ダートの名繁殖の血が騒ぐアンタレスS(2017年)予想ーーグレンツェントを負かすのは?

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ユニコーンS3着、レパードS1着と昨年の3歳ダート路線の主要な重賞で好走したグレンツェントアンタレスS(GⅢ)に出走します。年明け初戦となった東海S、重賞としてはかなりスローなペースを直線で差し切った脚からも、他馬とは力が違ったという内容での勝利でした。

ハイレベルと呼ばれる明け4歳のダート路線の馬たちは、すでに多くのオープン馬を出しています。GⅠフェブラリーSを制したゴールドドリームとともにこの世代を引っ張ってきたのがグレンツェンで、アンタレスSも人気の中心になるのは間違いないでしょう。

グレンツェントを破る、あるいは脅かす馬がいるのか? それがアンタレスSの見所の一つです。

 

ダートの名繁殖の仔が出走

グレンツェントのような実力馬を破るためにはダート適性が高く、未知の魅力がある馬に期待したいところです。未知の魅力ということで言えば、次の2つが挙げられます。

 

1. 芝→ダート替わりなど、伸びしろのある馬

2. まだ底を見せていない成長著しい4歳馬

 

アンタレスSに出走する未知の魅力を秘めた2頭、タガノエスプレッソとナムラアラシはダートの名繁殖タガノレヴェントンとナムラシゲコの仔どもで、それぞれ確かなダート適性を受け継いでいます。

 

タガノエスプレッソ 5歳牡馬

父:ブラックタイド

母:タガノレヴェントン(母父:キングカメハメハ

母タガノレヴェントンの初仔タガノトネール(父:ケイムホーム)は昨年の武蔵野Sゴールドドリーム、カフジテイク、モーニンらを破った実力馬。その弟にあたるタガノエスプレッソは父がブラックタイドに替わり、2歳時には芝の重賞デイリー杯2歳Sを制し、クラシック路線に駒を進めます。 皐月賞、ダービー、菊花賞と3冠を完走したものの、芝のオープンレースではなかなか好結果を残せず、昨年末のファイナルSでダートに路線を転校すると12番人気の低評価を覆す快勝を見せました。

タガノレヴェントンはトネール、エスプレッソ、そしてタガノヴェローナ(現3歳牝馬、父:クロフネ)と3頭の仔が全て勝ち上がる名繁殖牝馬タガノエスプレッソもダートの適性が高く、アンタレスSで重賞2勝目を目指します。

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ナムラアラシ 4歳牡馬

父:エンパイアメーカー

母:ナムラシゲコ(母父:エンドスイープ)

半兄のナムラビクター(父:ゼンノロブロイ)はGⅢアンタレスSを制覇し、GⅠチャンピオンズマイルC2着の実績をもつ活躍馬でした。母のナムラシゲコはダートで活躍馬を輩出する名繁殖牝馬で、仔の多くは奥手の傾向にあります。

ナムラアラシは父がエンパイアメーカーに替わり、重厚感のある馬体でパワー捲りを得意としたナムラビクターよりもややしなやかさのあるタイプ。陣営が3歳時に芝のオープン競走「すみれS」を走らせたのも納得で、まだ少し緩さを感じさせる馬体に重厚感が加わればよりダートへの適性が高まりそうです。

半兄のナムラビクターと同じように、阪神>京都と坂のあるコースの方が力を発揮でき、しなやかなストライドからも直線の長いコースもOK。将来的にはアンタレスSシリウスSでバリバリ好走するような馬に完成すると思います。

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アンタレスSの予想

58kgの斤量を背負うことになっても1番人気はグレンツェントになるでしょう。3歳時に見せた高いパフォーマンスと、年明け初戦の東海Sを快勝していることからも大きな死角は見当たりません。もともとアンタレスSは上位人気の馬が強いレースなので、3着内を外す可能性は…

ただ、先週の桜花賞で圧倒的な1番人気に支持されたソウルスターリングが3着に敗れたように「競馬に絶対はない」のですから、グレンツェントを負かせる可能性のある馬を探します。

 

展開

最内枠のマイネルバイカ、前走は先行できなかったマイネルクロップの2頭に、モンドクラッセショウナンアポロンと逃げ・先行勢が揃いました。テンのスピードを活かしてモンドクラッセがハナを主張しそうですが、マイネルバイカとモンドクラッセのどちらが譲るのかは難しいところです。

阪神1800mは2度直線の坂を上るため、1角までに先行争いの決着がつけばそれほどペースが速くなることはありません。3角過ぎから少しずつペースが上がり、直線の勝負へ。逃げ・先行勢、または捲る馬に展開が向きそうです。

 

タガノエスプレッソ

前走のすばるSは3人気に支持されながら14着と大敗。アンタレスS外厩でリフレッシュをしての休み明け初戦となります。今走がダート3戦目とまだ伸びしろのある馬で、血統的にダートの適性は抜群。母タガノレヴェントンはキングカメハメ×トニービン×Nureyevという血統構成ですから、直線の長いコースに向く仔を輩出します。そこにブラックタイドが掛けられたタガノエスプレッソは本質的には先行してパワーを振り絞るのがベスト。

今走は内枠に先行馬が集まり、外目をスムーズに追走できることからも積極的な捲りでグレンツェントよりも先に抜け出せればぎりぎり凌げるのではないかとの読みで。

 

グレンツェント

グレンツェントは実績的には申し分のない馬ですが、不安な点は3つあります。

 

1. 58kgの斤量

2. ペースが流れすぎると末脚が鈍る

3. ルメール騎手が馬群を割るレースにこだわると…

 

斤量に関しては他馬よりも1kg以上重くなるので、単純にその分だけ不利になります。それよりも問題はペースです。グレンツェントは直線の長い東京に良績がありますが、本質は中山などの小回りを捲るのが得意な馬。そのため、3走前のみやこSのように持続戦になると末脚が鈍るおそれがあります。今走は先行馬が揃ったもののスローの流れになると予想しますが、もしハイペースになると…

また、ルメール騎手は馬群を割るレースを好むので、巧く捌けずに差し損ねることも頭に入れておきたいのでこの印にしました。

 

マイネルクロップ

前回は中団からの競馬になってしまったのでノーカウントでOK。今回は前走のことを踏まえてかなり積極的に位置を取りに行くはずで、鞍上が松若騎手であればモンドラッセのハナを叩くことも想定したいところです。

揉まれずにスムーズな競馬ができればしぶとい馬で、直線に坂のあるコースも向きます。この人気であれば手を出してみたくなりますね。

 

△の印は以下

アスカノロマン

ストライドで走る馬なので、外枠は歓迎。

マイネルバイカ

インのポケットに入れそうで、前々での粘り込みに期待。

△タムロミラクル

揉まれない外枠は歓迎で、福永騎手なので3着候補に。

△モンドクラッセ

逃げたときの前粘り要員として

 

ナムラアラシについて

ナムラアラシはまだ馬体に緩さが残っているため、ポンとスタートを切れません。将来的には先行馬に完成するはずで、初重賞で追い込みの競馬はさすがに厳しい…

ダート路線はオープンの壁があるので、オープン初戦は割り引きたいですね。

 

買い目

タガノエスプレッソは1着かパーかのタイプなので、馬単で。

 

馬単

12 → 6. 9. 13. 1. 15. 7

 

グレンツェントはオッズが厳しくなりそうなので、3連単で。

 

3連単

1着:6

2着:9.

3着:12. 13. 1. 15. 17

 

マイネルクロップは人気がないので馬連

 

馬連

9. ⇔ 12. 6. 13. 1. 15. 7

 

 まとめ

東海Sのように、グレンツェントが勝ってもヒモ荒れで高配当も考えられるメンバー構成なので、タガノエスプレッソマイネルクロップ、タムロミラクルの人気の薄い馬に期待したいアンタレスS

 

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。