「雨が降〜れば思い出す〜、2017秋、菊花賞〜」
2017年の菊花賞と天皇賞・秋は歴史的な不良馬場でレースが行われました。「未曾有の」と形容したくなるほどの不良馬場は、週末になるたびに雨が降り続けたことによって現れたものです。
とくに、レースの上り3Fが40.0となった菊花賞は、競走馬のもつスタミナやパワーだけではなく、「いかに我慢して走れるか」という精神力も試された1戦になったと言えます。
今年のセントライト記念は重馬場?
当週のJRAは土日月の3日間開催。セントライト記念の行われる9日16日(月)と前日の15日は雨の降る予報となっています。中山競馬場の芝がどこまで悪化するのかはレースを予想する上でも重要です。
中山競馬場は水はけが良くなっている!
中山競馬場は2014年にコースの排水性向上のため、路盤の改修工事を行いました。これによって水はけが良くなり、レースの行われている時間帯に雨が降っていたとしても、馬場が「重」まで悪化することはなくなっています。
*)例えば、2017年のセントライト記念は前日に「重馬場」まで悪化していたものの、当日がカラリと晴れたおかげで急速に馬場が回復しました。すると、レースは高速決着となり、ノーザンファーム生産馬の上位独占という結果に……
高速馬場の影響は?
秋の中山開幕週に行われた京成杯AH(GⅢ・芝1600m)でマイルの日本レコードがマークされたように、現在の中山芝コースは「超」のつく高速馬場。
さて、問題となるのはJRAの馬場造園課が高速馬場を調整する対策を行うのかどうか……。Twitterには気になる点として、以下のように書きました。
中山競馬場の芝馬場がどうなるか……
— 白三点 (@hakusanten) 2019年9月13日
金曜日発表の馬場情報が楽しみ。
日・月と雨予報なので、JRAが散水するかどうは微妙なところ。
先週の馬場を少しでも変えたいなら、雨予報でもあっても散水するかな〜。
日・月と雨予報が出ているので、金と土に散水をするかは微妙なところです。散水をしなかった場合、もし雨が降らないと先週並みの高速馬場になることも十分に考えられます。反対に、「散水する→雨が降る」となれば、馬場の悪化はよりひどくなるでしょう。
高速馬場になる原因は?
秋の中山開幕週がかなりの高速馬場になったのは理由があります。これもTwitterでつぶやいたものを引用するとーー
JRAの芝コースが超の付くほど高速化するときは、ほぼ以下の通り
— 白三点 (@hakusanten) 2019年9月13日
1. 1週間以上、雨が降っていない
2. 週末に雨が降る予報
3. JRAが週中・週末の散水をせず
4. 週末が晴れる
→高速馬場のできあがり
秋の中山開幕週(とくに日曜)がエアレーションでも外差しにならなかったのは上記によるもの。
想像以上の高速馬場になるときは上記の理由がほとんど。そのため、今週ももし「散水をせず→雨が降らず」だと、先週と同じ状況になる恐れが……。日曜日から雨が降るかどうかは予想をする上でも大きなポイントです。
✳︎金曜日以降は散水なし
重馬場になったときは?
中山競馬場は水はけが良いとは言え、雨が降り続くようだと時計のかかるコンディションとなるでしょう。タフな馬場ならパワー・タイプが有利です。
重馬場ならRobertoとDanzig
歴史的な不良馬場となった2017年の菊花賞において、1〜4着内に好走した馬はタフな馬場を得意とするRobertoかDanzigの血を引いていました。もし、馬場が悪化するなら、この血をもつ馬に注目しましょう。
Robertoもちについては先日の記事に詳しく書いているので、ここでは該当馬だけを上げておきます。
▼Robertoもちの馬
エングレーバー
ナイママ
ニシノデイジー(5代血統表外)
ミューチャリー
リオンリオン(5代血統表外)
ルヴォルグ
(50音順)
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▼Danzigもちの馬
サトノラディウス
ニシノデイジー
ミューチャリー
RobertoとDanzigをともにもつのはニシノデイジーとミューチャリーのみ。サトノラディウスはディープインパクト産駒ながら、母系がパワフルなタイプだけに馬場が渋ってもOK。
下地が超のつく高速馬場だけに、多少の雨では時計がかかることはないものの、もし上り3Fが36.5〜よりも遅くなるならニシノデイジーとミューチャリーの出番かもしれません。
注目はサトノラディウス
サトノラディウスの母アーヴェイはGⅠフラワーボウル招待S(米・芝2000m)などアメリカで活躍しました。配合はDanehill Dancer×In the Wingsとゴリゴリの欧州血統で、パワーとスタミナに優れるタイプです。
父ディープインパクトはしなやかな体質を産駒に伝え、高速馬場を得意とする種牡馬。ただ、母系にデインヒルやSadler's Wellsを引く牝馬との配合ではパワフルなタイプの仔を出すこともあります。
サトノラディウスは同じSadler's Wellsを母系にもつタッチングスピーチと似たようなタイプで、ズドーンとパワフルな脚が長所の馬。そのため、上りのかかる中山コースも重馬場もそれほど苦にはしないでしょう。
Roberto&Danzigもち以外の重巧者は?
Roberto&Danzigもち以外の重馬場巧者をピックしておきましょう。
サトノルークス
タガノディアマンテ
マテリアルワールド
メイショウテンゲン
サトノルークスはタッチングスピーチの全弟とあって、間違いなく重巧者の1頭。タガノとマテリアルは血統的に重馬場もOKです。
メイショウテンゲンは渋った馬場となった今春の弥生賞を制しているように、時計のかかる馬場は大の得意です。弥生賞と似たような馬場コンディションであればチャンスも十分にありますね。
重馬場は非ノーザンファームでもOK
2019年上半期のGⅠを勝ちまくったのはそう、ノーザンファームの生産馬です。とくにクラシック路線では向かう所敵なしの強さとなっていますが、重馬場になったときは上位独占のケースがやや少なくなります。
非ノーザンファーム生産馬での決着となれば、配当的な妙味もあるので、今からレースが楽しみですね。穴党の人は稍重馬場になるのを静かに待ちましょう。
まとめ
セントライト記念が稍重馬場となるなら、以下のポイントをチェックするのがベターです。
・Roberto&Danzigもち
・Roberto&Danzigもち以外の重巧者
・非ノーザンファームでもOK
さて、今年は高配当の出るレースとなるのか、今から楽しみが膨らみます。
以上、お読みいただきありがとうございました。