GⅢ関屋記念(2018年)は今年も逃げ・先行馬が好走するのか?ーー注目馬ベルキャニオンについても解説!

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サマーマイルシリーズの第2戦「GⅢ関屋記念」はJRA最長を誇るホームストレッチをもつ新潟競馬場を舞台に行われます。夏のマイル・チャンピオン、そして秋の大舞台へと飛躍するのはどの馬なのでしょうか?

 

新潟芝は「高速」馬場

今開催の新潟芝は、開幕2週目の燕特別(500万下・芝2200m)で2分10秒8のレコードが出ているように、ここ数年のなかでもかなりの「高速」馬場となっています。内外の伸びが公平な馬場とあって、コースロスのないインがやや有利なコンディション。

新潟の芝外回りコースは「直線の長さ」がウリなだけに、差し・追い込み馬に目が向きがちですが、今の馬場を考えると「逃げ・先行馬」のチェックも欠かせません。

 

台風の影響は?

現在のJRAの芝コースは「排水性」が良いため、週末の競馬開催日に降雨さえなければ、それほど影響は受けません。ただ、天気ばかりはどうなるか予想もつかないので、馬場傾向の変化はしっかりとチェックしておきましょう。

 

関屋記念のポイント

新潟競馬場で行われる芝の重賞レースは、ついつい差し・追い込み馬に目が向いてしまうものの、逃げ・先行馬の好走が多い舞台です。

関屋記念の過去10年において、逃げ馬は3勝、4コーナー5番手内の馬が11頭も2着内に好走しています。前々からスムーズに運べる馬をチェックするのがベターでしょう。

 

逃げ・先行馬は?

今年の関屋記念に出走する15頭のなかで、逃げ・先行馬は以下の5頭です。

ベルキャニオン

エイシンティンクル

ショウナンアンセム

ウインガニオン

ヤングマンパワー

(内枠から降順)

スターオブペルシャやフロンティア、ジョーストリクトリ、チャンピオンルパンなども先行ポジョンを取れますが、ここでは確実に前々に付ける馬をピックアップしました。

5頭のなかで「逃げ」候補はエイシンティンクル、ショウナンアンセム、ウインガニオンの3頭。スタートが遅いウインガニオンにとって、この外枠はプラスです。

エイシンティンクルは1着となった前走で、4番手から差し脚を伸ばすレースができたとは言え、外枠からスムーズに走ってのもの。馬群で揉まれても脚を使えるのかはまだ「?」が付くので、理想はショウナンアンセムよりも外の枠が欲しかったところでしょう。

ヤングマンパワーも揉まれるとダメなタイプなので外枠はプラス。ただ、上りのかかるレースがベターな馬なので、現在の高速馬場だと不安が残ります。人気薄のベルキャニオンは馬群に入ってもOKのタイプで、最内枠は願ったり叶ったりですね。

 

ペースは「46.5 - 46.0」がベスト

関屋記念のペースは、1400mベストのショウナンアンセムが握っています。ピュアなマイラーではないエイシンティンクル(1800mがベスト)と前半800mは46秒5よりも遅く入りたいウインガニオンは後傾ラップがベスト。そのため、どこまでショウナンが前半のペースを引き上げるのが展開のポイントでしょう。

現在の新潟芝であれば、後半800mは46.0前後になることが想定されるので、前半のペース次第では1分31秒台の勝ちタイムになることも……。となると、3コーナーで前を走る3頭がお互いスムーズにポジションを取るなら、46.5 - 46.0の後傾ラップになる公算が高まります。

後半800mが46.0よりも速くなるようだと、差し・追い込み馬は早目に前との差を詰めなければならず、直線での伸び脚比べだとノーチャンスでしょう。イン優勢の馬場コンディションを考えても、この組み合わせなら「逃げ・先行馬」が有利です。

 

人気の薄い注目馬

先行馬5頭のなかで注目したいのは、「最内枠+高速馬場」がベストなベルキャニオン。名牝クロウキャニオンの仔ですから重賞でも格負けはしません。1着まで突き抜けるのかは「?」なものの、このメンバーであれば十分に2・3着内が狙えます。

 

ベルキャニオン 7歳牡馬

父:ディープインパクト

母:クロウキャニオン(母父フレンチデピュティ)

厩舎:堀宣行(美浦)

生産:ノーザンファーム

3歳時は皐月賞・ダービーへと駒を進めた素質馬。この牝系は脚元の弱さがあるため、この馬も3歳春から1年半以上の長期休養に入りました。7歳馬ながら、まだ18戦しかレースをしておらず、ここ数走を観ても年齢的な衰えはありません。マイルでも1分32秒前半の持ちタイムがあり、父ディープインパクト産駒らしく高速馬場もOK!

 

血統

母クロウキャニオンは産駒のボレアス、カミノタサハラが重賞を勝ち、その他もほぼOP級まで出世しており、現代の名繁殖牝馬の1頭です。ディープインパクト×フレンチデピュティはマカヒキ、ショウナンパンドラなどのGⅠ馬が出るニックス配合。

クロウキャニオンはPOG御用達の繁殖で、その理由は産駒の多くが3歳春まで2勝してクラシック路線に乗ることが多いから。その反面、古馬になってグングンと成長することは少なく、歳となったベルキャニオンにとってはその点だけが不安ですね。

 

関屋記念に向けて

古馬になってからは1600mベストのマイラーとなっており、素軽い先行力を武器に前々から粘り込むレースを得意としています。ディープインパクト産駒としてはパワー型でもあり、ベストは「ゴール前に急坂+外回りコース」の阪神1600m。直線が長く速い時計の出る新潟のマイルも得意なコースのひとつですから、好走の余地は十分です。

今走はショウナンアンセム、エイシンティンクル、ウインガニオンの直後のポジションが取れることから、ペースが緩めばチャンスか転がり込んできます。強敵相手のマイラーズカップと同じだけ走れば2・3着に滑り込めるメンバー構成ですし、枠と展開の利を最大限に活かしたいですね。

 

まとめ

繁殖牝馬クロウキャニオンの仔は古馬になってOPを勝ったのはマウントシャスタのみ。それだけに、7歳になっても重賞レースで掲示板内に好走しているベルキャニオンには大きな期待がかかります。

今年の関屋記念は逃げ・先行馬が残る展開となるのか、今からレースが楽しみですね。

以上。お読みいただきありがとうございました。