3歳限定のダート重賞「レパードS(GⅢ)」は8月5日(日)、新潟の1800mを舞台に行われます。過去にはトランセンドやホッコータルマエなど後のGⅠ馬を輩出した出世レース。今後のダート路線の主役を張る馬を占う意味でも目の離せない1戦です。
レパードSが波乱となるのはレアケース
レパードSは3歳ダート路線を歩むトップレベル馬が集まる1戦だけあって、2009年にレースが創設されてからここまでハイレベルな争いになることがほとんどです。そのため、人気上位の馬がすんなりと力を発揮し、大きな波乱となるのはレアケースでした。
ただ、海外遠征帰りのエピカリスがグリグリの1人気に推された昨年は、1着に11人気のローズプリンスダム→2着に12人気のサルサディオーネが入線し、馬連が95,320円という高配当に!
今年は昨年と同じく大きな波乱となるのか、それとも例年通りに平穏な決着になるのか、今からレースが楽しみですね。
レパードSの血統的なポイント
過去9年間、3着以内に入線した27頭の内、血統として目立つのは、Seattle Slew、Nureyev、Deputy Ministerの3種牡馬。この内、Nureyevはさまざまな系統に分岐しているため、どのラインを経由しているのかも重要となります。
Seattle Slew
Seattle Slewはダート馬としてはしなやかなストライドを伝え、A. P. Indyを通して直線の長い東京ダートで幅を利かせている種牡馬です。また、雨が降って時計の速くなるダートも得意としており、スピードを求められる馬場に強いのも特徴と言えるでしょう。
▼過去9年のSeattle Slewもち
2017年
1着:ローズプリンスダム
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2016年
3着:レガーロ
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2013年
1着:インカンテーション
2着:サトノプリンシパル
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2012年
3着:イジゲン
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2011年
2着:タカオノボル
3着:タナトス
新潟のダートコースは東京、中京に次いで直線が長いため、ストライド走法の馬がソコソコ好走する舞台。ただ、コーナーがきつく逃げ・先行馬が有利なこともあり、ストライドで差す馬にはやや不利な条件とも言えます。そのため、Seattle Slewもちでも逃げ・先行馬を積極的にピックアップしたいところです。
今年の出走予定馬
今年の出走予定馬のなかで、Seattle Slewもちは以下の3頭です。
アルクトス
ヒラボクラターシュ
プロスパラスデイズ
古馬1000万下の特別戦を制しているアルクトスとプロスパラスデイズは有力候補。差し・追い込みが利きにくい新潟コースを考えると、脚質的には前者が一歩リードしています。
Nureyev
近年のトレンドになりつつあるNureyev。目立つのはKingmambo→キングカメハメハ父子のライン。毎年のように3着馬を出していることからも、Nureyevのパワーは新潟ダートに合うのでしょう。
Nureyevは枝葉が大きく広がっているため、どのラインを経由しているのかを()で表しました。ゴールドアリュールはGA、キングカメハメハはKK、キンカメを経由しないKingmamboはKM、上記3頭を経由しないNureyevはNと表記します。
▼過去9年のNureyevもち
2017年
2着:サルサディオーネ(GA)
3着:エピカリス(GA)
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2016年
1着:グレンツェント(KM)
3着:レガーロ(KM)
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2015年
2着:ダノンリバティ(KK)
3着:(タマノブリュネット)
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2014年
3着:ランウェイワルツ(GA)
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2013年
2着:サトノプリンシパル(N)
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2012年
1着:ホッコータルマエ(KK)
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2010年
3着:ソリタリーキング(KK)
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2009年
3着:スタッドジェルラン(KK)
ダート重賞級をポンポンと産むゴールドアリュールと万能種牡馬キングカメハメハの2頭はこのコースと好相性。毎年のように3着内馬を出しています。
2015年タマノブリュネットに入るジェイドロバリーはNureyevとニアリーな血統構成なので()として記載しました。
今年の出走予定馬
今年のNureyevもちは以下の10頭。どの経由なのかを分けてみましょう。
[GA]
イダペガサス
ショーム
ダイシンカローリ
バクハツ
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[KK]
アドマイヤビクター
グレートタイム
チュウワウィザード
ビッグスモーキー
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[KM]
クレディブル
ドンフォルティス
ゴールドアリュールとキングカメハメハは今年もズラッと登録していますね。伏竜Sを勝ったドンフォルティスも侮れない1頭です。
Deputy Minister
Deputy MinisterはNorthern Dancer系のなかでも強大なパワーを誇る種牡馬です。フレンチデピュティ→クロフネがメインのラインになります。
▼過去9年のDeputy Ministerもち
2014年
1着:アジアエクスプレス
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2013年
1着:インカンテーション
3着:(ケイアイレオーネ)
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2011年
1着:ボレアス
2着:タカオノボル
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2010年
1着:ミラクルレジェンド
2着:グリッターウイング
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2009年
2着:スーニ
2014年まではほぼ毎年連対馬を出していたように、このレースのトレンド血統だったのがDeputy Minister。Northern Dancer系のなかでももっともパワーを伝える種牡馬で、それが時計のかかりやすい新潟のダートとマッチしているのでしょう。ただ、近年は出走頭数が少なくなってきています。
今年の出走予定馬
今年の出走馬のなかでこの血をもつのは以下の4頭となりました。この4頭はすべてNureyevを引くので、今年は久しぶりにこの血統の好走があるかもしれません。
イダペガサス
クレディブル
グレートタイム
ショーム
有力馬はユニコーンS2着→JDD3着のグレートタイム。母はダート重賞を勝ちまくったミラクルレジェンドという良血馬で+藤原英厩舎の管理馬ですから、まず上位の人気になるでしょう。
注目しているのはユニコーンSを回避したイダペガサス、古馬500万下を完勝しているショームの2頭。前者はユニコーンSの展望記事でも解説したので、詳しくはそちらをご覧下さい。
注目はDeputy MinisterとNureyevもち
今年はNureyevもちがワラワラといるので、注目したいのがDeputy Ministerも併せもつ4頭。グレートタイムは上位人気必死なので、残りの3頭を週末までにじっくりと吟味する予定です。
また、11人気で激走したローズプリンスダムの例があるので、Seattle Slewもちもしっかりとチェックします。その昨年はDeputy MinisterとSeattle Slewを併せもつ5着ノーブルサターンに◎。ローズプリンスダムを押さえていただけに悔しかった記憶が……。。。
まとめ
今年のレパードSはDeputy MinisterとNureyevを併せもつ馬からの選択かなと考えています。後はそこにSeattle Slewもちを絡めて高配当を!
皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。