香港国際競走(2018年)4レースに出走する日本調教馬をズバッ!と解説ーーヴァーズからカップまで

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12月9日(日)、シャティン競馬場を舞台に行われる香港国際競走4レースは、日本調教馬9頭が出走を予定しています。凱旋門賞に続く海外競馬の馬券発売とあって、今年も注目が集まるレースです。

日本調教馬は以下の4競走に出走を予定しています。

香港国際競争に出走する日本調教馬

香港ヴァーズ

GⅠ・シャティン芝2400m

クロコスミア 5歳牝馬

リスグラシュー 4歳牝馬

(50音順)

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香港スプリント

GⅠ・シャティン芝1200m

ファインニードル 5歳牡馬

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香港マイル

GⅠ・シャティン芝1600m

ペルシアンナイト 4歳牡馬

モズアスコット 4歳牡馬

ヴィブロス 5歳牝馬

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香港カップ

GⅠ・シャティン芝2000m

サングレーザー 4歳牡馬

ステファノス 7歳牡馬

ディアドラ 4歳牝馬

今回の記事では「香港国際競走」4レースのポイントと日本調教馬9頭から注目馬をピックアップして解説します。

 

香港ヴァーズ

香港国際競走のなかでもっとも長い距離となる2400mで争われる1戦。香港ではクラシック・ディスタンスの競走が極端に少なく、年間で3レースしか行われないこともあり、地元馬よりも海外遠征組が優勢のレース。

昨年は直線で早目に先頭に立った5歳牡馬ハイランドリール(A・オブライエン厩舎・アイルランド)が、R・ムーア騎手のアクションに応えて追いすがるタリスマニックを振り切り優勝を飾りました。

日本調教馬はトーセンバジルの3着が最先着。このことから、JRAにおける芝中長距離の重賞を勝ち負けできる馬であれば、チャンスのあるレースです。また、GⅠに格上げされた2000年以降、フランス調教馬がトップの7勝を上げているのも大きな特徴と言えます。

✳︎昨年2着のタリスマニックもフランス調教馬

 

日本から出走する2頭

香港ヴァーズに出走する日本調教馬は以下の2頭。

クロコスミア 岩田康誠

リスグラシュー J・モレイラ

香港ヴァーズは上記2頭の牝馬が出走します。ここでの注目馬は前走のエリザベス女王杯を制し、「シルバーコレクター」の汚名を返上したリスグラシューでしょう。今春に東京新聞杯を勝っており、能力は牡馬相手でも引けを取りません。ここではこの馬をピックアップして解説します。

 

リスグラシュー 4歳牝馬

父:ハーツクライ

母:リリサイド(母父American Post)

厩舎:矢作芳人(栗東)

生産:ノーザンファーム

リスグラシューは父ハーツクライと母系に入るMill Reef譲りの重厚なストライドで走るので、1F11.5〜12.0のラップが4F以上続くレースを得意とします。

この馬は3歳時まで、1F12秒台のレースだと好走し、上り3Fをすべて11秒台でまとめられると凡走していました。高速馬場の1600m戦だったヴィクトリアマイルは上りの速いレースに対応したものの、本質的には上りのかかるレースに向いた馬です。

上り3Fが「11.4 - 11.4 - 11.7」となったエリザベス女王杯を外から差し切るのは、リスグラシューが古馬になってから成長するハーツクライ産駒の特徴を受け継いでいるからでしょう。これまでとは異なる質のレースでも好走したのですから、驚くほかありません。

 

血統

母リリサイドはMill Reef5×3、Lyphard4×3などのクロスがうるさく、ハーツクライ産駒としては完成が早めです。半姉プルメリアスター(父ゼンノロブロイ)は気性のコントロールが難しいスピード馬ですが、リスグラシューは気性的なコントロールが効くので、中距離馬に出ました。

母系に引くMill Reefのクロスが表に出た重厚なストライドで走るため、外回り>内回りの適性。シャティン競馬場の直線は京都の外回りコースよりも長く、時計のかかる「洋芝」が採用されているため、リスグラシューにとってはプラスのロケーションです。

 

香港ヴァーズに向けて

この開催(香港国際競争)のシャティン競馬場は「前々+イン有利」の決着となることがままあり、外を回して差し切るのは難しい馬場コンディションです。差し馬のリスグラシューにとって、コースと馬場をよく知るJ・モレイラ騎手が乗るのは大きなプラスと言えます。

この馬のベストコースは東京の1800〜2000m。直線に上り坂のある左回りコースがもっとも向いており、右回りに変わることと牡馬相手の2400mに替わるのはマイナスです。スタミナを問われるようなレースになるなら、凱旋門賞4着のヴァルトガイストは強敵となるでしょう。

 

香港スプリント

世界の主要なスプリント戦をシリーズ化した「グローバルスプリントチャレンジ」の最終戦とあって、芝のトップスプリンターが集まります。
香港競馬はオセアニア産のパワー・スプリンターが続々と輸入されていることから、1200m路線は層の厚い地元勢が優勢。ロードカナロア以降、日本馬は馬券圏内に入ることすらできません。

 

日本から出走するファインニードル

香港スプリントに出走する日本調教馬はファインニードルのみです。

ファインニードル川田将雅騎手

今年のJRAにおける春秋スプリントGⅠ(高松宮杯&スプリンターズS)を連勝したファインニードルは、ロードカナロア以来となる香港スプリント制覇を目指します。この馬はパワーあふれるピュア・スプリンターとあって、香港で好走を期待できる1頭です。

 

ファインニードル 5歳牡馬

父:アドマイヤムーン

母:ニードルクラフト(母父Mark of Esteem)

馬主:ゴドルフィン

厩舎:高橋義忠(栗東)

今年のスプリンターズSは前後半3Fが「33.0 - 35.3」と2.3秒の前傾ラップとなり、パワフルなピュアスプリンターが台頭する質のレースでした。ファインニードルはレッドファルクスやストレイトガールなどの1400mベストのしなやかスプリンターとは異なるタイプのため、パワーを求められる香港スプリントは合っています。

 

近年の日本のスプリンターは……

近年の日本のスプリント路線は、「上り3Fの速い」レースとなることがままあり、サンデーサイレンスの血を引いた馬がしなやかに差し切るシーンが多く見られました。このしなやかさはパワーでゴリゴリと押す香港スプリントで求められる適性とは異なるものです。

ロードカナロア以降の日本調教馬がこのレースを苦手とするのも、1200mベストのパワー・スプリンターが不在だったことと無関係ではありません。ファインニードルはサンデーサイレンスの血が薄く(5代血統表において12.5%)、パワーに優れたタイプとあって、ここでも大きな期待がもてる1頭です。

 

アドマイヤムーン産駒の特徴

アドマイヤムーン産駒は今年のファインニードル、昨年のセイウンコウセイと2年続けて高松宮記念を制しました。ここ2年ともに前傾ラップとなっている(17年は稍重馬場)ことから、この種牡馬は速いペースでもOKのパワー型の産駒を出します。

現役時代はジャパンカップやドバイデューティーフリーなど直線の長いコースをしなやかなストライドで差し切ったアドマイヤムーンですが、自身の産駒は父のように中距離をしなやかに差すタイプは少なく、GⅠ級はハクサンムーン、セイウンコウセイ、ファインニードルとスプリントを得意とするパワー型。

サンデーサイレンスよりもフォーティナイナーやSharpen Upのスピードとパワーが前面に出た産駒が多く、時計のかかる芝1200mのレースで強さを発揮しています。ハクサンムーンが前傾ラップを好む逃げ馬だったことも、この種牡馬が伝えるパワーの大きさがわかるでしょう。

 

香港スプリントに向けて

ファインニードルは今春に香港の国際GⅠ競争・チェアマンズスプリントで4着と凡走しています。ただ、初めての海外遠征だったことを考えれば及第点の内容です。今秋は夏を越してさらにパワーアップしており、前回の香港遠征よりもパフォーマンスを上げることができるでしょう。

今年の香港スプリントは、チェアマンズスプリントの再戦のようなメンバー構成となっており、勢いのある上がり馬はJ・モレイラ騎手のホットキングプローンのみ。タフな戦いになることは間違いありませんが、ファインニードルにとって臆する相手ではありません。

ファインニードルは高松宮記念とスプリンターズSを外から差し切ったものの、もともと器用さのあるタイプ。イン伸びのシャティン競馬場にも対応できますし、内枠にさえ入れればチャンスは十分です。

 

香港マイル

香港国際競争の準メインを務めるレース。平坦コースのマイル戦とあって、レースのイメージとしては京都の外回りコースで行われる「マイルCS」と似ています。
この開催はイン有利な馬場コンディションとなることが多いため、パワーだけではなくコーナーで加速する器用さが求められるコース。内枠からスムーズに馬群をさばけるタイプが有利と言えるでしょう。

 

日本から出走する3頭

香港マイルに出走する日本調教馬は以下の3頭です。

ペルシアンナイト M・デムーロ騎手

モズアスコット C・ルメール騎手

ヴィブロス W・ビュイック騎手

GⅠ馬3頭が顔を揃え、モーリス以来となる日本調教馬の勝利に挑みます。モズアスコットとペルシアンナイトはJRAのマイルGⅠ勝ち馬ですし、ヴィブロスはここがラストランとあって、どのようなレースになるのか楽しみですね。

 

ペルシアンナイト 4歳牡馬

父:ハービンジャー

母:オリエントチャーム(母父サンデーサイレンス )

厩舎:池江泰寿(栗東)

生産:追分ファーム

1800mベストのマイラーなので、マイルGⅠだと時計のかかる決着がベターなタイプです。高速決着の安田記念でパフォーマンスを落とし、1分33秒3の勝ち時計となったマイルCSを好走していることからも、それがわかります。

重厚なストライドで走るペルシアンナイトにとって、シャティン競馬場の時計のかかる芝と京都競馬場に似たコースというのは大きなプラスです。馬群の中でも競馬ができるので、インベタ馬場になっても対応できるのも大きな強みと言えます。

 

血統

母オリエントチャームはダートGⅠ馬ゴールドアリュールの全妹で、JRAに出走した仔はすべて2勝以上を上げている好繁殖牝馬(それらの仔は父が異なるにもかかわらず一定の活躍をしていることから、オリエントチャームは繁殖として優秀)。

ペルシアンナイトと同じく母系にサンデーサイレンス×Nureyev×Nijinskyを引くハービンジャー産駒と言えば、秋華賞を勝ったディアドラがパッと思い浮かびます。ペルシアンナイトとディアドラの重厚なストライドは、ハービンジャー×Nureyevによるところが大きいのでしょう。

ディアドラはその母ライツェントがHalo3×4のクロスをもつことから、内回りコースで行われた秋華賞の4コーナーを器用にさばきましたが、ペルシアンナイトはストライドの活かせる長い直線が向くタイプです。

 

香港マイルに向けて

先にも述べたように、コースと芝適性については申し分のない1頭。日本調教馬3頭のなかではもっとも勝つチャンスの大きい馬と言えるでしょう。不安は以下の点のみです。

M・デムーロ騎手は香港が……

M・デムーロ騎手は香港国際競争において、日本ほどの好成績を上げていません。世界から一流ジョッキーの集まるこの開催においては、あまり輝くところがなく……。日本のGⅠで見せる好騎乗は影を潜めるので、その点が不安ですね。

内枠に入って、馬群をしっかりとさばけるようなら好走できる可能性は高くなりますが、一流ジョッキーを相手に日本でのような騎乗ができるかは「?」が付きます。

 

モズアスコット 4歳牡馬

父:Frankel

母:India(母父ヘネシー)

厩舎:矢作芳人(栗東)

高速馬場にも対応できるスピードをもち、スタートさえ決まれば前目のポジションを取れる1400mベストのマイラー。マイルのGⅠであれば1分31秒台の決着になるのがベターです。

今年のマイルCSは時計のかかる決着となったこと、前々+イン有利の馬場コンディションだったことが響き、13着と大敗しました。シャティン競馬場は時計のかかる芝とあって、安田記念のようなパフォーマンスを発揮できるのかは……。

 

血統

Frankel産駒で母系にヘネシー(父Storm Cat)とMr. Prospectorを引くのは昨秋のファンタジーSを制したミスエルテと同じ配合。父Frankelは「ガリレオ×デインヒル」というコテコテの欧州血統ながら、産駒には日本の芝向きの柔らかさも伝えます。

モズアスコットはMiswaki4×3のクロスをもち、Frankel産駒のなかでも「しなやかさ」のあるタイプ。東京や阪神・京都の外回りコースでバキューンと弾ける脚を使えるのは、しなやかなストライド走法だからでしょう。

 

香港マイルに向けて

ゴリゴリの欧州血統ながら、時計のかかる馬場を苦手とするのは1400mベストのマイラーであることと、Miswakiのクロスによるしなやかな体質によるもの。シャティン競馬場のコースは得意な舞台ですが、タフな決着になることを考えるとややトーンダウン……。

高速+インベタ馬場になって、スッと先行策を取れるようならチャンスもありますが、どうでしょうかね。乗り慣れたルメール騎手を配したのはプラスなものの、香港だと人気ほどの信頼感は有りません。

 

ヴィブロス 5歳牝馬

父:ディープインパクト

母:ハルーワスウィート(母父Machiavellian)

厩舎:友道康夫(栗東)

生産:ノーザンファーム

昨年のドバイターフは「マジックマン」と呼ばれるJ・モレイラ騎手の魔法のような好騎乗で勝利を上げました。雨の影響でややタフな馬場だったにもかかわらず、時計のかかる馬場がベストではないヴィブロスがアッサリと勝つのですから、力量が一枚上だったのでしょう。

そのドバイターフ以降は勝利から遠ざかっているものの、GⅠレースにおいて好走していることから、大きな力の衰えは感じられません。今年に入って、道中でかかるシーンが見受けられ、マイルへの距離短縮はプラスです。ラストランとなる今走、どのような走りを見せるのかな注目が集まります。

 

血統

母ハルーワスウィートは、ヴィルシーナ=ヴィブロスの全姉妹、今年の天皇賞・春2着のシュヴァルグラン(父ハーツクライ)とGⅠ級の仔をポンポンと産む「名繁殖牝馬」。

ヴィブロスは4代母の名牝Glorious Song(種牡馬Rahyとシングスピールの母)に遡る「名牝系」の出身。ディープインパクトを配し、母のもつHalo3×4を継続することで、俊敏な加速と器用なコーナリングを武器とする馬へと成長しました。

 

香港マイルに向けて

前走の天皇賞・秋は折り合いの巧みな福永騎手であってもヴィブロスの前進気勢をコントロールすことができず、折り合いを欠くシーンが見受けられました。福永騎手が折り合えないということは、それだけパワー抜群のエンジンをもっていることの証です。

デビュー時に410kg台だった馬体が今では440kgと大きく成長しており、これがヴィブロスのパワーの源となっています。体型からは1800mベストの中距離馬なものの、前進気勢のある今ならマイルへの対応も可能でしょう。

1800mベストのこの馬にとって、時計のかかるシャティン競馬場の芝はプラス。俊敏に加速のできる器用な馬ですから、インベタ馬場になっても大きな不安はありません。好調なビュイック騎手の手綱さばきに期待をかけたくなりますね。

 

香港カップ

芝中距離のチャンピオン決める、香港国際競走のメインレース。2015年のモーリス、2016年のエイシンヒカリと日本調教馬が2連覇を果たしています。日本の芝中距離馬は香港やドバイでの活躍からも世界トップレベルと言えるため、ここも楽しみな1戦と言えるでしょう。

 

日本から出走する3頭

サングレーザー J・モレイラ騎手

ステファノス W・ビュイック騎手

ディアドラ C・ルメール騎手

サングレーザーとディアドラの2頭は香港カップを目標に据えたローテーション。特に後者はエリザベス女王杯をパスしての参戦だけに、ここへ向けての仕上がりも万全です。

 

サングレーザー 4歳牡馬

父:ディープインパクト

母:マンティスハント(母父Deputy Minister)

厩舎:浅見秀一(栗東)

生産:追分ファーム

昨秋にスワンS(GⅡ・京都芝1400m)を制すると、その後はマイル路線を歩みました。マイルCS3着、安田記念5着からGⅠ級の能力があることは間違いありません。今夏に札幌記念を制して中距離にメドを立て、素質馬の揃った天皇賞・秋を2着と好走しました。

サングレーザーはしなやかなストライドで走るため、京都の外回りや東京コースに向いています。スピードに優れた中距離馬とあって、どのようなペースにも対応できるのが強みです。馬群に揉まれてもOKなので、インベタ馬場でも大きな不安はありません。

 

血統

ディープインパクト×Deputy MinisterはショウナンパンドラやマカヒキなどのGⅠ馬を出しているニックス配合。サングレーザーはしなやかさを伝えるSir Gaylord6×5のクロスをもち、ビューンと弾ける脚を使えるのが最大の長所です。

ディープインパクト産駒らしい細身の馬で、馬体からはピュアマイラーには見えません。血統通りのしなやかさをもち、ベストは京都芝1800m。それだけに平坦コースのシャティン競馬場はズンドバでしょう。

 

香港カップに向けて

シャティン競馬場を知り尽くしたJ・モレイラ騎手が乗るのは大きなアドバンテージです。またテン乗りではなく、天皇賞・秋からのコンビというのもプラスに働きます。

サングレーザーは洋芝の札幌コースを好走していること、京都の外回りコースがベストなことから、シャティン競馬場への適性が高い1頭。操縦性の高い馬でモレイラ騎手と手が合うタイプですし、初のGⅠ制覇へ視界は良好です。

 

ディアドラ 4歳牝馬

父:ハービンジャー

母:ライツェント(母父スペシャルウィーク)

厩舎:橋田満(栗東)

生産:ノーザンファーム

JRAに登録されている現役馬のなかで、個人的にもっとも好みの馬体とフットワークをもつのがディアドラです。これまでにGⅠを制したハービンジャー産駒はディアドラ、モズカッチャン、ペルシアンナイトの3頭ですが、競争能力の高さはこの馬が1番でしょう。

今年はドバイターフ3着の後、クイーンS→府中牝馬Sを連勝。前走の府中牝馬Sは斤量2kgの差をものともせず、リスグラシューを上り3F32.3の脚で後ろから差し切っており、惚れ惚れとするような強さを見せつけました。ルメール騎手がこの馬を手放したくない気持ちもわかりますね。

 

血統

名繁殖と呼べる母ライツェントは「スペシャルウィーク×Machiavellian×Nureyev」と母系に入って優秀な種牡馬が代々配されています。祖母のソニンクはランフォルセやノーザンリバーなどのダート重賞馬を出し、産駒にはスピードとパワー、そして前向きな気性を伝える名繁殖牝馬です。

ディアドラは母のもつHalo3×4の機動力とNureyevのスピード&パワーが表に出ており、小回りコースではコーナーを俊敏に立ち回り、直線の長いコースでは重厚にキレるという欠点の少ない馬として完成しました。

 

香港カップに向けて

シャティン競馬場のコースに不安はなく、海外遠征もすでにドバイで経験していることから、香港カップに向けての準備面に不安はありません。C・ルメール騎手が主戦を務めるレイデオロやアーモンドアイとレースを使い分けていることを考えれば、ここは負けられない1戦です。

「インベタ馬場+スローペース」となったときに、逃げ・先行馬を差し損ねることがあったとしても、大きく崩れるシーンは考えられません。完成期に入ったディアドラがどのような走りをするのか、今からレースが楽しみですね。

 

まとめ

今年の香港国際競争に出走する日本調教馬は、ヴァーズからカップまで充実したメンバーが揃いました。もっとも期待のもてるカップは日本調教馬のワンツーも期待できます。

以上、お読みいただきありがとうございました。