ディープインパクト産駒は2018年の桜花賞を好走できるのか?

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牝馬クラシックの第1冠「GⅠ桜花賞(阪神芝1600m)」は、直線の長い外回りコースのマイル戦とあって、バキューンと「弾ける」脚の使える馬に有利な舞台です。

そのため、ディープインパクトはその初年度産駒のマルセリーナ(2010年)を皮切りに4連勝を飾るなど、桜花賞を得意としています。ところが、近3年は重馬場や歴史的なスローなどによって、ディープインパクト産駒が勝てない舞台となっているのです。

昨年は重馬場だったこともありますが、そもそもディープインパクト産駒の出走が2頭(その内サロニカは馬場発表後に取り消し)と少なく、「ディープの娘を買えば大体当たる!」という傾向が変わってきています。

 

桜花賞を好走するディープインパクト産駒の特徴は?

桜花賞を好走するディープインパクト産駒にはどんな特徴があるのでしょうか?

まず、2010年〜14年にかけて桜花賞を制したマルセリーナ、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスターの4頭はいずれも馬体重が450kg以上あり、細身の体型に出やすいディープ産駒としては馬格のあるタイプです。また、中団〜後方からバキューンとした脚で差し切っているのも特徴と言えるでしょう。

 

馬体重が440kg以下のディープ牝馬は2着まで

桜花賞を2着に好走したディープインパクト産駒は以下の4頭です。

12年:ヴィルシーナ(434kg

13年:レッドオーヴァル(430kg

15年:クルミナル(488kg)

16年:シンハライト(426kg

✳︎桜花賞出走時の馬体重)

ヴィルシーナやシンハライトのようにそもそもの素質の高さで好走することがあっても、細身のディープインパクト産駒は桜花賞を勝つことが難しいと言えます。

3歳春の時点でマイルの外回りをバキューンと差し切るには、中距離的な細身の馬体よりもムキムキと筋肉が付いているのがベターです。

 

今年のディープインパクト産駒は?

桜花賞は3つのトライアルが終わり(3月12日の時点ではローテーションの1つフラワーCが残ってはいるものの)、出走予定馬が出揃いつつあります。桜花賞への優先出走権、または獲得賞金上位のディープインパクト産駒は以下の4頭です。

マウレア(438kg

レッドサクヤ(462kg)

フィニフティ(426kg

アンコールプリュ(426kg

✳︎エルフィンS2着のノーブルカリナンはフラワーCに出走予定。現時点では獲得賞金が足りません)

このなかでレッドサクヤを除くと440kg以下の馬体ですから、桜花賞までにかなり体重を増やさないと1着を取るのは厳しいかもしれません。

チューリップ賞2着のマウレアは中距離馬らしい細身の馬体をしていますから、馬体重を増やしたからといってマイルでバキューンと弾ける脚が使えるのかは「?」が……。

 

ノーブルカリナンは好みの配合

エルフィンS2着のノーブルカリナンは前走時馬体重が442kgと細身なものの、もう少しトモに筋肉が付けばマイルでも弾ける脚が使えそうな雰囲気をもっています。

祖母ノーブルステラがコテコテのドイツ血統で、そこにコテコテの北米血統Smarty Jonesが配されて産まれたのがOPまで出世した母ノーブルジュエリーです。母は5代アウトブリードの配合、またパワータイプのSmarty Jonesということもあり、ディープインパクトを配するには最高の繁殖牝馬と言えます。

母系に入るドイツ血脈の影響が大きければ、これからじっくりと成長を見せるでしょうから、3歳春の時点でマイルをバキューンと差し切るだけの筋肉量を身に付けられるのかはわかりませんが、個人的にとても期待している配合です。

 

フラワーC→桜花賞のローテは……

ノーブルカリナンが桜花賞に出走するためには、最低でもフラワーCで本賞金を獲得できる 2着までに入らないと……。中山への輸送もあり、前走時から馬体重を増やせているのかが注目です。

フラワーCからのローテーションだと本番への仕上げも難しいですし、桜花賞をパスしてオークスへ向かうのも面白いかもしれませんね。

 

今年の桜花賞は新種牡馬の仔が活躍

 2歳女王のラッキーライラック、シンザン記念を快勝したアーモンドアイの上位人気2頭は新種牡馬の産駒です。前者の父オルフェーヴル、後者の父ロードカナロアともに種牡馬として高い注目を集めているだけに、クラシック第1冠の桜花賞でどのような走りを見せるのかが楽しみですね。

 

ロードカナロア産駒は外回り向き

現役時代にスプリント路線の王者として君臨していたロードカナロアは、短距離馬らしくないおっとりとした気性のもち主で、それは産駒にも伝わっています。

ロードカナロア産駒の出世頭の2頭、アーモンドアイとステルヴィオはともにマイル戦でもかかることなくゆったりと走れる馬で、明らかに直線の長いコース向きの馬たちです。

シンザン記念のアーモンドアイの走りを見る限り、ベストはマイルよりも長い距離だと思いますが、あの脚はいかにも桜花賞向きと言えるでしょう。

 

まとめ

今年の桜花賞はディープインパクト産駒の復権がなるのか、それとも新種牡馬が新しいトレンドを作るのか、今から目が離せませんね。

以上、お読みいただきありがとうございました。