阪神芝1800m(外回り)で行われるGⅢ毎日杯は、昨年のこのレースを制したアルアインが皐月賞馬となったように、春の牡馬クラシック戦線にとって大切なステップ・レース。
今年の3歳牡馬路線は朝日杯FSを快勝したダノンプレミアム「1強」の勢力図となっており、この図式を崩す馬が現れるのか? が最大の焦点と言えます。
春のクラシック路線を展望するためにも、毎日杯は素質馬がズラリと揃った1戦となりました。ここからGⅠへと向かう馬が現れるのかに注目しましょう。
素質馬と目される馬がズラリ!
今年の毎日杯は「素質馬」と目される馬がズラリと揃いました。クラシック常連の名門厩舎の出馬登録もあり、好レースが期待できる組み合わせです。それでは、注目の馬をピックアップしてみましょう。
インディチャンプ:音無秀孝厩舎
ギベオン:藤原英昭厩舎
シャルドネゴールド:池江泰寿厩舎
ブラストワンピース:大竹正博厩舎
ユーキャンスマイル:友道康夫厩舎
毎日杯で上位人気が想定されるのは、音無、藤原英、池江寿、友道と関西の名門厩舎の管理馬です。そのなかにあって、1人気はゆりかもめ賞を圧勝したブラストワンピース。美浦の大竹厩舎が送り出すこの素質馬は意欲の遠征で好結果を出すことができるのでしょうか?
ハービンジャー産駒の素質馬
昨年、秋華賞を制したディアドラを皮切りに、エリザベス女王杯のモズカッチャン、マイルCSのペルシアンナイトとハービンジャー産駒はGⅠ3勝の大活躍を見せました。
コテコテの欧州血統ながら、種牡馬ハービンジャーは時計の速い日本の芝にもフィットする産駒を出しています。今年の3歳クラシック戦線において、「素質馬」と呼べる産駒はこのブラストワンピースが筆頭格。昨年に続いてGⅠ馬を出せるのかに注目が集まっています。
ハービンジャー産駒の特徴については以下の記事に詳しく解説しているので、よければご覧下さい。
ブラストワンピース 3歳牡馬
父:ハービンジャー
母:ツルマルワンピース(母父:キングカメハメハ)
厩舎:大竹正博(美浦)
生産:ノーザンファーム
デビューから東京コースで2戦2勝。前走の500万下ゆりかもめ賞(東京芝2400m)は2着のドレークを楽々と4馬身ちぎる快勝を見せ、一躍「クラシック候補」へと名乗りを上げました。
毎日杯→ダービーのローテーションが組まれたこと、池添謙一騎手が手綱を取り続けていることからも、その期待の高さが伺えます。陣営の青写真通りにダービーへの出走するためにも、毎日杯は結果と内容が問われるレースです。
血統
これまでにGⅠ馬となったハービンジャー産駒3頭はすべて母系にNureyevの血を引いており、ブラストワンピースもこれに当てはまります。母父キングカメハメハはモズカッチャンと同配合で、Kingmanbo←Nureyevの血が長い直線向きの重厚なストライド走法(✳︎)の源と言えるでしょう。
✳︎ブラストワンピースは母母父にフジキセキが入り、しなやかストライドで走るトーセンバジルとも配合が似ており、ここからも直線の長いコース向きであることがわかります。
本馬は母系にEl Gran Senor、Graustarkとスタミナとパワーに優れた血が入り、モズカッチャンをよりパワフルにしたイメージです。東京芝2400mのゆりかもめ賞を鋭く抜け出して楽勝したのも納得の配合と言えますね。
毎日杯に向けて
直線の長いコースに向く走りなので、コース替わりはOK。1800mの距離と上り3Fだけの瞬発力勝負も新馬戦で経験していますし、「関西への長距離輸送」をクリアすれば、レースへの楽しみが広がりますね。
ノーザンファーム生産馬なので仕上がりに関しての不安はなく、後はこの馬の素質が他馬をどれほど上回っているのか……。ここをすんなりと突破するようなら、「ダービー」での好走もも現実味を帯びてきます。
時計の速い阪神芝
今開催の阪神芝は時計が速く、直線の長い外回りコースだからとのんびり構えていると、差し・追い込み馬が届かないシーンも……。馬場が軽い印象なので、重厚なストライドで走るブラストワンピースにとって、位置取りはポイントとなります。
もともと、外回りコースは前半のペースがそれほど上がりませんし、それにプラスして高速馬場ですから、競走能力に大きな開きがないかぎり、後方からバキューンと差し切るのは難しい……。
昨年の毎日杯はアルアインが先行抜け出しで制し、単勝1.2倍のサトノアーサーが追い込み届かずに2着と敗れました。勝ちタイムが1分46秒5の速い時計だったこともあり、後方一気のレースだと頭まで突き抜けるのは厳しい……。
毎日杯ではブラストワンピースが上手にレースができるのかも大切なポイントになりますね。
まとめ
今年の3歳馬はまだハービンジャーの大物が現れていないので、ブラストワンピースが毎日杯で名乗りを上げられるのかに注目です。
以上、お読みいただきありがとうございました。