ルメール騎手が4コーナー手前までインコースをぴったりと回ってきたのは納得で、2000mの距離が長いから負けたという走りではありませんでした。力は出し切れた敗戦ですし、道中で気の悪さやスムーズさを欠くようなシーンがなかったことからも、次につながるレースだったと言えますね。

 

15着:ステイインシアトル

武豊騎手としては、レース前に描いていた通りの流れにはなったと思います。スピードとコーナーの器用さで勝負するタイプですから、平均ペースにコントロールされての好位の外目追走、そしてスピードの出ない重馬場を考えるとかなり苦しいレースになってしまいましたね。

今回のレースで大きなダメージがなければ、小倉記念はチャンスがあると思うので、次走での巻き返しに期待をしたいところです。

池江寿厩舎は今週、福島と函館で管理馬を出走させたものの、単勝1倍台のサトノシャークは3着を確保できず、人気上位のステイインシアトルは大敗をしてしまいました。この厩舎は夏のローカル開催だと札幌・中京・小倉コース以外ではなかなか好走できないのもポイントです。

池江寿厩舎は夏のローカル開催に強いのか?ーー函館記念('17年)に出走するステイインシアトルの展望として - ずんどば競馬

 

出して行く勇気

1着になったルミナスウォリアーは1頭だけ外目を捲ってきましたが、終わってみれば前々で流れに乗りインコースを立ち回った馬が上位にきた今年の函館記念。

重馬場になったことで、マイネルミラノよりも内の騎手たちは積極的に出して行く競馬をしませんでした。速い上りが使えない馬場コンディションを見越して、押して出して行ったヤマカツライデンの池添騎手とタマモベストプレイの吉田隼騎手の勇気は素晴らしく、内枠の各馬が出して行かなかったことで外枠も大きな不利とはならないレースになりました。

ダンツプリウスの丸山騎手としてはマイネルミラノの先行力を信用して押して押してという競馬をしなかったのでしょうが、結果としてはミラノのハナを叩くくらいの気持ちで出して行かなければ今日の馬場とペースではノーチャンスだったでしょう。

 

まとめ

柴山騎手はルミナスウォリアーのストライドを活かすように、コースロスを承知で外を回しました。平均ペースと重馬場だったことが幸いして、ルミナスウォリアーの捲りに合わせて仕掛けたのがアングライフェンだけ。そのため、大きなコースロスもなく直線に向くことができたルミナスウォリアーに展開が向いたことは確かです。とは言え、外から他馬をねじ伏せて勝つのは能力がないと難しく、今回のルミナスウォリアーの勝利はフロックでないこともまた確かなのだと言えます。

柴山騎手とルミナスウォリアーの素晴らしい捲りが観れた今年の函館記念。皆様にとってはどんなレースになったでしょうか?

 

以上、お読みいただきありがとうございました。