秋のスプリント路線のチャンピオンを決めるGⅠスプリンターズSは、中山芝1200mを舞台に争われます。今年は春の高松宮記念(GⅠ・中京芝1200m)を制したファインニードルが1人気。ロードカナロア以来となる春秋スプリントGⅠ連覇がなるのかに注目です。
スプリンターズSのポイントは?
例年のスプリンターズSであれば、レースのポイントは以下の1つのみ。
・前半3Fが速くなるかどうか
近年のスプリンターズSは前半3Fが(スプリントGⅠとしては)それほど速くなく、過去3年の内2回は後傾ラップとなっています。その3年の勝ち馬はストレイトガールとレッドファルクスの2頭で、ともに1400mベストのスプリンターです。
前半3F33.0前後のラップになれば、1400mベストのしなやかスプリンターは追走に脚を使ってしまい、直線で弾けることが難しくなります。つまり、前半3Fが速ければパワーのあるピュアスプリンターに向くレースとなるのです。
もともと中山芝1200mはスタート地点から3m以上の下り坂となるロケーションとあって、自然と前半3Fが速くなるコース。ただ、近年はゴリゴリと先行するタイプが不在のため、パワーよりもしなやかなキレが優位となっていました。
今年は重馬場
例年であれば、前半3Fが速くなるのか、1.0秒以上の前傾ラップになるのかがポイントとなりますが、今年は台風24号の影響から「重馬場」での開催となり、この仕分けでは好走馬をピックすることができません。
少なくとも1分7秒台が出る馬場ではなくなっているので、今年は前半3Fのタイムよりも重馬場適性を重視するのがベターでしょう。
重馬場に適性のある馬は?
それでは、重馬場に適性がある馬をピックアップしてみましょう。
レッツゴードンキ
セイウンコウセイ
(内枠から降順)
この2頭は馬場が悪くなれば、パフォーマンスを上げられるタイプです。上位人気のファインニードルとナックビーナスもパワータイプのスプリンターですから、時計のかかる馬場そのものは苦にしません。ただ、「重〜不良」まで悪化したときにパフォーマンスを上げられるのかは「?」が付きます。
重馬場OKの馬
次に、重馬場OKの馬をピックしてみましょう。
ヒルノデイバロー
ワンスインナムーン
スノードラゴン
ダイメイプリンセス
ファインニードル
ナックビーナス
ティーハーフ
ラッキーバブルズ
ムーンクエイク
う〜ん、重馬場を苦にしない馬たちはズラリと揃いましたね。ここまで範囲を広げると◎が絞れなくなってしまいます。それなら、重馬場でパフォーマンスの上がるレッツゴードンキとセイウンコウセイの2頭から◎を選ぶのがベストです。
予想
まずは重馬場の適性から◎をサクッとチョイスします。
◎レッツゴードンキ 6歳牝馬
父:キングカメハメハ
母:マルトク(母父:マーベラスサンデー)
厩舎:梅田智之(栗東)
生産:清水牧場
騎手:岩田康誠
桜花賞を制した後にスランプに陥ったものの、1200〜1400mのスプリント路線に転向してからはGⅠでも好走するなど、輝きを取り戻しました。
スプリント路線では昨秋のスプリンターズS、今春の高松宮記念を2着と好走しているように、スプリンターとして軌道に乗ったレッツゴードンキ。前向きな気性をコントロールできれば、パワフルな末脚でグイグイと伸びてきます。
血統
父キングカメハメハは母系の特徴を引き出す種牡馬なので、芝・ダートや距離を問わずにさまざまなタイプの産駒を出します。母マルトクはダートの短距離で活躍した馬で、血統の字面以上にパワーの勝ったスプリンター。
レッツゴードンキ自身はKingmanbo=ジェイドロバリー(血統構成が類似)2×3のクロスによって、スピードとパワー、そして前向きな気性を父母から受け継いでいます。
この馬がスプリントGⅠでも折り合いに苦労するのは、名牝Specialの前向きな気性とパワーがオンになっているから。また、Specialをクロスすることでパワーにあふれたピッチで走るのも特徴と言えるでしょう。
スプリンターズSに向けて
そもそもが小回り向きのピッチ走法で走るので、直線の短い中山コースはプラス。また、スピードが削がれる重馬場であれば、ネックとなる前進気勢を抑える苦労も少なくなります。
今春の高松宮記念2着を観ても、よりピュアなスプリンターへと変化しており、今なら中山芝1200mの重馬場はベストの条件となります。前進あって後退なしのレースとあって、人気でも素直にここから入りたいですね。
2着候補は3頭
1人気のファインニードルは枠の並びも悪くありませんし、内で包まれて脚を余すことさえなければ、十分に好走の可能性はあります。ただ、セントウルS1着馬はスプリンターズSを勝てないジンクスがあり、ここはいかにも2着の匂いが……。
ナックビーナスは時計の速い決着に向かないので、重馬場そのものはプラスです。ただ、水の浮く馬場を上手に走れるのかが不安なので……。モレイラ騎手人気にもなっているため、2着候補で。
セイウンコウセイは水の浮く馬場もOKの「重の鬼」。体調さえ整っていればこの相手でも1着に突き抜けるだけの力があり、2着候補として拾います。
3着候補は?
上記のファインニードル、ナックビーナス、セイウンコウセイをそのまま3着にマークすると配当的が厳しく……。そのため、3着を捻ります。
ダイメイプリンセス
ラッキーバブルズ
ダイメイプリンセスは高速馬場向きのタイプなものの、重も苦にしません。サマースプリント3戦の内容からGⅠでも大きく見劣りしないので、内枠を利してスムーズに運べれば。
馬場が重くなるなら香港馬のラッキーバブルズもパフォーマンスは上がるはずです。1分8秒台であれば十分にチャンスがあるので、3着候補として。
買い目
3連単のみを買います。3着に人気馬が来てしまったら素直に諦める方向で。
3連単
1着:10
2着:8. 11. 12
3着:6. 14
合計6点。
最低配当は10 - 8 - 14の962倍、最高配当は10 - 11 - 14の3990倍ですから、6点なら十分にプラスです。う〜ん、いかにもありそうなだけにドキドキしますね。
まとめ
台風24号の影響を受け、スプリンターズSが日曜日に開催されるのかはまだわかりません。
人馬の安全が第一ですが、開催されるのなら秋のGⅠのスタートとなる1戦を思いっ切り楽しみましょう。
以上、お読みいただきありがとうございました。