レース回顧

ジャパンダートダービー('17年)は船橋競馬所属のヒガシウィルウィンの勝利ーー回顧

7月12日(水)、大井競馬場の2000m外回りを舞台に3歳ダート路線のチャンピオンを決めるJpnⅠジャパンダートダービー(JDD)が行われました。JRAから7頭、地方から7頭が顔を揃え、「砂のダービー馬」を目指した1戦は、船橋所属の東京ダービー馬ヒガシウィルウ…

クイーンS('17年)はアエロリットが「逃げて完勝」、その代償は?ーー回顧

7月30日(日)、札幌競馬で行われた牝馬限定の重賞「GⅢクイーンS(芝1800m)」は、2番人気の3歳馬アエロリットが好スタートからすんなりとハナを切ると、道中も緩みのないマイペースの逃げで完勝しました。2着には中団のインから抜け出したトーセンビクトリ…

アイビスサマーダッシュ('17年)は今年も54秒台前半のタイムレースにーー回顧

7月30日(日)、新潟競馬場のメインレースとして行われたGⅢアイビスサマーダッシュ(直線芝1000m)は、スタートから後方に位置した8番人気のラインミーティアが逃げるフィドゥーシアと外ラチ沿いを走るアクティブミノルの間を鋭く伸びて1着。2着は逃げ粘った…

GⅢ函館2歳S('17年)は浜中騎手の「教育的騎乗」に応えたカシアスの完勝ーー回顧

夏の函館シリーズを締めくくる「GⅢ函館2歳S」が7月23日(日)函館競馬場の芝12000で行われ、1番人気のカシアス(2歳牡馬清水久詞)が道中6番手から直線で鋭く伸び、現2歳世代の初めてとなる重賞を制覇しました。勝ちタイムは1分10秒0(良)。 イン優勢の馬場…

GⅢ中京記念('17年)は「外差し」も「波乱」もない決着にーー回顧

7月23日(日)に中京競馬場で行われたサマーマイルシリーズの開幕戦「GⅢ中京記念(芝1600m)」は、2番手からレースを進めたウインガニオン(5歳牡馬 西園正都厩舎)が直線で内ラチ沿いをスイスイと走り抜けて重賞初制覇を飾りました。2着には中団から馬場の…

函館記念('17年)はルミナスウォリアーと柴山騎手の素晴らしい捲りが観れたレースにーー回顧

サマー2000シリーズの第2戦「GⅢ函館記念」は午前中から降り始めた雨の影響を受け、重馬場でのレースとなりました。 混戦のレースを勝ち切ったのは、3コーナー過ぎから外目を捲った5番人気のルミナスウォリアー。3〜4コーナーにかけて柴山騎手が促してスピー…

パシフィックプリンセス牝系が2週連続で福島の重賞を制覇ーー七夕賞('17年)回顧

7月9日(日)、福島競馬場を舞台に行われたハンデ重賞「七夕賞(GⅢ芝2000m)」は、戸崎騎手騎乗の1番人気ゼーヴィントが5ヶ月の休み明けをものともしない快勝を見せました。2着は3コーナー過ぎから逃げるマルターズアポジーを交わして先頭に立ったマイネルフ…

シニミニ産駒らしいしなやかさでーーキングズガードがプロキオンS('17年)を制覇 回顧

7月9日(日)、中京競馬場で行われた夏のダート短距離重賞「GⅢプロキオンS」は、シミスターミニスター産駒のキングズガードが直線で馬場の真ん中を鋭く抜け出して勝利しました。2着には外から差し脚を伸ばした1番人気のカフジテイク、3着に中団から追い上げ…

パシフィックプリンセス牝系が2年連続で制覇したラジオNIKKEI賞ーー’17年回顧

「夏競馬!」シーズンの開幕を告げる3歳ハンデ重賞GⅢラジオNIKKEI賞が7月2日(日)に行われ、石川裕紀人騎手騎乗の2番人気セダブリランテス(手塚貴久厩舎)が逃げ粘るウインガナドルを直線で捉えて1着となりました。 石川騎手は重賞初制覇、セダブリランテ…

ディープインパクト産駒が前傾ラップの1200m戦をぶっこ抜く!ーーCBC賞('17年)回顧

7月2日(日)、開幕週の中京競馬場ではサマースプリントシリーズの第2戦GⅢCBC賞が行われ、スプリント路線に転向したシャイニングレイ(5歳牡馬高野友和厩舎)が2年間の休養から完全復活を告げる勝利を上げました。勝ちタイムは1分8秒0。 シャイニングレイ 5…

サトノクラウンが歩むシャンティイ2400mへの道ーー宝塚記念('17年)回顧

春のグランプリ宝塚記念はサトノクラウンが抜群の手応えから直線を力強く抜け出して快勝し、香港ヴァーズ以来のGⅠ2勝目を上げました。国内GⅠは初制覇。 圧倒的な人気に支持されたキタサンブラックは直線で伸びを欠き9着と敗退。2着には馬場の内側を伸びたゴ…

ストライドが輝く東京のダートーーユニコーンS('17年)回顧

GⅠフェブラリーSと同じ舞台で行われるGⅢユニコーンSは、ダート路線を歩む3歳馬にとって今後を占う「登竜門」のレース。今年はNHKマイルC2着から参戦した牝馬リエノテソーロが1番人気の支持を集めたように、JRAの3歳ダート路線で高いパフォーマンスを見せてき…

函館芝はレコードの叩き売り!ーー函館スプリントS回顧

函館開幕週を飾る重賞「GⅢ函館スプリントS」は3歳牝馬のジューヌエコールが50kgの軽量を活かし、鮮やかな差し切り勝ちを上げました。勝ち時計の1分6秒8はコースレコード。2番手からレースを進めた1番人気のセイウンコウセイは直線で伸びを欠き4着と敗れる波…

マーメイドSとエプソムカップ回顧ーー重賞はスローがデフォルト

来週から函館競馬場が開催し、久しぶりにJRAは3場開催に。その夏競馬を前に阪神ではGⅢマーメイドS、東京ではGⅢエプソムカップの2重賞が行われ、白熱したレースが展開されました。 今回の記事では、その2レースを回顧していきます。 マーメイドS(GⅢ 阪神芝20…

安田記念は(2017年)は1400mベストのサトノアラジンが1分31秒5の好タイムで勝利ーー回顧

東京競馬場で行われる5週連続GⅠの最後を飾る安田記念は、前半800mが45秒5の平均ペースを大外から差し切ったサトノアラジンが1着、逃げたロゴタイプがゴール前まで粘って2着に入りました。勝ちタイムは1分31秒5。 前傾ラップの逃げを打ったロゴタイプ 昨年の…

第84回東京優駿('17年)回顧ーー分かり合えているからこそ

東京優駿の前に行われた1000万下の青嵐賞(2400m)の勝ちタイムが2分23秒8。レース実況のアナウンサーが「古馬1000万下で23秒台の決着」と高いテンションで語っていたように、日曜日の東京芝は高速化していました。 素晴らしい天候に恵まれた東京競馬場は金…

美しく、そして大胆にソウルスターリングが第78回優駿牝馬(オークス)を戴冠

ため息が出るほどに美しいフォームで東京芝2400mを駆け抜けたぴかぴかの良血牝馬ソウルスターリングと、大胆かつ繊細な騎乗を見せたルメール騎手のコンビが第78回優駿牝馬(オークス)を制しました。藤沢和雄調教師はこれで節目の重賞100勝目を達成。 デビュ…

スローのヴィクトリアマイル('17)ーーキレ味鋭い2頭での決着

春の古馬牝馬チャンピオン決定戦、ヴィクトリアマイルは4歳馬のアドマイヤリードが馬群を割って伸びて1着。初重賞がGⅠ制覇と一気に頂点を極める快走を見せました。勝ちタイムは1:33.9(稍重)。 戦前の予想を通り、ソルヴェイグが内から好スタートを切り飛び…

NHKマイルカップ('17年)回顧ーー1:32.3を余力十分に駆け抜ける牝馬

GWの最終日、心地よい風が吹きわたる東京競馬場では3歳マイル王を決める、NHKマイルカップが行われました。 桜花賞から参戦した牝馬が1、2番人気に支持された混戦模様のレースを制したのは、大外枠から抜群のスタートを切り直線も余力十分に抜け出したアエロ…

アドミラブルが素質でぶっこ抜いた青葉賞(2017年)ーー回顧

「遅れてきた最後の大物」と形容される3歳牡馬のアドミラブルが、ダービー・トライアルの青葉賞を完勝し、競馬の祭典「東京優駿」へと向かいます。アドミラブルの計時した2:23.6はドゥラメンテが'15年のダービーと同タイム。混戦と言われる牡馬クラシック戦…

素晴らしき天皇賞・春(2017年)ーーHaloクロスを封じ込めたキタサンブラック

2強対決が注目を集めた'17年の天皇賞・春は、キタサンブラックが3:12.5のレコードタイムで勝利。 天皇賞・春の前に行われた特別戦の芝レースは2鞍組まれていて、8Rの鷹ヶ峰特別(芝1400m 1000万下)は最内枠から逃げたレッドリーガルが1:20.0の好タイムで押…

モズカッチャンはキレるハービンジャー産駒ーーフローラS(2017年)回顧

3着までにオークスの優先出走権が与えられるGⅡフローラSは、未勝利→500万下を連勝して臨んだモズカッチャンが直線内から鋭く伸び、前で粘るヤマカツグレースとフローレスマジックをまとめて差し切り1着でゴールしました。 道中2、3番手にいたヤマカツグレー…

イスラボニータのしなやかなイン差しーーマイラーズカップ(2017年)回顧

1着馬に安田記念への優先出走権が与えられるマイラーズカップは、大外枠から道中インに潜り込み直線で馬場の真ん中を伸びたイスラボニータが勝利しました。 2着には外目追走から差し脚を伸ばしたエアスピネル、3着には2番手から前で粘ったヤングマンパワーが…

1:57.8のレースレコードになった皐月賞(2017年)はアルアインが1着ーー回顧

クラシック1冠目のGⅠ皐月賞は時計の速い芝で行われ、池江寿厩舎のアルアインが直線で馬群を割って伸び、内で粘るペルシアンナイトを差し切りました。勝ちタイムは1:57.8のレースレコード。鞍上の松山弘平騎手はGⅠ初制覇となりました。 中山芝の高速化 皐月賞…

スローはダメジャー!なニュージーランドトロフィー(2017年)回顧

NHKマイルカップのステップ・レース、GⅡニュージーランドトロフィー(中山芝1600m)は、ジョーカプチーノ産駒のジョーストリクトリが直線インからするすると抜け出すと、後続の追撃を振り切って1着。この日の中山芝レースでは神がかった騎乗を見せていたシュ…

中距離馬とマイラーの追走力の差ーー桜花賞(2017年)回顧

2017年、クラシック第1冠目の桜花賞は無敗で挑んだ1番人気ソウルスターリングが3着に敗れ、勝利したのはフィリーズレビュー2着から巻き返したレーヌミノルでした。2着には追い込みに徹したリスグラシューが入線。 日曜日には雨が上がり稍重まで回復した阪神…

成熟の5歳春、後傾ラップを押し切るーー大阪杯(2017年間)回顧

新設GⅠ大阪杯の初代チャンピオンに輝いたのは、昨年の年度代表馬キタサンブラック。菊花賞、天皇賞・春、ジャパンカップに続く4つ目のGⅠタイトルになりました。 それでは、張り切って回顧を!

前で受ければパワーを振り絞れるーーダービー卿CT 回顧

グレーターロンドンの回避で一転して混戦模様となったダービー卿CT。金曜日から降り続いた雨の影響でやや重たい馬場のレースに。 大外枠から気合をつけてハナを取りきったクラレントを2番手でがっちりとマークしたロジチャリスが4角手前からスムーズに仕掛け…

シャケトラの素晴らしい捲りーー日経賞(2017年)回顧

天皇賞・春の前哨戦、日経賞は4歳牡馬のシャケトラが勝利し、キャリア6戦目での初重賞制覇となりました。6月の未勝利戦でデビューとなったためクラシック路線には間に合わなかったシャケトラですが、管理する角居調教師は菊花賞には目もくれず、馬の成長に合…

雨の中京をスイスイと走るセイウンコウセイーー高松宮記念(2017年)回顧

レース前から「大混戦」と言われた高松宮記念は、直線で馬場の真ん中を1頭だけスイスイと伸びたセイウンコウセイが1着、2着と3着には内を突いたレッツゴードンキとレッドファルクスが入線する結果となりました。勝ちタイムは1:08.7(稍重)。 馬場と枠順の影…