富士S(2018年)は名牝エリモピクシーの仔レッドアヴァンセから高配当を!ーー予想

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富士S(GⅢ・東京芝1600m)は1着馬にマイルCS(GⅠ・京都芝1600m)への優先出走権が与えられるステップレース。秋のマイルチャンピオンを決めるGⅠに向け、今年はエアスピネル、ペルシアンナイトなどJRAのトップマイラーが顔を揃えました。

富士Sは不良馬場で1分34秒台となった昨年を除いても、近年は1分32〜34秒台の決着になることの多いレースです。時計の速い馬場であっても1分31秒台になることはないので、レースのポイントはココでしょう。

 

マイルの重賞は前後半800mのバランスがポイント

今開催の東京芝コースで行われた3歳以上の重賞レースは毎日王冠と府中牝馬Sの2つ。ともに1分44秒台の決着となっていることから、今の東京芝は速い時計の出るコンディションです。

 

勝ちタイムは1分31秒台になるのか?

富士Sを予想する上で大きなポイントは、勝ちタイムが1分31秒台に入るかどうか……。コレによって好走するタイプも異なります。

 

勝ちタイムが1分31秒台になると

今年と昨年の安田記念はともに1分31秒台の勝ちタイムだったことは記憶に新しいところです。まずはそれらの1〜3着馬をおさらいしてみましょう。

2017、18年の安田記念

・2017年

勝ちタイム:1分31秒5

前後半800m:45.5 - 46.0

1着:サトノアラジン

2着:ロゴタイプ

3着:レッドファルクス

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・2018年

勝ちタイム:1分31秒3

前後半800m:45.5 - 45.8

1着:モズアスコット

2着:アエロリット

3着:スワーヴリチャード

17年の1着サトノアラジンと3着のレッドファルクスは1400mの重賞勝ち馬。今年の1着モズアスコットは1400mベストのマイラーです。このことからも、1分31秒台の決着になると1800m以上の距離に適性のある馬は苦しくなることがわかります。

前半800mが45秒前後のペースだとどうしても中距離馬は道中で脚をためることができず、なだれ込むような走りになってしまいます。今年の安田記念で言えば、スワーヴリチャードやリスグラシューのような中距離馬が直線で弾ける脚が使えなかったのは、勝ちタイムと前半のペースによるものです。

 

勝ちタイムは1分31秒台になるのか?

東京の芝は確かに高速馬場であるものの、富士Sが1分31秒台の決着になるのかは微妙なライン……。ただ、逃げ馬のマルタースアポジーとウインガニオンが出走するので、前半のペースが速くなればもしかしたら? というところでしょう。

今年の安田記念は競争能力の高いアエロリットとスワーヴリチャードが先行したため、全体的に締まったペースになりました。富士Sはアエロリット級の先行馬が不在ですから、勝ちタイムもそれほど速くならないと考えられます。

 

想定される前後半800mは?

マルターズアポジーの鞍上は柴田善臣騎手なので、おそらく前半800mは46.0前後でしょう。少なくとも安田記念ほどは速くなる可能性は少ないと考えます。想定されるペースは以下の通りです。

前後半800mと勝ちタイム

前後半800m:46.0 - 46.5

勝ちタイム:1分32秒5

0.3秒ほどの誤差はあっても、今回のメンバーであれば勝ちタイムとペースはこの辺りに落ち着くのでは……と。このタイムであれば1800mベストの馬たちにもチャンスが出てきます。それに対して、1400mベストのマイラーはやや割引です。

 

1400mベストのマイラー

今回の富士Sに出走する馬のなかで、1400mベストのマイラーは以下の1頭。

ワントゥワン

この馬だけはやや割引が必要でしょう。

 

予想

ここまでは前後半800mのペースを考えたので、次は東京コースに合うタイプをピックアップしてみましょう。

 

東京コースに合ったストライド走法の馬は?

直線の長い東京コースは回転の早いピッチ走法よりも、しなやかに四肢を伸ばすストライド走法の馬に適した舞台です。まずは富士Sに出走するストライド走法の馬をピックアップします。

ストライド走法の馬

ガリバルディ

デンコウアンジュ

ハクサンルドルフ

ペルシアンナイト

レッドアヴァンセ

ロジクライ

ワントゥワン

(50音順)

ペルシアンナイトは重厚なストライドをもつハービンジャー産駒。また、ガリバルディ、レッドアヴァンセ、ワントゥワンのディープインパクト産駒もしなやかなストライドをもつのが特徴です。ロジクライは母父Machiavellianから器用さを受け継いでいますが、フォームはストライドです。◎はこの中から選びます。

 

◎レッドアヴァンセ 4歳牝馬

レッドアヴァンセは名繁殖牝馬エリモピクシーの仔で、マイルの重賞であれば勝てるだけの競争能力がある馬です。今春の阪神牝馬ステークスは◎に期待したにも関わらず、ミスパンテールの作ったドスローにハマっての2着……。

揉まれ弱い馬なので、7枠に入ったのはプラス。本来ならマルターズアポジーよりも外が良かったのですが、ここなら揉まれる心配はありません。兄のクラレントやレッドアリオンからも、直線の長い東京コースはベスト。牡馬相手でも重賞制覇を期待します。

この馬の血統などについてはすでに詳しい解説記事を書いているので、よければそちらをご覧下さい。

 

2着以下の候補は?

馬券はレッドアヴァンセの1着付けを買うので、ここからは2着の候補をピックします。ここもしなやかストライドの馬からの選択です。

ガリバルディ

今春のマイラーズC(4着)でも◎にした馬。地方に転厩となりましたが、もともとはJRAの重賞勝ち馬ですから、ここで好走があっても驚けません。ディープインパクト産駒だけに直線の長いコースがベスト。天才・御神本騎手に導かれ、新しい面が発揮できれば。

う〜ん、デンコウアンジュとハクサンルドルフは「1分33秒台の決着+スローがベター」なだけに買いにくく……。ただ、この2頭、雨が降って馬場が渋れば面白いので、馬場コンディションには注意です。

ペルシアンナイトは休み明けの59kgが引っかかります。M・デムーロ騎手なので、出遅れもありますしね。ワントゥワンは「1400mベスト+揉まれ弱い」のでモレイラ騎手人気になるなら切りたい1頭。

 

3着候補は混戦

レッドアヴァンセ→ガリバルディの3連単だとどの馬が3着に入っても高配当なので、手広く流したいところです。また、ガリバルディ3着もケアしなければいけませんね。

 

上位人気馬について

エアスピネルはピッチ走法なのでベストは小回りコース。高い競争能力で2・3着に入ることも考えられますが、東京コースに加えて休み明けは割引が必要です。

ロジクライは1分32秒〜の時計になればチャンスもありそうですが、中京記念からタフなレースが続いており、疲労残りが心配です。ただ、上位人気馬の中では買いたい1頭ではあります。

3歳馬ジャンダルムはEl Pradoらしい小回り向きのピッチ走法。東京コースはあきらかに割引です。同じピッチ走法であれば、こちらよりもエアスピネルを買いたいですね。

ガリバルディ3着付の3連単では、上記のエアスピネルとロジクライを2着にマークします。

 

買い目

レッドアヴァンセ1着固定、ガリバルディ2・3着固定の3連単で。

 

3連単

1着:14

2着:1

3着:1〜15人気までの馬

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1着:14

2着:6. 8

3着:1

レッドアヴァンセは5人気以内になるので、2着馬の買い目は15人気までの13頭を選択。これで、合計15点となります。

 

まとめ

富士Sはレッドアヴァンセの重賞制覇と御神本騎手の名騎乗に期待します。マイルCSへ好発進するのはどの馬になのか、今からレースが楽しみですね。

以上、お読みいただきありがとうございました。