ドバイターフ&シーマクラシック(2018年)をスバっと予想!ーー日本馬は好走できるのか?

f:id:hakusanten:20180329020135j:plain

ドバイミーティング(Dubai World Cup Day)はメインレースとなるドバイワールドカップを含め、1日に4つのGⅠレースが行われます。今年はレイデオロやリアルスティールなど日本から総勢14頭が出走。質で量ともに申し分のないメンバーが遠征することから、レース内容だけではなく、馬券も楽しめる1日になりそうです。

今回の記事では、ドバイターフとシーマクラシックの芝GⅠ2レースをズバーンと予想します!

 

ドバイターフ(メイダン芝1800m)

ドバイターフは中山記念(中山芝1800m)を好走する力があれば、日本の芝トップクラスでなくとも通用してしまうレースです。昨年のヴィブロス、一昨年のリアルスティールと日本馬が2年連続で制し、今年は3連覇がかかります。まずは人気の中心に推される日本馬をチェックしておきましょう。

ネオリアリズム 7歳牡馬

ヴィブロス 5歳牝馬

リアルスティール 6歳牡馬

クロコスミア 5歳牝馬

ディアドラ 4歳牝馬

(内枠から降順)

GⅠ馬が4頭と豪華な顔ぶれとなった日本勢。人気の中心は昨秋の毎日王冠をハイパフォーマンスで制しているリアルスティール、J・モレイラ騎手を配したネオリアリズム、昨年の覇者ヴィブロスの3頭でしょう。

日本勢については週中に詳しい解説記事を書いているので、よければ以下をご覧下さい。

 

日本馬の不安は?

日本馬にも死角があり、人気ほど好走の可能性が高いのかは「?」が付きます。上位人気3頭のそれぞれの不安点について見ておきましょう。

 

ネオリアリズム

札幌記念、中山記念、香港のクイーンエリザベス2世Cと国内外の重賞を制している実力馬ですが、名繁殖牝馬の母トキオリアリティーの仔らしく小回り向きのパワーを受け継いでおり、直線の長いメイダンでしなやかにキレるのかは疑問が残ります。

J・モレイラ騎手を配したのは大きなプラスとは言え、内枠だと前に壁を作って折り合う競馬になる可能性が高く、そこからビューンと弾ける脚を使えるのかは……。逃げの手に出て後続に脚を使わせるような展開であればチャンスはありそうですが……。

 

ヴィブロス

昨年はこの馬にベストな馬場状態ではなかったにもかかわらず、J・モレイラ騎手の「神騎乗」で勝利を上げました。反対に、アレ以上のパフォーマンスを引き出せるのかが鍵となります。

メイダン競馬場であれば、ハイペースよりもスローバランスが望ましく、リアルスティールとセットで馬券に絡むイメージです。昨年よりもメンバーのレベルは上がっており、同じようなレースで勝ち切れるのかは「?」が付きます。

 

リアルスティール

不安点は大きく3点。ひとつは急遽バルザローナ騎手へ乗り替わりとなったこと(デットーリ騎手を予定)、もうひとつは昨秋の天皇賞・秋以来のレースとなることです。最後に、この馬向きの「スロー+瞬発力勝負」にもちこめるのかどうか。

予定していた騎手からの乗り替わりはマイナスこそあれプラスはありません。天皇賞・秋の後に「適鞍がなく休養」すると矢作調教師が話していたことから、ここまで待機したのは好感がもてますし、休み明けはそれほどマイナスではないものの、プラスでないのは確かです。

ピッチ走法のこの馬は直線の長いコースであれば毎日王冠なような瞬発力勝負がベターで、ペースが想定以上に流れた時にストライドで走る馬に差し切られてしまうおそれも……。勝てるかどうかは「?」も、好走の可能性は高い1頭と言えるでしょう。

 

馬券は海外馬から

人気ほどに日本馬が磐石とも思えないので、それなら思い切って馬券は海外勢から入りたいレースです。日本では実力以上に過小評価されている馬を狙いましょう!

 

◯トレスフリュオース4歳牡馬

フランスの名伯楽A・ファーブル調教師が送り出す4歳牡馬。前走はオールウェザーの1戦を叩き、ここに向けての準備に抜かりはありません。初めてマイルよりも長い距離を走るとあって、折り合いがカギになるものの、あたりの柔らかいシュミノー騎手であれば上手く制御できるでしょう。

 

血統

父Dansiliは日本で繁殖生活を送る種牡馬ハービンジャーの父としても知られ、ヨーロッパ血統ながら軽い芝向きの走りをする産駒も出すのが特徴です。日本でGⅠを勝ったハービンジャー産駒はすべて母系にNureyevの血を引いており、トレスフリュオースも母系にこの血をもつことから、軽い芝向きの可能性があります。

母Trois Lunesはドイツ血脈Monsunの血を引き、日本に輸入されてもおかしくないほどの血統構成をしています。速い時計の馬場にも対応できるでしょうし、長い直線もベスト。

 

UAEの馬たちの評価は?

トレスフリュオース以外はホームのUAE馬3頭をピックします。

ベンバトル

ブレアハウス

レシュラー

UAEの名伯楽ビン・スルール調教師が送り出すベンバトルは3歳時には英ダービーにも出走(5着)した素質馬。前走のプレップ・レースは2着と及第点の走りを見せ、本番に向けての準備は万全です。父Dubaiは名競走馬Dubai Millennium直仔でパワー型の中距離馬。母父Selkirkもスピードとパワーを備えたマイラーですから、本馬も実直な脚を使い続けるタイプに出ました。瞬発力勝負は苦手なものの、時計の速い決着はOKなので、内枠から強気に抜け出したいところでしょう。

ブレアハウスは前哨戦を快勝してここへ臨みます。鞍上は当レースと好相性のW・ビュイック騎手。父Pivotalは日本でもミッキーロケットやファンディーナの母父として知られ、産駒には豊かなスピードを伝えます。ブレアハウスは軽い芝向きの走りをする馬で、直線の長いコースはずんどば! 大外枠に入ったのが気になるものの、折り合えればチャンスも。

人気薄のUAE馬レシュラーはC・スミヨン騎手が乗るとあって押さえないわけにはいきません。この4頭を中心に馬券は組み立てたいですね。

 

買い目

トレスフリュオースからベンバトル、ブレアハウス、レシュラーへの馬連を。日本馬が3着に入って配当が低くなることを避けるためです。

3連単はベンバトルを1着に固定し、日本馬は3着にリアルスティールとヴィブロスだけをマークします。

 

馬連

4 - 5. 14. 15

 

3連単

1着:5

2着:4. 14. 15

3着:4. 14. 15. 7. 8

 

ドバイシーマクラシック(メイダン芝2410m)

シーマクラシックはターフと同じく日本馬に相性の良いレースです。昨年はタフな馬場+ハイランドリールの作る淀みのないペースとなり、日本から1頭だけ参戦したサウンズオブアースは馬券内に好走することはできませんでした。

日本からはダービー馬レイデオロと宝塚記念馬サトノクラウンのGⅠ馬2頭が参戦します。

 

レイデオロ 4歳牡馬

レイデオロは不思議な強さをもった馬で、小気味の良い回転のピッチ走法にもかかわらず、直線の長いコースでもしっかりと伸び脚を発揮できます。

キタサンブラックが淀みのないペースで逃げたジャパンカップはシュヴァルグランこそ捕らえられなかったものの、バキューンと弾ける脚を使って2着と好走しました。

シーマクラシックの舞台も本質的には合わないはずですが、この馬のポテンシャルの高さをもってすればアッサリの可能性も十分です。スローを俊敏に抜け出したいので、後傾ラップになるのがベストです。

 

◎サトノクラウン 6歳牡馬

1F11秒後半〜12秒前半のラップがダラダラと続くロングスパート戦であれば、世界のどこで走ってもトップレベルの力がある実力馬。

前脚を突っ張る独特なストライド走法はメイダン競馬場のコース形態に合うはずです。とにかく厳しいラップになればOKなので、ペースを引き上げるレース運びができるかどうか……。

休み明けそのものは苦にしませんし、昨秋3戦のダメージがしっかりと抜けていればチャンスも十分です。J・モレイラ騎手のマジックに期待しましょう。

 

日本馬は適性が真逆

レイデオロとサトノクラウンはもっている適性が真逆のため、2頭が揃って好走する可能性は低いと言えます。どちらかを馬券の軸にするのなら、どちらかは買い目から外すのがベターです。

「直線の長いコース+日本のような高速馬場ではない」のなら、◎はいつでもどこでもサトノクラウン! ジャパンカップで◎を打ったのですから、それよりも条件が好転するシーマクラシックで重い印にしない理由がありません。

 

相手は?

サトノクラウンからの馬券なので、レイデオロは馬券から外します。相手候補は持続戦に強い欧州血統の馬をピックアップします。

クロスオブスターズ

A・ファーブル調教師が送り出す昨年の凱旋門賞2着馬。4分の3同血のユリシーズ(英インターナショナルS1着、凱旋門賞3着など)もそうですが、この馬はゴリゴリの欧州血統「なのに」体質が柔らかいのが最大の特徴でしょう。

これまでの戦績と走りから長い直線のコースはずんどば! 時計の速い決着にも対応できますし、昨年の凱旋門賞のようなタフな流れになってもOK。サトノクラウンとのワンツーを期待します。

 

買い目

サトノクラウンとクロスオブスターズの馬連と、この2頭を1、2着に固定した3連単を。3着には何が来るのかはわからないので、モズカッチャンとレイデオロを除いて総流しをする予定です。

 

馬連

6 - 8

 

3連単

1着:6. 8

2着:6. 8

3着:2. 4. 5. 7. 9. 10

 

まとめ

ドバイターフとシーマクラシックは馬券も購入できるため、日本の競馬ファンにより親しめるレースとなりました。日本勢は多くのGⅠ馬が出走するとあって、人気もかぶりそうですね。

土曜日のJRAが終わったら、ドバイの競馬をたっぷりと楽しみましょう!

以上、お読みいただきありがとうございました。