皐月賞(2018年)は高速馬場か重馬場かが読めないのなら、その2パターンを想定しての買い目を!ーー予想

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3歳牡馬クラシックの第1冠・皐月賞は、圧倒的な1人気が想定されたダノンプレミアムが回避したこと、レース当日に降雨の予報が出ていることなどから、混戦ムードとなっています。

1、2人気を分け合うワグネリアンが1枠、ステルヴィオが8枠に入ったこと、そして、池江寿厩舎の管理するキタノコマンドールがM・デムーロ騎手で参戦することもレースの予想を難しくしている一因です。

この混戦の中、皐月賞の栄冠を手にするのはどの馬なのでしょうか?

 

3歳クラシックとノーザンファーム

3歳のクラシック・レースは生産者や調教師、騎手にとって特別な舞台。生産者は牡馬が産まれればダービー、牝馬であればオークスを夢見ると言われるように、競馬にたずさわる多くの人が目指すレースこそ、「3歳クラシック」なのです。

そして、クラシック・レースで好成績を上げているのが、日本最大の馬産グループ「ノーザンファーム」。昨年のダービーと今年の桜花賞で1〜3着を独占しているように、この生産牧場を抜きにしてクラシックを語ることはできません。

 

ノーザンファームは馬場によっては勝てないことも……

今年の桜花賞は1着アーモンドアイ、2着ラッキーライラック、3着リリーノーブルと上位をノーザンファーム生産馬が独占しました。3歳クラシック路線で圧倒的な強さを誇る日本NO.1の生産牧場であっても、レースによっては取りこぼすこともあります。

まずは、昨年の牝馬3冠と牡馬3冠のレースをおさらいしましょう。

2018年3歳クラシック

桜花賞(稍重)

1着レーヌミノル:フジワラファーム

2着リスグラシュー:ノーザンファーム 

3着ソウルスターリング:社台ファーム

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皐月賞(良)

1着アルアイン:ノーザンファーム

2着ペルシアンナイト:追分ファーム

3着ダンビュライト:ノーザンファーム

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オークス(良)

1着ソウルスターリング:社台ファーム

2着モズカッチャン:目黒牧場

3着アドマイヤミヤビ:ノーザンファーム 

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ダービー(良)

1着レイデオロ:ノーザンファーム 

2着スワーヴリチャード:ノーザンファーム 

3着アドミラブル:ノーザンファーム 

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秋華賞(重)

1着ディアドラ:ノーザンファーム

2着リスグラシュー:ノーザンファーム

3着モズカッチャン:目黒牧場

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菊花賞(不良)

1着キセキ:下河辺牧場

2着クリンチャー:平山牧場

3着ポポカテペトル:ノーザンファーム

レース名の後ろには馬場状態を書き入れました。非社台系ファームの馬が勝ったのは稍重馬場の桜花賞と不良馬場だった菊花賞の2レース。また、菊花賞だけは社台系の馬が馬券圏内に1頭しか入れませんでした。

つまり、ノーザンファーム生産馬が取りこぼすとしたら、馬場が重くなったときに限られます。ということは、今年の桜花賞のように良馬場でレースが行われれば、ノーザンファーム生産馬が上位を占める可能性は高くなるのです。

 

皐月賞の馬場が悪化したときは

もし、今年の皐月賞が良馬場ではないコンディションで行われるなら、以下の2つのパターンが考えられます。

1. 非社台系生産馬の勝利

2. 社台系生産馬が1頭だけ3着以内

今年の皐月賞はノーザンファームを中心とした社台系ファームの生産馬が上位人気に推されているため、重馬場になるようだと「あっ!」と驚く波乱が起こるかもしれませんね。

 

ノーザンファーム生産馬をチェックしよう!

まずはノーザンファーム生産馬からチェックしていきましょう。クラシックであれば、馬場を問わずに少なくとも1頭は馬券圏内に入るのですから、ここで当たりを引けるかどうかが予想のポイントです。

ワグネリアン

キタノコマンドール

オウケンムーン

グレイル

ステルヴィオ

ジュンヴァルロ

(内枠から降順)

桜花賞と同じく1〜3人気までがノーザンファーム生産馬。それぞれの馬についての解説は以下の記事に書いてあるので、よければそちらをご覧下さい。

 

ワグネリアンとステルヴィオの2頭について

レースに向けての「準備」がもっとも整っているのは1人気に推されているワグネリアンです。ダービーをマカヒキで制している友道調教師は、クラシックの経験も豊富ですし、大きな不安がありません。

2番手はC・ルメール騎手を確保したステルヴィオ。木村哲也厩舎はノーザンファームとのつながりが強く、ソロソロGⅠを勝ってもおかしくない実力があります。ローテーションも問題なく、後は「馬個体の能力がどうなのか?」だけです。

さて、このノーザンファーム生産馬の2頭は、厩舎も騎手もローテーションも問題がないにもかかわらず、グリグリの人気に推されているわけではありません。それはどうしてなのでしょうか?

ワグネリアンとステルヴィオは中山コースが不向き

この2頭は父譲りのしなやかなフットワークで走るため、小回りよりも直線の長いコースがベスト。本質的に中山コース向きではなく、「小回りだと差し届かないのでは?」と不安視されている点で、それほどグリグリの人気にはなっていないのでしょう。

前日時点での単勝オッズは(18時時点)ーー

ワグネリアン:3.4

ステルヴィオ:4.6

馬個体の能力を抜きにすれば、もっとも好走率の高い2頭ですから、このオッズであれば無理に嫌う必要はありません。3連単で高配当を狙うなら、この2頭の内のどちらかを「2、3着付け」で買うのも面白そうですね。

 

高速馬場はこの2頭に追い風!

土曜日の9Rに行われた3歳500万下の山藤賞(芝1800m)は、ディープインパクト産駒のフィエールマンが大外をバキューンと差し切っての勝利。このレースからも、現在の中山芝はディープ産駒向きの高速馬場になっていることは確かです。

2014年の馬場改造以降、皐月賞はディープインパクト産駒が好走できるレースに変わってきており、ワグネリアンにとってはこのままのコンディションが望ましいのですが……。土曜日の夜からの降雨の影響が心配されます。

 

ノーザンファーム生産馬で1着になれるのは?

ワグネリアンとステルヴィオを除くと、ノーザンファーム生産馬のなかで「1着」の可能性があるのは、キタノコマンドールとオウケンムーンの2頭。

キタノは「池江寿厩舎+M・デムーロ騎手」と無視のできないコンビです。ただ、クラシックレースでの乗り替わりはマイナス。とは言え、ミルコ騎手はテン乗りのドゥラメンテで皐月賞を勝っているだけに、う〜ん……。

オウケンムーンは「国枝栄厩舎+北村宏司騎手」の組み合わせで、勝ち切るにはワンパンチ足りない印象も。マイナス点としては3歳牡馬クラシックでは国枝厩舎が好結果を出していないことでしょうか。

 

予想

重馬場になるかどうかでレースの展開も変わりますし、前日時点でアテになるのはレースへの準備の点だけです。また、馬場が悪化するとジャンダルムやサンリヴァルなどの非社台系の馬にもチャンスが出てくるので、今回は馬場に合わせて2パターンの買い目を用意します。そのため、「◎◯▲」の印は付けません。

 

良馬場 or 稍重でも標準な時計の場合

1着候補はノーザンファーム生産馬からで、選択肢は以下の4頭です。

ワグネリアン

ステルヴィオ

オウケンムーン

キタノコマンドール

ここからは私的な好みの問題で、テン乗りのキタノコマンドールはバッサリと切ります。残る3頭は積極的に切る理由はないものの、これだと買い目が多くなり過ぎるので、何とか1〜2頭に絞りたいですね。

オウケンムーンはどうしても……どうしても牡馬クラシックの国枝厩舎という点が引っかかります。となると、1、2人気の2頭が残ってしまう……。悩ましいですが、中山コースが不向きなワグネリアンもステルヴィオも単勝オッズが売れてないので、ここは腹を括ってこの2頭をピック。

 

2、3着候補は?

まずは、ノーザンファーム生産の残りの4頭について。キタノコマンドールは1着かパーかでしょうし、ここも外します。グレイルオウケンムーンはどちらも2、3着なら……。ジュンヴァルロは3着にだけマークします。

非社台系としては、単純に厩舎と騎手のコンビで選びます。候補は以下の3頭です。

ジャンダルム

サンリヴァル

エポカドーロ

ダブルシャープ

「池江寿厩舎+武豊騎手」のジャンダルムは外せません。この馬は昨年のファンディーナのようにレース展開のカギを握る馬ですし、2、3着にマーク。

サンリヴァルは「藤岡健一厩舎+藤岡佑介騎手」の組み合わせで、2、3着なら十分に可能性がある馬。デビューから皐月賞に絞ったローテーションなので、これは怖いですね。

エポカドーロは「藤原英昭厩舎+戸崎圭太騎手」のコンビ。厩舎は絶好調なものの、騎手は絶不調です。1800m→2000mの距離延長でさらにパフォーマンスが上がるとも思えないので、バッサリと切る方向で。

ダブルシャープは2歳時に重賞を好走した経験もありますし、3着候補なら十分。和田騎手に期待ということで。

 

その他の馬について

ジェネラーレウーノはDanzigのクロスがうるさく、3歳の春からさらに成長するイメージが湧かないので、ソコソコの人気になるなら切ります。

タイムフライヤーは芝のGⅠで内田騎手を買うとしたら、重馬場になったとき以外にないので、ここでは……。

 

買い目

ワグネリアンとステルヴィオが1⇔2着だと、どうしてもオッズが厳しくなるので、その買い目は外します。人気馬を買うので、ここは3連単のみで。

 

3連単

1着:2. 15

2着:3. 9. 12. 14

3着:3. 9. 12. 14. 16. 13

 

タフな重馬場になった場合

非社台系の馬が1着になることが多いので、そのなかで重馬場がずんどばな「RobertoとDanzig」もちをピックアップします。

 

1着候補

非社台系のなかで、厩舎と騎手と血統がバッチリとハマっているのはーー

ジャンダルム

1着に買うのはこのRoberto&Danzigもちの馬しかいません。ここはスッキリと決まりますね。

 

2、3着候補は?

重馬場になってもノーザンファーム生産馬は少なくとも1頭が馬券圏内に入るので、Roberto&Danzigもちをピックします。

グレイル

この1頭だけだとさすがに不安なので、オウケンムーンも保険で……。

上でも上げたサンリヴァルは重馬場もOKですし、これはピック。後はステイゴールド産駒でRobertoもちのマイネルファンロンとベーカバド産駒のダブルシャープを。

3着候補としてはコッテコテの欧州血統のジュンヴァルロはマークしておきます。

 

買い目

ここは高配当が欲しいので、腹を括って3連単を。ソロソロ帯が欲しいです。

 

3連単

1着:3

2着:12. 9. 14. 11. 13

3着:12. 9. 14. 11. 13. 16

 

まとめ

皐月賞に出走する馬たちには、回避したダノンプレミアムを脅かすようなハイパフォーマンスを期待しています。

ワグネリアンやステルヴィオの上位馬が好走するのか?

それとも、重馬場であっと驚く人気薄の好走があるのか?

今からレースが楽しみですね。

以上、お読みいただきありがとうございました。